経営者・管理職の議事録をAIで自動作成する手順
この記事の要点
経営者・管理職がAIを使って役員会・経営会議・部門会議の議事録を効率的に作成する手順を解説。録音文字起こし連携やプロンプト例も紹介します。
結論
経営者・管理職が主催する役員会・経営会議・部門会議は、議事録の作成に時間とスキルの両方が求められます。AIを使うと、メモや文字起こしテキストから10分以内に構造化された議事録の草稿を生成できます。
ただし決定事項・担当者・期限の記述は、会議参加者が必ず確認・修正してから配布してください。AIは発言の文脈や優先度の判断を誤ることがあります。
使うAIツール
議事録作成に向いているツールは以下のとおりです。
| ツール | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| Claude(claude.ai) | 長文の整理と構造化が得意。条件付きの抽出が安定 | 長い会議のテキストから要点を抽出 |
| ChatGPT(GPT-4o) | 汎用性が高い。テンプレート指定に対応 | 決まった議事録フォーマットへの当て込み |
| Microsoft Copilot | TeamsやOne Noteと連携。会議録音から自動生成 | Teamsで実施した会議の議事録自動作成 |
| Notion AI | Notionのページ上で要約・整形が可能 | NotionをWikiとして使っているチーム |
社内ツールのポリシーに合ったものを選んでください。特に役員会・取締役会の議事録は機密情報を含むため、使用するサービスの契約内容を事前に確認することが必要です。
手順:経営会議の議事録をAIで作成する
ステップ1 メモまたは録音テキストを準備する
AIに渡せる素材を用意します。方法は2通りあります。
方法A:手書き・箇条書きメモを使う 会議中に「決定事項」「課題・懸念」「次のアクション(誰が・いつまでに)」の3列でメモを取ります。これだけあればAIが整形できます。
方法B:文字起こしテキストを使う 会議を録音してOtter.ai・Microsoft Teams(通話録音機能)・Whisperなどで文字起こしします。精度は8割程度が多く、固有名詞は誤りやすいため、AIに渡す前に主要な固有名詞だけ修正しておくと出力の精度が上がります。
ステップ2 プロンプトを書く
方法Aのメモから議事録を生成する場合のプロンプトです。
以下の会議メモをもとに、議事録を作成してください。
【会議情報】
- 会議名:2026年6月 経営会議
- 日時:2026年6月5日(金)10:00〜11:30
- 参加者:代表取締役(田中)、取締役営業(山田)、取締役経営管理(鈴木)、人事部長(伊藤)
【メモ】
・前期の売上は計画比98%。営業利益は計画比92%。
・営業部より:大手A社との新規案件が来月クローズ見込み。受注金額は2,000万円。
・経営管理より:7月から経費精算システムを新システムに移行。全社周知が必要。
・人事より:今期の採用計画について、エンジニア3名・営業2名の採用を進める。採用費は1人あたり80万円の予算。
・課題:A社との新規案件は法務確認が未了。来週中に確認完了させる。
・次のアクション:山田が来週月曜までにA社契約書を法務に提出。鈴木が6月15日までに全社向け経費精算システム移行案内を作成。
【議事録のフォーマット】
1. 会議概要(日時・参加者・目的)
2. 報告事項(各部門の報告を箇条書き)
3. 決定事項(番号付き)
4. 課題・懸案事項
5. アクションアイテム(担当者・期限付きの表形式)
ステップ3 出力を確認・修正して配布
議事録の草稿を確認するポイントは次のとおりです。
- 決定事項が「決定」「承認」「継続検討」のどれかが明確か確認する
- アクションアイテムの担当者名と期限が正しいか照合する
- 数字(金額・期日・人数)が入力したメモと一致しているか確認する
- 配布範囲に不適切な情報が含まれていないか確認する
確認が完了したら、メールまたは社内Wikiに掲載します。
経営者・管理職固有の活用例
活用例1:取締役会議事録の構造化
取締役会の議事録は法的効力を持つため、正確性が特に求められます。AIは構造化の補助として使い、内容の判断は必ず人が行います。
以下の取締役会の議事録素案を、会社法上の取締役会議事録として適切な体裁に整形してください。
【素案】
(文字起こしまたはメモを貼り付ける)
【整形の要件】
- 冒頭に「招集手続き」「定足数の確認」「議長の選任」を含める
- 各議案を「第1号議案」「第2号議案」の形式で整理する
- 決議事項には「出席取締役全員の賛成により可決確定した」など決議の成立を明示する
- 文体は公式文書として適切なものにする
なお、法的要件を満たすかどうかは必ず法務担当または顧問弁護士が確認するものとし、AIの出力をそのまま正式書類として使用しないことを前提としています。
AI生成の議事録は法的確認の前段階として活用し、最終的な確認は専門家が行う体制を整えることが重要です。
活用例2:1on1の記録から部下の成長管理シートを生成
部門長が部下と行う1on1の記録をAIで整理すると、個人の課題・進捗・フォローポイントが見えやすくなります。
以下の1on1の会話メモをもとに、部下の成長管理シートの項目を埋めてください。
【対象者】
営業担当 Aさん(入社3年目)
【1on1メモ】
・先月の目標件数8件に対して6件。残り2件はパイプラインにあり来月クローズ見込み。
・顧客対応の速さは改善している。先方からも評価を受けた。
・新規開拓の電話アプローチに苦手意識があると本人が言っていた。
・来月の目標は8件維持。電話アプローチのロープレを週1回実施することにした。
【シートの項目】
- 今月の成果と評価
- 強み(具体的な行動)
- 課題(具体的な行動)
- 来月の目標
- マネージャーからのフォロー事項
定期的にこのプロセスを繰り返すと、部下ごとの成長履歴が積み上がり、人事評価の根拠資料としても活用できます。
うまくいかない場合の対処
問題1:文字起こしの精度が低くて整形できない
専門用語や人名が多い会議では、文字起こしの誤変換が多発することがあります。
対処:文字起こしテキストをAIに貼り付ける前に、プロンプトの冒頭に「以下に頻出する固有名詞:〇〇(会社名)、〇〇(人名)、〇〇(製品名)」と列記します。AIが類似表現に推測変換する精度が上がります。
問題2:アクションアイテムの担当者が文脈から特定できない
「来週中に確認」のような発言がメモにあっても、誰が担当かが不明な場合があります。
対処:メモを作成する段階で「担当不明」の項目は「(担当者:後確認)」と書いておき、議事録生成後に自分で補完します。AIに「担当者不明の場合は(要確認)と明示してください」と指示すると漏れが視覚化されます。
問題3:議事録が長すぎて実用的でない
詳細な発言を文字起こしから整形させると、議事録が会議時間に比例した長さになりがちです。
対処:プロンプトに「全体を1,000字以内に収める」「報告事項は各部門2行以内」のように字数・行数の上限を入れます。要約レベルを調整したい場合は「詳細版と要約版の2種類を生成してください」と依頼すると、用途別に使い分けられます。
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経営者・管理職の他の業務にAIを活用する方法は以下の記事も参考にしてください。
よくある質問
役員会や経営会議の議事録にAIを使っても大丈夫ですか?
企業の重要意思決定を含む議事録は、機密度が非常に高い情報です。使用する場合は企業契約のビジネスプランを使い、データが学習に使われないことを確認してください。社外のサービスへの投稿前に法務・情報セキュリティ部門への確認も推奨します。
文字起こしツールとAIを組み合わせる方法を教えてください。
会議を録音してNotion AI・Otter.ai・Microsoft Copilotなどの文字起こしツールに通すと、話者別のテキストが得られます。そのテキストをClaudeやChatGPTに貼り付け、「決定事項・課題・次のアクションを構造化してください」と指示すると、読めるレベルの議事録に整形できます。
AIが作った議事録はそのまま配布してよいですか?
推奨しません。特に決定事項・担当者・期限の記述は、必ず会議の参加者が確認・修正してから配布してください。AIは発言の文脈や重要度の判断を誤ることがあります。
議事録を書くのが苦手な担当者でもAIを使えますか?
メモや録音があれば使えます。箇条書きのメモをAIに貼り付けて「議事録形式に整形してください」と指示するだけで、見出し・決定事項・アクションアイテムが揃った文書に変換できます。