職種別AI仕事術

商品企画の議事録をAIで自動作成する手順

商品企画の議事録をAIで自動作成する手順

この記事の要点

商品企画担当者が会議の議事録をAIで作成する実践手順。ユーザーリサーチ共有会や要件定義MTGの録音・メモからAIが議事録を生成する方法をプロンプト例つきで解説します。

結論

商品企画の会議は、ユーザーリサーチ共有・要件定義・ロードマップレビューなど、後から参照する情報が多く議事録の質が重要です。AIを使えば、会議後のメモや録音から10分以内に整理された議事録を作れます。キーポイントは「会議中に残すメモの形式」を統一することです。


商品企画の議事録でAIが特に効く理由

商品企画の会議は情報量が多いです。ユーザーインタビューの共有会では複数の調査結果をまとめながら議論が進み、要件定義の会議では「やる・やらない」の決断が混在し、ロードマップレビューでは複数の優先度変更が同時に飛び交います。

これを手作業でまとめると1時間の会議で30分の議事録作業が発生することも珍しくありません。AIを使えば次の工程が自動化されます。

  • 発言の要約・整理
  • 決定事項と未決事項の分類
  • 次回アクション・担当者・期限の抽出
  • 参加者への共有用フォーマットへの変換

手作業では「何を残してどこを省くか」の判断に時間がかかりますが、AIはプロンプトで指定した形式に従って一定の品質で出力します。


使うAIツール

シーン推奨ツール特徴
録音から直接作るOtter.ai・tl;dv音声認識と要約が一体
Zoom会議のトランスクリプトから作るChatGPT・ClaudeZoomのテキスト出力を貼り付けて使う
手書き・箇条書きメモから作るChatGPT・Claude構造化が得意
Microsoft Teamsを使っているCopilot for Microsoft 365Teams内で完結

いずれのツールも最新の機能・料金は公式で確認してください。本記事では「手書き・箇条書きのメモからChatGPT・Claudeで議事録を作る」方法を中心に解説します。


手順1:会議中のメモの取り方を変える

AIを使って議事録を作るには、会議中に残すメモの質が重要です。「完璧なメモを取る必要はない」ですが、次の4つの情報だけは会議中に記録しておいてください。

記録すべき4点

  1. 発言した人の名前(イニシャルでも可)と発言の要点(1〜2文)
  2. 決まったこと(「〜に決定」という言葉が出たとき)
  3. 決まらなかったこと・次回に持ち越した議題
  4. アクション・担当者・期限(「Aさんが来週水曜までに〜する」という形式)

これだけで十分です。詳細な発言録は不要で、「何が決まり、誰が何をするか」を追うことに集中します。

会議後にこのメモを見ながら5分でAIへの入力テキストを作り、プロンプトに渡します。


手順2:メモをプロンプトに入れて議事録を生成する

以下のプロンプトをそのまま使えます。【】の部分を実際の会議内容に差し替えてください。

あなたは商品企画チームの議事録作成アシスタントです。
以下の会議メモをもとに、業務で使える議事録を作成してください。

【会議名】: 【例:新製品要件定義MTG 第3回】
【日時】: 【例:2026年6月5日 14:00〜15:30】
【参加者】: 【例:商品企画・田中(ファシリテーター)、開発・鈴木、マーケ・佐藤、外部デザイン・山本】
【目的】: 【例:第2フェーズの仕様確定と開発スケジュールの合意】

【会議メモ(箇条書き)】:
- 田中:前回の宿題事項(競合調査)を共有
- 鈴木:技術制約の観点からカラーバリエーションを3色から2色に絞りたい
- 佐藤:販売予測の観点から3色維持を希望。特にブルー系が重要
- 協議の結果、ブルーとホワイトの2色で確定(ブラックを除外)
- 山本:パッケージのデザイン方向性を来週木曜までに3案提出
- 鈴木:技術仕様書の最終版を6月20日までに田中に共有
- 次回MTG:6月19日(金)15時〜 同メンバーで実施

【出力形式】:
1. 会議概要(3文以内)
2. 決定事項(箇条書き)
3. 未決・保留事項(あれば)
4. アクション一覧(担当者・内容・期限の表形式)
5. 次回MTGの予定

このプロンプトで生成される議事録は、会議参加者への共有にそのまま使える形式になります。


具体例1:ユーザーリサーチ共有会の議事録

スマート家電メーカーの商品企画担当者が、ユーザーインタビュー10件の結果を社内で共有する会議の議事録を作る場面です。

会議では「操作の複雑さへの不満」「スマートフォン連携の需要」「価格感度の違い」という3つのインサイトが発表され、それぞれに対して開発・マーケティング・営業からコメントが出ました。

このような「情報量が多く、発言者が多い会議」では、プロンプトに「インサイトごとに発言をまとめる」という指示を加えると整理しやすくなります。

上記のプロンプトに加えて以下を指示:

【特別な整理方法】:
インサイト(操作性・スマートフォン連携・価格感度)ごとに
各部門の意見・反応をまとめてください。

こうすることで、「操作性についてはこう決まった」「スマートフォン連携についてはこう決まった」という形で議事録が整理され、後から読んだときに意思決定の経緯が追いやすくなります。

ユーザーリサーチの情報を企画に活かす方法については商品企画のユーザーインタビューをAIで効率化する手順も参考にしてください。


具体例2:ロードマップレビュー会議の議事録

四半期ごとに開催するロードマップレビュー会議では、複数の製品・複数の優先度変更が同時に議論されます。手作業でまとめると、「何がどの理由で優先度が変わったか」の記録が曖昧になりがちです。

このケースでは「優先度が変わった製品とその理由」を明示的に抽出するよう指示します。

【特別な整理方法】:
今回の会議で優先度が変更された製品・施策を抽出し、
変更前→変更後と変更の理由を表形式でまとめてください。

この出力は次回のロードマップ更新時の根拠としても使えます。ロードマップの管理方法については商品企画のロードマップをAIで作る手順で詳しく解説しています。


手順3:生成された議事録を確認・修正する

AIが生成した議事録は送信前に次の点を確認します。

確認項目

  • 決定事項の記録に間違いがないか(特に「〜に決まった」という箇所)
  • アクションの担当者名・期限が正確か
  • 「保留・未決」として記録すべき事項が「決定」として記録されていないか
  • 参加者の名前の表記が正しいか

AIは文脈から推測して決定事項を判断します。実際には「仮決め」「要確認」だったものが「決定事項」として記録される場合があります。これが最も重要なチェックポイントです。


うまくいかない場合

メモが断片的すぎてAIが意味をつなげられない

プロンプトに入力する前に「不明点は〔不明〕と書いてください」と指示すると、AIが推測で埋めるのを防げます。不明のまま出力させて人間が埋める方が、誤情報が入るよりも安全です。

発言が誰のものか区別されない

会議メモに「Aさん(企画):〜」のように発言者を入れておくのが最善ですが、メモが雑だった場合はプロンプトに「発言者が不明な場合は【発言者不明】と書いてください」と明記します。

議事録が長すぎて読まれない

「決定事項と次のアクション一覧のみ出力してください。500字以内で」と出力形式を絞ります。参加者が多い会議では、詳細版と要約版の2バージョンを生成して使い分けるのも有効です。

社外参加者が含まれる会議の議事録

社外のパートナーや顧客が参加する会議では、議事録に記載する情報を慎重に選ぶ必要があります。プロンプトに「社外関係者名は役割名(外部デザイナー・ベンダー担当者など)で記載し、個人名は使わないでください」と指定すると、共有しやすい形式の議事録が生成されます。


議事録の共有と保存

AIで作成した議事録は、次のどちらかの方法で共有・保存します。

方法1:メールで送付 議事録をメール本文に貼り付けるか、Wordファイルとして添付します。件名は「【議事録】会議名_日付」の形式が後から検索しやすいです。

方法2:Notion・Confluenceなどに保存 チームが情報を蓄積するツールに直接貼り付けます。AIで生成した議事録はすでに構造化されているため、テンプレートへの転記が速いです。

過去の議事録をAIで検索・参照できる環境が整うと、「あの会議でどう決まったか」を調べる時間も短縮されます。


まとめ

商品企画の議事録をAIで作るための3ステップは、「会議中に4点のメモを取る→プロンプトに入れて生成→決定事項・アクションを確認する」です。1時間の会議の議事録を、30分の作業から5〜8分に短縮できます。

品質の核心は「AIへの入力(メモ)の形式」を統一することです。発言者・決定事項・未決事項・アクションの4点を会議中に記録する習慣をつくれば、議事録作成はほぼ自動化できます。

報告書の作成については商品企画の報告書をAIで書く手順も参考にしてください。

よくある質問

会議の録音をそのままAIに渡せますか?

音声ファイルをそのまま渡せるかどうかはツールによります。WhisperやCloudflareの音声文字変換サービスを使ってテキストに変換してからAIに渡すか、Otter.aiのように録音から議事録まで一貫処理できるツールを使う方法があります。

議事録の作成に使えるAIツールはどれですか?

音声録音から議事録を作るならOtter.aiやtl;dvが実績豊富です。テキストのメモから議事録を作るならChatGPT・Claudeが使いやすいです。最新の機能・料金は各公式サイトで確認してください。

発言者ごとの発言を区別した議事録は作れますか?

作れますが、精度は方法によります。Otter.aiなどの音声認識ツールは発言者の分離に対応しています。テキストメモから作る場合は「Aさん:〜、Bさん:〜」の形式でメモを取っておくと、AIが発言者別に整理した議事録を作ります。

議事録作成にかかる時間はどれくらい短縮できますか?

手書きメモからAIで議事録を作る場合、60分の会議で20〜30分かかっていた議事録作成が5〜8分程度になることが多いです。ただし使うツールや会議の複雑さによって変わります。