職種別AI仕事術

商品企画の資料・スライドをAIで仕上げる方法

商品企画の資料・スライドをAIで仕上げる方法

この記事の要点

商品企画担当者が会議・プレゼン用のスライドをAIを使って効率よく仕上げる手順を解説。構成設計・文章の圧縮・ビジュアル化まで、コピペ可能なプロンプト付きで紹介します。

結論

商品企画の資料・スライドをAIで仕上げる効果は「文章の圧縮・構成の整理・繰り返し作業の自動化」の3点に集中しています。スライドに詰め込みすぎた文章を削る、バラバラな情報を論理的な順番に並べ直す、毎回同じ形式の表を作る——これらをAIに任せることで、資料作成の時間を半分近く短縮できます。


商品企画でAIを使いたいスライド作業

商品企画担当者が日常的に作る資料には、いくつかの典型的な「手間が多い作業」があります。

1. 情報の詰め込みすぎを解消する 会議用スライドは「1スライド1メッセージ」が理想ですが、伝えたいことが多くてつい文字を詰め込んでしまいます。AIに「1スライドのキーメッセージを1文に圧縮してほしい」と頼むと、長い説明から核心を引き出してくれます。

2. バラバラな情報を構成に落とす 調査結果・インタビューメモ・競合情報がバラバラに集まっているとき、AIに「これをプレゼン用の構成に整理してほしい」と依頼すると、論理的な流れで並べ直してくれます。

3. 毎回同じ形式の表・比較スライドを作る 競合比較表・仕様一覧・ロードマップ表は毎回似た形式が必要です。AIにフォーマットを指定しておけば、データを渡すたびに同じ構造の表を自動生成できます。

4. 長いドキュメントからスライドのエッセンスを抽出する 企画書・調査レポートの内容をプレゼン用に圧縮するとき、AIに「この文書から経営層が判断に必要な情報だけを抜き出して、6スライドの構成に落としてほしい」と依頼できます。


使うAIツール

目的ツール特徴
文章の圧縮・構成整理ChatGPT・Claude指示の自由度が高い
PowerPointと直接連携Copilot for Microsoft 365Office環境で完結
スライドを自動生成するGamma・Beautiful.aiデザイン込みで生成
Googleスライドと連携Gemini for WorkspaceGoogle環境で完結

最新の機能・料金はそれぞれの公式サイトで確認してください。

本記事ではChatGPT・Claudeを使ったスライド改善のプロンプトを中心に解説します。スライドファイルの直接編集が必要な場合はCopilot for Microsoft 365が適しています。


手順1:1スライドの文章を「1メッセージ1文」に圧縮する

スライドの文章が長くなっているとき、AIに圧縮を依頼します。

以下のスライドのテキストを「1スライド1メッセージ・キーメッセージ1文・補足は3つ以内」の形式に
圧縮してください。削る場合は何を削ったかも教えてください。

【スライドのタイトル】: 新カテゴリ参入の市場機会

【現在の本文】:
近年、環境意識の高まりとともに、エコフレンドリーな生活雑貨市場は急速に拡大しています。
特に30代の女性を中心として、持続可能な消費行動を取ることへの関心が高まっており、
競合各社もこの動向に注目し始めています。一方で、現時点では低価格帯(1,500〜2,500円)の
エコ生活雑貨を提供しているプレイヤーは少なく、市場に空白地帯が存在しています。
当社はこのポジションを取ることが可能であり、早期参入によりブランドの確立が期待されます。

出力形式:
- キーメッセージ(1文・30字以内)
- 補足ポイント(箇条書き3つ以内)

このプロンプトで生成されたキーメッセージが1スライドの「タイトル的な一文」になります。補足3つがスライド本文の箇条書きになります。


手順2:バラバラな情報を論理的な構成に並べ直す

調査結果や会議メモがバラバラに集まったとき、AIに構成の案を作らせます。

以下の情報をプレゼンテーション用の構成(8スライド以内)に整理してください。
聴衆は経営層(意思決定者)で、提案の承認を目的としています。

【持っている情報の断片】:
- ユーザーインタビュー結果:「収納が不便」という不満が回答者20名中14名に共通
- 競合製品3社の価格帯:1,800〜3,500円
- 自社の既存製品の販売実績:類似カテゴリで月2,400個
- 提案製品の希望小売価格:1,500〜2,000円
- 想定する生産コストの概算(社内検討中)
- 発売予定:2026年10月
- 必要な開発予算:XX百万円(社内確認中)

上記の情報を論理的な順番で並べ、各スライドのタイトルと1〜2文のポイントをリスト形式で出力してください。
情報が確認中のものは「〔要確認〕」と表記してください。

AIが生成した構成案を確認し、自社の状況に合わせてスライドの順番や追加・削除を判断します。


手順3:競合比較表・仕様一覧表を自動生成する

比較表の作成はAIが最も得意とする作業の一つです。フォーマットを指定してデータを渡せば、一貫した構造で表が生成されます。

以下のデータを提案書に使える競合比較表に整理してください。
スライドにそのまま貼れる形式(マークダウン表)で出力してください。

【比較軸】: 製品名・ターゲット・価格帯・主な機能・差別化ポイント・弱点

【データ】:
- 競合A「エコライン」:30代女性向け・2,200〜3,000円・FSC認証素材使用・ブランド力高い・価格高め
- 競合B「グリーンベーシック」:主婦全般向け・1,000〜1,500円・再生プラ・量販店での認知高い・プレミアム感なし
- 競合C「アースウェア」:環境意識層向け・2,800〜3,800円・カーボンオフセット・差別化明確・認知低い
- 自社(計画)「〔仮称〕ナチュラルシリーズ」:30代女性向け・1,500〜2,000円・自然素材・既存チャネル活用・〔未定〕

表の下に「自社の優位性」を2〜3文で追記してください。

具体例1:ユーザーリサーチ結果のプレゼン資料

キッチン用品ブランドの商品企画担当者が、ユーザーインタビュー15件の結果を社内共有するための10分プレゼン資料を作る場面です。

インタビューメモが15件分のテキストとして手元にあります。これをプレゼン用の資料に変換するにはAIへの依頼が効率的です。

以下のユーザーインタビュー結果(15件分の要点)を、
社内共有用のプレゼン資料(6スライド・発表10分)に整理してください。

【インタビュー対象】: 30代女性・料理頻度週3回以上・首都圏在住
【インタビューの目的】: 新製品コンセプトの方向性確認

【各インタビューの要点(要約)】:
- Aさん(32歳): 現在使っているまな板が重い。食洗機対応のものに変えたいが、見た目も重要
- Bさん(35歳): 価格より長持ちするものを求める。安くても1年で買い替えるのは嫌
- Cさん(29歳): 環境への配慮は意識しているが、価格差が500円以内なら選ぶ程度
...(続く)

【見せたい主なインサイト(自分の仮説)】:
1. 機能(軽さ・食洗機対応)が優先で、デザインは二の次ではない
2. 長期的な価値感(耐久性)に対しての支払い意欲は高い
3. 環境配慮は購買の「加点要素」であり「決め手」ではない

上記のインサイトをスライド構成と各スライドのキーメッセージで示してください。

このプロンプトで、6スライド分の構成とキーメッセージが生成されます。インタビュー結果を15件分テキストで貼るよりも、要点に絞って入力した方がAIの出力精度が上がります。


具体例2:ロードマップ更新資料の四半期レビュー版

四半期ごとに作成するロードマップ進捗の社内報告スライドは、毎回似た構造が必要です。テンプレートプロンプトを作っておけば、更新作業を大幅に省けます。

商品企画のQ2ロードマップ進捗報告スライド(5スライド・10分発表)を作成してください。

【報告構成(固定テンプレート)】:
1. Q2のサマリー(目標 vs 実績)
2. 計画通りに進んでいるプロジェクト
3. 遅延・変更があったプロジェクトと理由
4. Q3の優先事項(変更点のみ)
5. 要判断事項・懸念点(経営層への確認事項)

【今期の実績データ】:
- 製品Aの開発:目標通り7月発売確定
- 製品Bのユーザーテスト:実施済み・結果は良好・量産移行を来月承認申請予定
- 製品Cの仕様変更:競合品の価格改定を受けて仕様を一部変更→発売が2ヶ月後ろ倒し
- 新カテゴリ参入調査:完了。判断は経営会議に諮りたい

上記を各スライドのキーメッセージと補足3点形式で整理してください。

この構成を毎四半期コピーして、データ部分だけ差し替えれば報告資料が5〜10分で完成します。

ロードマップ自体の管理については商品企画のロードマップをAIで作る手順を参照してください。


うまくいかない場合

AIが情報を整理しすぎて重要な細部が消える

プロンプトに「以下の情報は必ず含めてください」と明記し、重要な数値・事実を箇条書きで別途指定します。構成の整理と「必ず入れる情報」を分けて指示すると、重要情報が消えにくくなります。

スライドの文字数はAIで減ったが意味が変わった

AIが圧縮した文章は元の意味と微妙にずれることがあります。圧縮後の文章を読み直し、「変えてはいけない言葉・数値」がそのまま残っているか確認してください。

Gammaなどのスライド生成ツールのデザインが使えない

GammaはAIが自動でスライドを作りますが、デザインの自由度はPowerPointより制限があります。たたき台として使い、最終的にPowerPointに書き出してデザインを整える方法が現実的です。

提案書との内容の整合が取れない

提案書のテキストをプロンプトに入れて「この提案書の内容をスライド化してください」と指示するのが最もシンプルです。提案書と資料を別々に作るより、提案書を先に作りそれをベースにスライドを生成する順番が整合性を保ちやすいです。

提案書の作り方については商品企画の提案書をAIでつくる進め方で解説しています。


資料作成でAIを使うときの注意点

数値・固有名詞の確認は必須:スライドに入る数字(市場規模・販売実績・コスト)は、AIが出力した後に必ず元データと照合します。提案書や報告書のスライドでは数値の誤りが信頼に直結します。

機密情報を外部サービスに入れない:未発表製品の詳細・価格交渉の内容・財務計画の数字は、外部AIサービスのプロンプトに入れないでください。社内の企業向けツールを使うか、伏せ字を使ってから生成します。

AIの出力はたたき台:AIが生成した構成やメッセージがそのまま完成版になることは稀です。「AIが整えた草稿を人間が仕上げる」という認識で使うと、期待と結果のズレが起きません。


まとめ

商品企画の資料・スライドをAIで仕上げる核心は「文章の圧縮・構成の整理・定型作業の自動化」の3点です。詰め込みすぎたスライドの圧縮、バラバラな情報の構成化、毎回同じ形式の表生成——これらを自動化するだけで、1資料あたり1〜2時間の節約になります。

AIに渡す前に「重要な数値・事実」を人間がリストアップしておくことが品質の鍵です。あとはAIが構成と言語化を担い、人間は確認と判断に集中できます。

報告書の作成については商品企画の報告書をAIで書く手順も参考にしてください。

よくある質問

AIはPowerPointやGoogleスライドを直接編集できますか?

直接編集はツールによります。Copilot for Microsoft 365はPowerPointと連携できます。ChatGPT・Claudeはスライドの構成や文章を生成しますが、ファイルへの直接書き込みはできません。GammaはAIがスライドを生成してPowerPoint形式で書き出すツールです。

スライドの文字数を減らすのにAIは使えますか?

使えます。「1スライドにつきキーメッセージ1文・補足3つ以内に圧縮してください」と指定すると、AIが長い文章を短くまとめます。情報の取捨選択は人間が確認する必要があります。

GammaなどのAIスライドツールは商品企画の資料に使えますか?

社内会議レベルのたたき台として使えます。ただしデザインのカスタマイズ度はPowerPointより制限があります。最新の機能は公式で確認してください。

スライドの構成がうまく決まらないときのAI活用法はありますか?

「この情報をXスライドに収めるとしたら、どういう順番で並べるのが最も伝わりますか」と問いかけると、AIが複数の構成案を提示します。案を比較して選ぶ方が、ゼロから考えるより速く決まります。