プロンプト技術

出力形式を指定するプロンプト術 表・箇条書き・文章を使い分ける

出力形式を指定するプロンプト術 表・箇条書き・文章を使い分ける

この記事の要点

マークダウン・表・箇条書き・段落文・JSONなどの出力形式をプロンプトで指定する方法。業務別に適した形式の選び方と、そのまま使える具体的な指定例を解説する。

出力形式の指定が重要な理由

AIに指示を出して「内容は正しいが使いにくい」と感じるとき、多くの場合は出力形式の問題だ。例えば比較検討に使いたいのに文章で返ってきた、Excelに貼り付けたいのにマークダウンではなかった、などがよく起きる。

出力形式を指定するのはシンプルな方法で効果が高い。指示の最後に「出力形式:〜」と一行加えるだけで、そのまま使える出力が得られることが多い。


形式の種類と適した用途

形式適した用途指定例
箇条書き手順・特徴・注意点の列挙「箇条書き3〜5点で」
番号付きリスト順番が重要な手順・優先順位「1〜5の番号付きリストで」
マークダウン表複数項目の比較・一覧「マークダウンの表形式で」
段落文章説明・解説・レポート「段落文章で〇〇字程度」
見出し+本文記事・マニュアル・報告書「## 見出し+本文の構成で」
JSONデータ処理・API連携・システム「JSON形式でコードブロック内に」
コードブロックプログラムコード・設定ファイル「コードブロックで出力」
穴埋めひな形テンプレート作成「[〇〇]のプレースホルダー付きで」

箇条書きの指定

基本的な指定

生成AI導入の注意点を箇条書きで5点まとめてください。

- 各項目は1〜2文で簡潔に
- 技術的な用語は避ける
- 重要度の高い順に並べる

小見出し付き箇条書き

長い箇条書きをグルーピングしたい場合は、小見出しを指定する。

中小企業がAIを導入する際の準備事項を、以下のカテゴリに分けて箇条書きでまとめてください。

カテゴリ:
1. ツール選定(3〜5点)
2. セキュリティ・情報管理(3〜5点)
3. 社内体制・研修(3〜5点)

各項目は2文以内。

表形式の指定

比較表の作成

複数のものを比較する場合は表が最も見やすい。列名を明示するのがポイントだ。

以下の5つのプロジェクト管理ツールをマークダウンの表で比較してください。

ツール:Asana、Trello、Notion、ClickUp、Backlog

【列】
| ツール名 | 無料プランの有無 | 主な対象 | 強み | 弱み |

各セルは30字以内で簡潔に。

スプレッドシートに貼り付けやすい形式

ExcelやGoogleスプレッドシートに貼り付けたい場合は、CSVに近い形式か、タブ区切りを指定する。

以下のデータを、スプレッドシートに貼り付けやすい形式で出力してください。

ヘッダー行:社名、業種、従業員数、AI活用状況、導入ツール名
データ:[情報を貼り付ける]

形式:各セルをカンマ区切り、1行1レコード。ヘッダー行込みで出力。

番号付きリストの指定

手順の記述

順番が重要な作業手順は番号付きリストが適している。

新入社員向けのSlack初期設定手順を、番号付きリストで説明してください。

1〜10ステップ程度
各ステップに:操作内容(1文)と、注意点がある場合のみ補足(1文)
対象読者:PCに不慣れな社員

優先順位付きの提案

営業チームの生産性を上げるための改善案を、優先度の高い順に番号付きリストで5〜7点提案してください。

各提案に:
1. 改善内容(1〜2文)
2. 期待される効果(定量的に示せる場合は数値で)
3. 実施に必要なリソースの目安

段落文章の指定

説明文・解説記事

生成AIのハルシネーションについて、ビジネスパーソン向けに説明してください。

【条件】
- 段落文章で600〜800字
- 専門用語を使う場合は、その直後に平易な言い換えを入れる(括弧書きは使わない)
- 最初の段落で結論を述べる
- 実際のビジネスへの影響を具体例で示す

レポート形式

以下のデータをもとに、月次営業レポートの「考察」セクションを書いてください。

【データ】
[月次KPIの数値を貼り付ける]

【条件】
- 400〜500字の段落文章
- 達成・未達の両面に言及する
- 数値の変動に対して原因仮説を示す(仮説であることを明示する)
- 次月の方向性を最後の段落で述べる

見出し付き構成の指定

ブログ記事・マニュアルの作成

「社員向けのAI活用ガイドライン」のマニュアルを作成してください。

【構成】
## 1. はじめに(このガイドラインの目的)
## 2. 利用可能なツール一覧
## 3. 入力してよい情報・禁止情報
## 4. 生成物の確認義務
## 5. 違反時の対応
## 6. 問い合わせ先

各セクション200〜300字。全体で1,200〜1,500字。
文体:ですます調・平易な言葉。

提案書・報告書

以下の内容をもとに、役員向けのプロジェクト報告書を作成してください。

【構成(各見出しのレベルと内容)】
# プロジェクト名:[名前]
## エグゼクティブサマリー(3〜5行)
## 現状と課題
## 実施内容と成果
## 数値実績(表形式)
## 次フェーズの計画
## 必要な意思決定事項

文体:簡潔な敬体。各セクション200字以内。

JSON形式の指定

データ処理・システム連携向け

以下の商品情報をJSON形式で整理してください。

【商品情報】
[商品の説明テキストを貼り付ける]

【JSONスキーマ】
{
  "name": "商品名(文字列)",
  "price": "価格(数値・税抜)",
  "category": "カテゴリ(文字列)",
  "features": ["特徴1", "特徴2", "特徴3"](文字列の配列),
  "availability": "在庫状況(文字列:「在庫あり」または「在庫なし」)"
}

コードブロック内に出力。値が不明な場合はnullを使う。

複数レコードのJSON

以下の複数の製品説明文を、JSONの配列形式に変換してください。

製品情報:
[複数の製品説明を貼り付ける]

出力形式:
[
  {"name": "...", "description": "...", "price": 数値},
  ...
]

コードブロック内に出力。

穴埋めひな形(テンプレート)の作成

繰り返し使う文書のテンプレートをAIに作らせることができる。

以下のビジネスメールのひな形を作成してください。
変更が必要な部分は[〇〇]のプレースホルダーで示してください。

【メールの種類】
取引先への商談日程調整メール

【プレースホルダーが必要な部分】
- 相手の会社名・担当者名
- 商談の目的
- 候補日時3パターン
- 自社名・担当者名・連絡先

文体:丁寧な敬体。本文200〜250字。

業務別の推奨形式まとめ

業務シーン推奨形式指定のポイント
競合比較・製品比較マークダウン表列名を明示・セル文字数制限
作業手順・操作説明番号付きリスト想定読者のITリテラシーを明示
特徴・注意点の列挙箇条書き点数の上限と文字数を指定
提案書・報告書見出し+段落文構成を先に指定し各セクションの文字数を示す
ブログ・記事見出し+段落文文体・文字数・対象読者を指定
データ処理・APIJSONスキーマとキー名を明示
再利用するひな形プレースホルダー付き[〇〇]形式で変更箇所を明示
社内通知・案内段落文対象者・要件・問い合わせ先の構成を指定

形式が守られないときの対処法

指定した形式で出力されない場合、次の3つを試す。

1. 形式指定をプロンプトの最初に移動する

出力形式:マークダウンの表(列:A・B・C)

[その後に指示本文を書く]

2. 「必ず」という言葉を加える

必ず表形式で出力してください。段落文章は不要です。

3. 出力例をプロンプトに含める

次の形式で出力してください。

出力例:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| [項目1] | [内容1] |
| [項目2] | [内容2] |

出力例を含めると、AIが期待形式を正確に把握しやすくなる。

プロンプト全体の改善方法は思った回答が出ないときのプロンプト改善法で解説している。役割設定と組み合わせると、形式と内容の両方の精度が上がる。役割設定については役割を与えるプロンプトのコツを参照してほしい。


まとめ

出力形式の指定に関する要点を整理する。

  • 出力形式を指定しないと、AIが最も自然と判断した形式で返ってくる
  • 比較・一覧は表、手順は番号付きリスト、特徴の列挙は箇条書きが適している
  • JSON形式はキーと型を明示し、コードブロックで囲んで出力させる
  • 繰り返し使う文書はプレースホルダー付きのひな形を作成させると効率が上がる
  • 形式が守られない場合は、指定を最初に移動するか出力例を含める

出力形式の指定は数行の追加で効果が出る。まず自分が最もよく使う形式(表・箇条書き・段落文等)の指定の書き方を一つ覚えておくと、毎回のプロンプト作成が楽になる。

よくある質問

プロンプトで出力形式を指定しないとどうなりますか

AIが最も自然と判断した形式で回答します。毎回同じ形式で出したい場合や、特定のツールに貼り付けて使いたい場合は、必ず形式を明示してください。

AIに表を作らせるとき、どう指定すればよいですか

「マークダウンの表形式で。列:A・B・C」のように列名を指定します。セルの文字数制限も添えると、貼り付けやすい表になります。

JSONで出力させるにはどう書けばよいですか

「JSON形式で出力してください。キー:name(文字列)、price(数値)、features(文字列の配列)」のようにキーと型を指定します。コードブロックで囲んで出力させると貼り付けやすくなります。

形式を指定しても守られない場合はどうすればよいですか

形式指定を指示の最初に移動する・「必ず〜の形式で」と強調する・出力例をプロンプトに含めるの3つを試します。それでも守られない場合、形式に矛盾する指示(長さ制限と詳細な説明の両立等)がないか確認します。