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AIで資料を作る完全ガイド:用途別ツールと手順

AIで資料を作る完全ガイド:用途別ツールと手順

この記事の要点

AIを使うと企画書・報告書・提案書・議事録・マニュアルなど、あらゆるビジネス文書の下書きが数分で完成します。用途別のツール選定、実践プロンプト例、品質を高める3つのポイントを解説します。

AIで資料を作るとき、最初にすべきことは「どの工程にAIを使うか」を決めることです。AIは文章の構造化と下書きが得意で、数値の正確性とデザインの調整は人間が担います。この分担を最初に理解せずにAIに「全部作って」と任せると、数値誤りや構成の浅い資料が出てきます。

AIで作れる資料の種類

ビジネスで使う資料のほぼすべてにAIを活用できます。

企画書・提案書: 背景・課題・解決策・実施計画という構成をAIに生成させ、自社の固有情報と数値を人間が加えます。構成の検討と文章の流れが最も省力化できる資料です。

報告書: 実績数値を入力すると、前月比の増減コメントや示唆をAIが生成します。「3月の売上は前月比15%増となりました。主要因はXとYです」のような報告文の骨格をAIが出力します。

議事録: 録音データの文字起こしか、手書きメモを貼り付けると、AIが整理された議事録を生成します。「決定事項」「アクションアイテム」「次回確認事項」に分類するのが得意です。

マニュアル・手順書: 「〜する手順を書いて」と指示すると、番号付きの手順書が数分で出力されます。画面スクリーンショットや補足説明を人間が加えて完成させます。

メール・ビジネス文書: 依頼・お礼・謝罪・承認依頼など、型が決まっているビジネスメールの下書きは、AIが最も速く出力できる種類です。

プレゼンスライド: 構成をAIに出力させてから、GammaやPowerPoint+Copilotでスライド化します。プレゼン資料に特化した手順はAIでプレゼン資料を作る方法で詳しく解説しています。

資料作成フロー全体でAIを使う考え方

資料作成には「情報収集→構成検討→文章化→確認・調整」という工程があります。AIはこのうち「構成検討」と「文章化」で最も力を発揮します。

情報収集: AIは学習データに基づく情報しか出力できません。社内固有の情報(自社の実績、顧客の声、競合分析)は自分で収集してからAIに渡します。

構成検討: 「こういう目的の企画書の構成を5パターン提案して」のように使います。自分では思いつかなかった切り口が出てくることがあります。

文章化: 構成が決まったら、各セクションの内容をAIに書かせます。ここが最も時間削減効果が大きい工程です。

確認・調整: AIが書いた文章の数値・固有名詞・最新情報を人間が確認します。資料の読み手に合わせたトーン調整もここで行います。

生成AIとは何かの基礎を理解した上でツールを使うと、AIの得意・不得意を踏まえた使い方ができます。

用途別のツール選び

Word・PowerPoint + Microsoft Copilot

既にMicrosoft 365を使っている組織では、追加のツール導入なしにAIを使い始められます。Copilot in Wordでは、テキストを入力して「この内容をもとに企画書の形式で書き直して」と指示できます。Copilot in PowerPointでは、WordファイルやOutlineテキストからスライドを自動生成できます。

社内テンプレートと書体を維持したまま生成できる点が最大の利点です。ブランドガイドラインが厳しい企業での資料作成に向いています。Microsoft 365 Copilotアドオンが必要です。

Notion AI

Notionのドキュメント編集と一体化しており、文章を書きながらAIを使う体験がスムーズです。「このセクションを短くして」「箇条書きをまとめて」のような編集指示が自然な流れで使えます。チームでの共同編集と組み合わせやすいのも特徴で、資料のレビュー・修正フローをNotionで完結させたい場合に向いています。

Claude

Anthropicが提供する対話型AIです。長い文書の要約や、複雑な構成の文章化が得意です。企画書や提案書のように論理的な構成が重要な資料では、「なぜその順序で説明するか」という根拠を含めた構成提案が返ってきます。社内情報を入力する際はAnthropicのプライバシーポリシーと自社のAI利用ポリシーを確認してください。

ChatGPT

OpenAIのChatGPTは、さまざまな文体・フォーマットへの対応が柔軟です。「役員向けの簡潔な報告書にして」「新入社員でも分かる表現にして」のような読み手の指定が効きやすいです。

ChatGPT・Claude・その他のAIモデルの比較はChatGPT・Claude・Gemini比較を参照してください。

Gamma

プレゼンスライドの自動生成に特化したツールです。テキストを貼り付けるだけでデザイン済みのスライドが生成されます。企画書をスライドに変換したい場面に適しています。

資料種別の実践プロンプト例

企画書のプロンプト

以下の情報をもとに企画書を作成してください。

【目的】
(例:新サービスXの社内立ち上げ承認を得る)

【背景・課題】
(例:現在の受注処理に3つの非効率があり、月40時間のムダが発生している)

【提案内容の概要】
(例:〇〇ツールを導入し、受注処理を自動化する)

【期待効果】
(例:月40時間削減、年間コスト削減額は約150万円)

【実施スケジュール(概要)】
(例:来月から3ヶ月で導入)

構成は「背景→課題→提案内容→期待効果→実施計画→費用→リスクと対策」でお願いします。
各セクション200〜300字、全体で1,500字程度にまとめてください。

月次報告書のプロンプト

以下の数値をもとに月次報告書のコメントを作成してください。

【今月の実績】
- 売上:〇〇万円(前月比+X%、計画比Y%)
- 受注件数:〇件(前月比+A件)
- 主要施策:B施策の開始、C案件の受注

【特記事項】
(例:大型案件の受注、キャンペーン効果)

【来月の方針】
(例:D案件のクロージング、新規開拓5件)

報告書の読み手は事業部長です。数字の羅列でなく、因果関係と来月への示唆を含む500字前後のコメントにしてください。

提案書のプロンプト

以下の条件で提案書を作成してください。

【提案先】
(例:製造業の中堅企業。従業員300名。IT部門なし)

【提案内容】
(例:在庫管理システムの導入)

【相手の課題(ヒアリング情報)】
(例:在庫の過不足が月2〜3回発生、欠品で受注機会を逃している)

【提案のポイント】
(例:初期費用を抑えたSaaS型、IT部門なしで運用可能)

構成は「現状課題の確認→解決策の提案→導入効果→費用と体制→次のステップ」でお願いします。
相手が決裁しやすいよう、数字と具体的なメリットを前面に出してください。

品質を高める3つのポイント

ポイント1:一次情報をAIに渡す

AIが出力する資料の品質は、入力した情報の質に比例します。「いい提案書を作って」と指示だけしても汎用的な内容しか出てきません。自社の実績数値、顧客のヒアリング内容、競合との差別化ポイントといった一次情報をプロンプトに含めると、具体性のある資料になります。

ポイント2:数値は必ず人間が確認する

AIが生成した文章に含まれる数値は、必ず元データと照合してください。AIは学習データをもとに「それらしい数値」を出力することがあります。特に「業界平均」「調査によると」のような表現には、根拠が確認できない数値が含まれることがあります。数値の出所が不明なものは削除するか、自分で確認した値に置き換えます。

ポイント3:読み手を具体的に指定する

「役員向けに」「現場の担当者向けに」「取引先への提案として」のように読み手を具体的に指定すると、AIが文体・粒度・強調ポイントを調整します。同じ内容でも、経営層向けは結論と数字を前面に出す、現場向けは手順と具体例を詳しく書く、という調整が自動でかかります。

社内承認が通りやすい資料にするための活用法

社内承認が通らない資料には共通のパターンがあります。「なぜこの解決策か」の根拠が弱い、数値の前提条件が不明、リスクの言及がない、の3つが典型です。

AIにリライトを依頼するときに、このポイントを指示に含めます。

この企画書を社内承認に通りやすい形に改善してください。
以下の観点で弱い部分を補強してください。

1. 解決策を選んだ根拠(なぜ他の選択肢でなくこれか)
2. 数値の前提条件と出所の明記
3. 主なリスクとその対策
4. 承認後の具体的な次のステップ

このように「何が弱いか」を指示に含めると、AIは構成の欠けている部分を補う提案を返してきます。

承認フローを意識した資料作りには、意思決定者が「承認か否か」を判断するための情報を過不足なく揃えることが重要です。承認者が自分で確認したくなる疑問を先回りして答えておくのが、承認が通る資料の基本です。

AIは「一般的な承認文書の形式」は知っていますが、社内の承認プロセスや承認者の関心事は知りません。そのため、AIが出した初稿に対して「この承認者はXを特に気にする」という情報を追加入力して再生成すると、精度が上がります。

機密情報の取り扱いに注意する

外部のAIサービス(Claude・ChatGPT等)に情報を入力する場合、入力したテキストがサービスの学習データに使われる可能性があります。顧客名・売上数値・未公開の製品情報など、機密性の高い情報の入力前に、自社のAI利用ポリシーと各サービスのプライバシーポリシーを確認してください。

Microsoft Copilotは組織のMicrosoft 365環境内で動作するため、入力データが社外に出ない設計になっています。機密情報を含む資料作成にはCopilotを使い、汎用的な文章生成にはClaude・ChatGPTを使うという使い分けが現実的です。

無料で使えるAIツール一覧では、コスト負担なく試せるツールをまとめています。資料作成の用途でどこから手をつければいいか迷っている場合は参考にしてください。

AIモデルの選び方では、用途に応じたAIの選定基準を詳しく解説しています。資料の種類や機密レベルに応じてツールを使い分けるための判断軸が整理されています。

よくある質問

AIで資料作成するとどれくらい時間が短縮できますか?

資料の種類によりますが、構成案と文章の下書きに限れば、従来1〜2時間かかっていた作業が15〜30分に短縮できるケースが多いです。数値確認・デザイン調整・上長レビュー対応は人間が担うため、完成まで全体の半分程度が目安です。

AIで作った資料をそのまま社内提出・社外提出しても問題ないですか?

数値・固有名詞・最新の仕様については、必ず人間が事実確認を行ってください。AIは学習データをもとに文章を生成するため、実在しない数値や古い情報を出力することがあります。また、会社の機密情報をAIサービスに入力する際は、自社のAI利用ポリシーを確認してから使ってください。

Wordで使えるAI資料作成ツールはありますか?

Microsoft 365 CopilotはWordと直接統合されており、既存のWordファイル上でAI指示が使えます。Notion AIはドキュメント編集と一体化しており、文章の下書き・要約・リライトが自然なフローで使えます。どちらも社内情報をテキストで入力してAIに処理させる形のため、入力する情報の範囲について社内ポリシーを確認してください。