主要LLM一覧 2026年版:5社のモデルの特徴と選び方
この記事の要点
2026年6月時点の主要LLMはOpenAIのGPT-5.5、AnthropicのClaude、GoogleのGemini 3.5、MetaのLlama、xAIのGrokの5系統。各モデルの特徴・得意分野・選び方を一覧表と用途別に整理する。
結論
2026年6月時点で業務利用の候補になる主要LLMは、OpenAIのGPT-5.5系、AnthropicのClaude系、GoogleのGemini 3.5系、MetaのLlama系、xAIのGrok系の5系統です。性能の差は用途によって逆転するため、どれが最強かを探すより、自社の主な業務に合うものを2系統まで絞って実際の文書で試すのが早道です。この記事では各系統の特徴と、業務内容からの選び方を整理します。
LLMとは何か
LLMは、大量の文章を学習して言葉を扱えるようになったAIモデルです。日本語では大規模言語モデルと呼ばれます。文章の下書き、要約、翻訳、表の整理、コードの作成まで、言葉で指示できる作業を幅広くこなします。
注意したいのは、サービス名とモデル名が別物だという点です。ChatGPTはサービスの名前で、その中身として動くモデルがGPT-5.5です。GeminiやClaudeも同様に、アプリの名前と中で動くモデルの世代が分かれています。ツール選定の場面では、どのサービスを契約するかと、その中でどのモデルを使うかを分けて考えると混乱しません。モデルの規模による違いはSLMとは何かで扱っているので、小型モデルとの使い分けを知りたい場合はそちらを参照してください。
主要LLM一覧表
2026年6月時点の主要モデルを一覧にまとめます。モデル名や提供状況は更新が速いため、最新は各社の公式情報で確認してください。
| 提供元 | 主なモデル | 主なサービス | 特徴 |
|---|---|---|---|
| OpenAI | GPT-5.5 Instant | ChatGPT | 利用者数が最大。高難度の質問での誤りを前世代比52.5%減と発表 |
| Anthropic | Claude Opus 4.8 / Sonnet 4.6 | Claude | 長文の読解と文書作成に強み。エージェント機能の拡充が速い |
| Gemini 3.5 Flash / Pro | Gemini、Google検索 | Flashは応答速度重視で標準提供。ProはGoogleが近く投入予定と発表 | |
| Meta | Llama 3.2系 | 各社のサービスに組み込み | 重みが公開されており自社サーバーで運用できる |
| xAI | Grok 4 | Grok、X | Xの投稿を踏まえた最新情報の参照に特徴 |
各社のモデルはどう違うか
OpenAIのGPT-5.5 Instantは、2026年6月にChatGPTの標準モデルになりました。医療・法律・金融などの難しい質問で誤った主張が前世代より52.5%減ったと同社は説明しています。利用者が最も多く、社内に使い方の情報が集まりやすい点も実務では効きます。
AnthropicのClaudeは、上位のOpus 4.8と標準のSonnet 4.6という構成です。長い資料を読ませたうえでの要約や、トーンの整った文書作成に定評があります。複数の手順を自動でこなすエージェント機能の更新も続いています。
GoogleのGemini 3.5 Flashは、GeminiアプリとGoogle検索のAIモードの標準モデルとして正式提供されています。出力速度は他社の最上位モデルの約4倍とされ、待ち時間の短さが特徴です。上位のGemini 3.5 Proは200万トークンの文脈長を掲げて近く投入予定とされますが、6月時点では正式提供前です。
MetaのLlamaは、モデルの重みが公開されている点が他と異なります。自社サーバーに置いて動かせるため、データを外部に出せない業務でも使えます。そのぶん運用の技術力が必要で、導入の手間は大きくなります。
xAIのGrok 4は、Xの投稿を踏まえた回答ができる点に特徴があります。時事性の高い調べ物には向きますが、業務文書の作成では上の3社と比べて採用事例が少ないのが現状です。
業務内容からどう選ぶか
選び方の出発点は、自社で最も時間を使っている言葉の作業が何かです。メールや提案書などの文書作成が中心なら、ChatGPTかClaudeを第一候補にします。日本語の文章品質を実際の業務文書で見比べるのが確実です。
社内の情報基盤がGoogle Workspaceなら、Geminiを最初に試す価値があります。メールやドキュメントとの連携が標準で使えるため、別ツールを行き来する手間が減ります。Microsoft 365中心の会社なら、GPT系を組み込んだCopilotが同じ位置づけになります。
機密性の高いデータを扱う業務では、クラウドに出せるかどうかが先に決まります。出せない場合はLlamaのような公開モデルの自社運用が選択肢に入ります。大規模なモデルと小型モデルのどちらが合うかはSLMとLLMの比較で詳しく整理しています。
複数を比べるときは、同じ指示文を3つのモデルに与えて出力を並べる方法が手軽です。自社でよく書く文書を3種類ほど題材にすれば、半日で傾向がつかめます。
料金はどう考えるか
主要サービスはいずれも無料枠と有料プランの2段構えです。無料枠は試用には十分ですが、利用回数や機能に制限があるため、業務での常用は有料プランが前提になります。個人向け有料プランは月20ドル前後が相場で、法人向けは1人あたりの月額に管理機能が上乗せされる形が一般的です。
注意したいのは、モデルの世代交代で料金や提供条件が変わることです。料金体系の基本的な見方はAI料金の基礎知識で、有料プラン同士の具体的な比較は生成AI有料プランの比較で扱っています。契約前にこの2本で相場観をつかんでおくと、過大な契約を避けられます。
まとめ
主要LLMは5系統あり、業務の中心が文書作成ならChatGPTかClaude、Google環境ならGemini、データを外に出せないならLlamaの自社運用、という整理が2026年6月時点の出発点です。モデルの世代交代は数カ月単位で起きるため、一度決めたら終わりではなく、半年ごとに主要モデルを同じ題材で試し直す運用にしておくと、性能の変化に取り残されずに済みます。
よくある質問
LLMとは何ですか?
大量の文章を学習し、人間の言葉で指示すると文章の生成・要約・翻訳・分析などをこなすAIモデルのことです。大規模言語モデルと呼ばれます。ChatGPTやGeminiといったサービスの中身として動いているのがLLMです。
結局どのLLMを選べばよいですか?
まず全社員が使う標準として1つ、用途が合わない業務向けに補助で1つ、の2段構えが現実的です。文書作成中心ならChatGPTかClaude、Google Workspaceを使う会社ならGemini、という出発点で試し、実際の業務文書で比較してから決めてください。
無料で使えるLLMはありますか?
ChatGPT・Claude・Gemini・Grokはいずれも無料枠があり、登録すればすぐ試せます。ただし無料枠は利用回数や機能に制限があり、業務で常用するなら有料プランが前提になります。MetaのLlamaは重みが公開されており、自社サーバーで動かす選択肢もあります。