職種別AI仕事術

RFPをAIで作る方法

RFPをAIで作る方法

この記事の要点

新規調達・システム導入のRFP(提案依頼書)をAIで作成する手順を解説。要件整理から文書化まで効率化し、サプライヤーから質の高い提案を引き出す。

結論

RFPの作成をAIに依頼すると、発行の目的・要件・評価基準・提出条件を含む提案依頼書の構成が数分で生成される。要件整理の抜け漏れを防ぎ、サプライヤーから質の高い提案を引き出しやすい文書に仕上がる。

新しい設備・システム・サービスの調達では、RFPの質が提案の質を左右する。要件が曖昧なRFPには曖昧な提案しか返ってこない。AIを使って要件を構造化すると、担当者が気づいていなかった検討漏れが見つかることもある。


使うAIツール

ツール向いている場面
ChatGPT-4o長文文書の生成・構成整理
Claude 3.5 Sonnet複雑な要件の論理的な整理
Gemini 1.5 ProGoogleドキュメントへの直接出力
Microsoft CopilotWord形式で直接作成したい場合

RFPは最終的にPDF・Wordで提出することが多いため、最後に整形できるツールを選ぶと作業が減る。


手順

ステップ1:調達の目的と要件を整理する

AIに入力する前に、以下の情報を担当者・関係部門と確認する。

基本情報

  • 調達の目的・背景(何のために調達するのか)
  • 調達対象の概要(製品・サービス・システムの種類)
  • 予算規模の概算(上限・目安)
  • 導入・納品の期限

要件の種類

  • 必須要件(これがないと選定不可)
  • 優先要件(あれば加点)
  • 除外条件(受け入れられない条件)

評価軸

  • 価格・機能・サポート・実績などの評価ウェイト

この情報が揃っていれば、AIが構造化されたRFPを生成できる。

ステップ2:RFP生成プロンプトを使う

以下の情報をもとに、サプライヤー向けのRFP(提案依頼書)を作成してください。

【調達概要】
- 会社名・部門名:[自社名・発行部門]
- 調達対象:[品名・サービス名・システム名]
- 調達の目的・背景:[なぜこの調達が必要か]
- 予算規模:[概算金額または「要相談」]
- 導入予定時期:[時期]
- 提案提出期限:[日付]

【要件】
必須要件:
- [要件1]
- [要件2]

優先要件:
- [要件1]
- [要件2]

除外条件:
- [条件1]

【評価基準】
- 価格([%])
- 機能・仕様適合度([%])
- 導入実績・信頼性([%])
- サポート体制([%])
- 納期・スケジュール([%])

【提案書に含めてほしい内容】
- 会社概要・導入実績
- 提案する解決策の概要
- 詳細仕様・機能一覧
- 価格見積もり(初期費用・ランニングコストを分けて)
- 導入スケジュール
- 保守・サポート体制

【出力形式】
- RFP全文をMarkdown形式で出力してください
- 目次を冒頭に付けてください
- 各セクションに記入例を1〜2行で補足してください(実際の提出時に削除できる形で)

ステップ3:技術要件を深掘りする

特定分野の技術要件が必要な場合は、技術部門の情報をもとに追加プロンプトで補足する。

上記のRFPに、以下の技術要件セクションを追加してください。

【追加する技術要件】
[技術仕様・性能要件・互換性要件・セキュリティ要件など]

特定のブランド・製品名を指定するのではなく、機能・性能要件で記述してください。

ステップ4:評価シートのテンプレートを同時に作る

RFPと合わせて、提案書評価シートも生成しておくと後の選定作業が楽になる。

上記のRFPの評価基準をもとに、提案書評価シートのテンプレートをExcel向けの表形式で作成してください。

【評価シートに含める内容】
- 評価項目(RFPの評価基準に対応)
- 配点(各項目の満点と重み)
- 評価欄(A社・B社・C社の列)
- コメント欄
- 合計点・推奨順位の自動集計行

表形式で出力してください。

具体例1:製造設備の新規導入RFP

工場の生産ラインに新規加工設備を導入するケース。技術部門・製造部門・購買部門が共同で要件を策定する必要がある。

各部門の要件をAIに入力して「設備調達のRFPを作成してください」と指示すると、技術仕様・納入条件・試運転・保証・スペアパーツ供給体制まで含む網羅的なRFPの構成が生成される。

特に有効なのは、「技術仕様セクションに製品固有の名称を入れず機能要件で書いてください」と指示することだ。特定メーカーの仕様書を参考にして書くと、その会社に有利なRFPになってしまう。AIを通すと機能要件での記述に自然と変換されやすい。


具体例2:クラウドサービス導入のRFP

社内の在庫管理システムをクラウドに移行するケースのRFP。IT部門・購買部門・業務部門が連携して要件を出す必要がある。

セキュリティ要件・データ移行の要件・既存システムとの連携要件など、部門ごとに異なる関心事をすべてAIに入力して「クラウドサービス導入のRFPとしてまとめてください」と指示すると、技術要件・セキュリティ要件・SLAなど専門的なセクションを含むRFPが生成される。

クラウドサービスのRFPで見落とされやすい「データポータビリティ(サービス終了時のデータ持ち出し条件)」「インシデント対応のSLA」なども、AIがRFPのテンプレートをもとに自動的に含めてくれることがある。


うまくいかない場合

要件が固まっていなくて入力できない

要件が曖昧な場合は、AIに「このような調達でRFPを作る場合、通常どのような要件を検討すべきですか?」と聞くと、検討すべき要件の一覧が返ってくる。これをたたき台に関係部門で議論する材料として使う方法が効果的だ。

生成されたRFPが長すぎる

「重要な項目を優先し、全体を10ページ以内に収めてください」のようにページ数制限を指定する。または「必須要件と評価基準のセクションのみを詳細に記述し、他は概要にとどめてください」と優先順位を指示する。

技術仕様の正確性が心配

AIは一般的な技術知識をもとに仕様を生成するが、業界固有の規格・法的要件・最新の技術動向については誤りが含まれることがある。技術仕様セクションは必ず技術部門が確認する運用にする。

サプライヤーからの質問が多くなる

RFPに曖昧な表現が残っていると、サプライヤーからの確認質問が増える。AIに「このRFPを読んだサプライヤーがよく聞いてくる質問を予測してください」と依頼すると、潜在的な曖昧点が洗い出せる。それをもとにRFPを修正すると質問数が減る。


関連記事

RFP送付後に複数社から提案が返ってきたら見積比較をAIで行う方法で比較する。交渉段階では価格交渉メールをAIで作る方法を活用できる。提案プレゼンの内容は購買・調達の文字起こしをAIで整形する方法で記録しておくと選定理由の文書化に役立つ。


まとめ

  • 調達の目的・要件・評価基準をAIに入力すると構造化されたRFPの初稿が数分で完成する
  • 技術要件は機能・性能要件で記述し、特定メーカー名を入れないことで公平な競争条件を確保する
  • 評価シートのテンプレートをRFPと同時に作成しておくと選定作業が効率化する
  • 技術仕様・法的条件は必ず担当部門が確認する

よくある質問

RFPとRFQの違いは何ですか?

RFPは提案依頼書で、解決策や提案内容をサプライヤーに求めます。RFQは見積依頼書で、仕様が確定した製品・サービスの価格を求めます。要件が固まっていない段階ではRFP、仕様が確定している段階ではRFQを使います。

AIが作ったRFPをそのままサプライヤーに送っても問題ありませんか?

AIの出力は初稿として使い、要件・仕様・評価基準などを担当者が確認・修正してから送ることを推奨します。特に技術仕様・法的条件・機密情報の取り扱いは必ず人が確認してください。

RFPの適切な分量はどれくらいですか?

案件の規模・複雑さによりますが、設備・システム調達であれば10〜20ページが目安とされています。AIを使うと構成の網羅性は担保しやすいため、各項目の記述量を調整して適切なボリュームにまとめます。

RFPを複数社に送る際の注意点はありますか?

各社への送付条件を統一し、提案の比較条件を公平に保つことが重要です。特定の会社に有利な仕様書にならないよう、技術要件の記述は製品・ブランド固有の名称を避けて機能要件で記述します。