プレスリリースをAIで作成する方法
この記事の要点
マーケティング担当者がプレスリリースをAIで効率よく作成する手順を解説。基本構成の生成からメディア別の調整・チェックまで、コピペできるプロンプト付きで説明します。
結論
プレスリリースの初稿作成にAIを使うと、構成から本文の第一稿まで30分以内に仕上がります。プレスリリースは構成が定型化しているため、AIとの相性が良い文書形式です。ただしAIは自社の数値・コメント・リリースの背景を知らないため、それらを素材として渡す準備が成功の条件です。
プレスリリースの基本構成
プレスリリースには共通する構成があります。この構成をAIが知っているため、素材を渡すと整理してくれます。
| パート | 内容 |
|---|---|
| 見出し | 最もニュース価値のある事実(1行) |
| リード文 | 5W1Hを含む要約(1〜2文) |
| 本文 | 背景・詳細・数値・差別化ポイント |
| コメント | 代表者・担当者の発言(1〜2段落) |
| 会社概要 | 社名・設立・事業内容・連絡先 |
| 配信日・問い合わせ先 | 日付・PR担当者名・連絡先 |
手順1:AIに渡す素材を整理する
プロンプトを書く前に、次の情報を手元にそろえます。AIは自社の情報を持っていないため、これを渡さないと一般論しか出てきません。
- リリースの核心: 何を発表するか(新製品・資金調達・提携・受賞・採用等)
- 数値・事実: 発表に関わる具体的な数字(金額・件数・日付・比較)
- 背景: なぜこのタイミングで行うか
- 代表者コメント案: 経営者・担当者が伝えたいこと(メモ程度でよい)
- 配信先: 一般メディア向け・業界メディア向け・プレスリリースサービス向けなど
手順2:初稿を生成する
以下の条件でプレスリリースを作成してください。
リリースの内容:クラウド型在庫管理システム「〇〇」の機能アップデート(リアルタイムアラート機能の追加)
発表日:2026年6月15日
発表者:株式会社〇〇(東京都渋谷区)
素材として使ってよい事実:
・今回追加するアラート機能は、在庫が設定値を下回った瞬間にSlackとメールで通知する
・アップデート後の機能追加で、既存ユーザーのうち83%が「棚卸しのミスが減った」と回答(2026年5月の自社調査、回答数120社)
・既存ユーザーへの提供は追加費用なし
・代表コメントのメモ:「在庫切れによる販売機会損失を減らすことをずっと課題にしてきた。今回のアップデートはその一歩。」
構成:見出し・リード文・本文(3〜4段落)・代表コメント・会社概要(プレースホルダーでよい)
条件:
・「業界No.1」「初めて」「最高水準」などの最上級表現は使わない
・素材にない数値を追加しない
・リード文は200字以内
・です・ます調でなく体言止めと断言形式を混ぜた報道文体で書く
手順3:見出しのバリエーションを生成する
プレスリリースの見出しは配信先によって最適な表現が変わります。一般向けと業界向けで刺さる表現が異なるため、複数バリエーションを生成して選びます。
以下のプレスリリースの見出しを、3つのバリエーションで生成してください。
リリースの内容:(手順2のリリース内容を貼る)
バリエーション1:一般ビジネスメディア向け(課題解決の効果を前面に)
バリエーション2:IT・テック系メディア向け(機能の技術的特徴を前面に)
バリエーション3:中小企業向けメディア向け(コスト・手軽さを前面に)
各見出しは40〜60字、体言止めで終わる。
具体例1:資金調達発表のプレスリリース
スタートアップがシリーズAの資金調達を発表するケースは、プレスリリースの型が特に明確です。
渡す素材:
- 調達金額・調達先の投資家名
- 調達した資金の用途
- これまでの事業実績(ユーザー数・売上成長率等)
- 代表者のコメント
これを手順2のプロンプトに合わせて整理してAIに渡すと、報道形式に沿った初稿が出ます。投資家名の表記・調達金額の単位・代表者の役職名称は生成後に必ず原本と照合します。
具体例2:業界向けイベント出展のプレスリリース
展示会・カンファレンスへの出展案内は、情報の量は多くないものの毎回フォーマットが同じです。
以下の条件で、展示会出展のプレスリリースを作成してください。
出展イベント:HR TECH EXPO 2026(2026年7月10〜12日、東京ビッグサイト)
ブース番号:Eホール E-204
出展内容:採用管理システム「〇〇」の新機能デモ・無料体験コーナー
来場者向けの特典:
・ブース来場者全員に白書をプレゼント
・事前登録者には個別デモセッション(30分)を無料提供
構成:見出し・リード文・出展内容の詳細・来場者特典・会社概要・問い合わせ先
条件:
・イベント名・日時・ブース番号を正確に記載する(渡した情報以外は追加しない)
・200字程度のリード文を含む
・問い合わせ先はプレースホルダー(「PR担当:○○」「TEL:XX-XXXX-XXXX」)で出力する
うまくいかない場合のポイント
最上級表現が頻繁に入ってくる
「業界トップクラス」「類を見ない」のような表現が入る場合、プロンプトに「根拠なき最上級表現・比較表現を一切使わない」と追記します。それでも出る場合は、生成後に検索して削除します。プレスリリースの最上級表現は景表法の観点から特に注意が必要です。
代表者コメントが型通りで弱い
「一言メモ」として「代表者が本当に言いたいこと」を短く渡すと改善します。例えば「苦労した点・なぜこのタイミングか・ユーザーへの約束」の3点をメモして素材に追加します。AIがそのメモを元に肉付けするため、型から外れた言葉になりやすくなります。
本文が長すぎる
プレスリリースの本文は通常600〜1,000字程度が適切です。「本文は700字以内に収める」と文字数制限を明示するか、生成後に「以下を700字以内に短縮してください」と指示して調整します。
配信前のチェック
プレスリリースは一度配信すると修正が困難です。生成後に必ず次の点を確認します。
- 数値が正確か(金額・件数・日付・パーセンテージ)
- 固有名詞が正しいか(社名・人名・製品名・イベント名)
- 最上級・比較表現に根拠があるか
- 問い合わせ先・URL・メールアドレスが正確か
- 法務・上長の確認が完了しているか
配信後のフォローとして、プレスリリースの内容をブログ記事に転用する場合はブログ記事の下書きをAIで作る手順の手順が参考になります。プレスリリースのテキストをそのまま素材として渡し、読者向けの記事形式に変換できます。
また、プレスリリース発信と連動した広告施策を組む場合は広告コピーをAIで量産する方法でバナーや検索広告のコピーを作成します。プレスリリースの核心メッセージを訴求軸として渡すと、連動した表現になります。
よくある質問
AIで作ったプレスリリースをそのまま配信してもよいですか?
そのままの配信は勧めません。事実確認(数値・固有名詞・日付)は必ず人間が行い、法務・広報の確認工程を経てから配信してください。AIは誤った情報を自信を持って書くことがあります。
プレスリリースのどの部分がAIで作りやすいですか?
見出し・リード文・本文の構造化が特に向いています。逆に、経営者のコメント・具体的な数値・リリースの背景にある文脈はAIが知らない情報のため、素材として渡す必要があります。
プレスリリースに書いてはいけない表現はありますか?
「業界No.1」「最高水準」「日本初」などの最上級表現は根拠がないと景表法違反になるリスクがあります。AIはこうした表現を生成することがあるため、確認が必要です。
英文プレスリリースもAIで作れますか?
日本語で作成したプレスリリースを英語に翻訳する形でAIを使えます。ただし翻訳後のニュアンス・固有名詞・日本語特有の表現の扱いは、必ずネイティブまたは専門家が確認してください。