AIチャットボット利用シェア、ChatGPT54.7%・Claude急伸306%
この記事の要点
2026年6月のWebアクセス調査でChatGPTのシェアは54.7%に低下、Geminiが27.4%、Claudeは8.2%ながら四半期で306%伸びた。一強から多極へ移る動きは、業務で使うAIの選び方に直結する。
結論
2026年6月のWebアクセス調査で、ChatGPTの利用シェアは54.7%まで下がりました。1年前の76%超から大きく後退しています。2位のGeminiは27.4%まで伸び、3位のClaudeは8.2%ながら、1四半期で306%という急成長を見せました。1つのサービスが市場をほぼ独占する時代から、複数のサービスが競う形へ移っています。業務でどのAIを使うかは、もう「とりあえずChatGPT」では決められません。用途ごとに選ぶ前提で考える局面に入りました。
誰が・何を調べたのか
この数字は、マーケティング調査会社のMomenticが2026年6月にまとめた、主要7サービスのWebアクセスシェアです。元データはSimilarwebの推計です。世界全体での内訳を整理すると、勢力図の変化がはっきり見えます。
| サービス | 世界シェア | 動き |
|---|---|---|
| ChatGPT | 54.7% | 2025年2月の76.5%から低下 |
| Gemini | 27.4% | 半年でおよそ104%増 |
| Claude | 8.2% | 1四半期で306%増 |
| DeepSeek | 4.1% | — |
| Grok | 2.8% | — |
Claudeの伸びが際立ちます。Webアクセス数は2026年1月の2億300万回から、4月には8億2400万回へ増えました。母数が小さいところからの急増とはいえ、半年前には目立たなかったサービスが3位に定着しています。米国に限るとChatGPTが58.9%、Geminiが19.2%、Claudeが12.5%で、Claudeの比率は世界平均より高くなります。
ここで注意したいのは、この数字がWebサイトへのアクセスだけを測っている点です。スマホアプリの利用、WindowsやMicrosoft 365に組み込まれたClaudeのような埋め込み利用、企業がAPIで大量に使う分は含まれません。企業の現場では、表に出ないAPI経由の利用が大きな割合を占めます。Webアクセスの順位と、実際の業務利用の順位は一致しないと考えてください。
現場の実務にどう効くか
シェアが多極化すると、社内のAI利用方針を「1サービス前提」で固める必要がなくなります。むしろ用途ごとに使い分けるほうが合理的です。長文の読み込みと要約はGemini、コードや厳密な作業はClaude、汎用的な下書きはChatGPT、というように業務単位で割り振る企業が増えています。各社が値下げや新モデルで競うほど、乗り換えやすさが利点になります。料金の動きはGoogle AI Ultraの値下げのように頻繁です。
実務での第一歩は、今使っているサービスと同じ作業を別のサービスでも試すことです。例えば議事録の要約を2社で出力し、品質と所要時間を比べておきます。この比較表が手元にあれば、料金改定や仕様変更が来ても短時間で切り替え先を判断できます。性能の差はClaude Opus 4.8のようなモデル更新で動くため、半年に一度は見直すとよいでしょう。
多極化が業務にもたらす3つの利点
シェアが分散すると、利用側には具体的な利点が生まれます。第一に、価格交渉の余地が広がります。複数のサービスが競うため、年間契約の更新時に他社の料金を引き合いに出しやすくなります。第二に、品質の比較がしやすくなります。同じ業務を別々のサービスで回せば、どちらが自社の用途に合うかを数字で判断できます。第三に、障害時の備えになります。1つのサービスが止まっても、別のサービスで業務を続けられます。2026年に入って大手の障害が相次いだことを踏まえると、この三点目の価値は無視できません。
注意したいのは、シェアの伸び率と母数を取り違えないことです。Claudeの306%という伸びは、2億回から8億回へという成長で、母数が小さいところからの急増です。一方でChatGPTは半分以上を保ち、利用の絶対量では依然として最大です。導入の判断では、伸び率の派手さではなく、自社の業務での出力品質を基準にしてください。
なぜシェアが動いたのか
背景には、各社が得意分野で評価を高めた事情があります。Geminiは長文の読み込みと検索との連携で支持を広げ、Claudeはコードや厳密な作業での評価が開発者の間で定着し、それが一般利用へ広がりました。ChatGPTは依然として汎用的な使いやすさで先行しますが、競合が特定の用途で追いついたことで、相対的な比率が下がっています。
企業がこの流れから読み取るべきは、「最も使われているから」という理由だけでサービスを固定しない姿勢です。自社の主要な業務が長文処理なのか、データ分析なのか、定型文書の作成なのかで、最適なサービスは変わります。利用者数の順位と、自社の業務に対する適性は別の話だと考えるのが安全です。
まとめ
ChatGPT一強から多極化へ向かう流れは、業務AIの選び方を変えます。1社に固定せず、用途ごとに比較して使い分ける準備を進めてください。シェアの数字はWebアクセス基準である点を踏まえ、実利用に合う指標で判断するのが安全です。
出典
よくある質問
AIチャットボットのシェアはどう測っていますか。
Momenticがまとめた2026年6月の数字は、主要7サービスのWebアクセス数の割合です。Similarwebの推計に基づきます。スマホアプリやAPI経由の利用は含まないため、企業の実利用とはずれる点に注意してください。最新は各社の公式発表で確認してください。
シェアが動くと業務に何が関係しますか。
一社に固定せず、用途ごとに使い分ける判断がしやすくなります。文章作成はA社、表計算はB社のように分けると、料金改定や仕様変更の影響を抑えられます。複数サービスで同じ業務を回せるか試しておくと切り替えが楽になります。