業務活用事例

企画書・提案書の下書きをAIで作る手順とコツ

企画書・提案書の下書きをAIで作る手順とコツ

この記事の要点

企画書はAIに構成の骨格を作らせてから各セクションを肉付けする順番が効率的だ。背景・目的・施策・効果試算・スケジュールの5段構成をAIで展開する手順とプロンプト例を解説する。

結論:AIには「構成の骨格作り」と「各セクションの下書き」を任せる

企画書作成でAIが最も効果を発揮するのは、白紙の状態から構成を起こす場面と、決まった構成の各セクションを文章化する場面だ。「何から書けばよいか分からない」というゼロの状態から、レビューできる形に持っていくまでの時間が大幅に短くなる。

ただしAIは情報を「それらしい文章」に変換するが、数値・事実・当事者の判断は与えなければ入れられない。AIの下書きに自分の情報を加えて完成させるという使い方が基本だ。

企画書の基本構成

提案書・企画書の構成は業種や目的によって変わるが、多くの場合は以下の5要素を含む。

  1. 背景・課題:なぜこの企画が必要か
  2. 目的・ゴール:何を達成したいか、測る指標は何か
  3. 施策・アプローチ:具体的に何をするか
  4. 期待効果・ROI:実施するとどうなるか、投資対効果は
  5. スケジュール・体制:いつ誰が動くか

AIにはまずこの骨格を作らせ、その後に各セクションを展開する順番が効率的だ。

ステップ1:構成の骨格を作る

最初に、企画の要点を箇条書きで渡してAIに構成を提案させる。

以下の情報をもとに、社内向け企画書の構成案を作ってください。

【企画のテーマ】
社内の会議資料作成プロセスを効率化するAIツールの導入

【背景】
・現在、営業部門では会議資料の作成に平均3時間/回かかっている
・週3回の定例会議があり、準備に多くの時間を取られている
・同業他社でAIツールを活用した効率化事例が増えている

【目的】
・資料作成時間を現行比50%削減
・資料の品質標準化

【対象】
・営業部門50名

構成は「背景・課題→目的→施策→期待効果→スケジュール・体制」の順で、
各セクションに含める内容の見出しと要点のみ示してください。

この段階では文章を作らず、見出しと要点のリストだけを返させる。構成が確定してから各セクションを展開すると、後で大幅に書き直す手間が減る。

ステップ2:各セクションの下書きを作る

構成が確定したら、セクションごとに下書きを作る。一度に全部を書かせようとすると、各セクションが薄くなりやすい。セクション単位で丁寧に進めると品質が安定する。

背景・課題セクションの例

企画書の「背景・課題」セクションを書いてください。

【含める内容】
・営業部門での会議資料作成の現状:平均3時間/回、週3回の定例
・1名あたり週9時間が資料作成に費やされている計算
・同業他社でのAI活用事例が増え、競争力維持のために対応が必要

【条件】
・読み手は社内の経営層
・200〜300字程度
・具体的な数値を含める
・問題の深刻さが伝わるように書く

読み手・文字数・含める数値を指定すると、汎用的な文章ではなくターゲットに合わせた文章が返ってくる。

施策セクションで具体的な手順を書かせる

企画書の「施策・アプローチ」セクションを書いてください。

【施策の概要】
・フェーズ1(1ヶ月目):AI資料作成ツールの選定と試験導入(5名)
・フェーズ2(2〜3ヶ月目):試験結果の評価と全社展開準備
・フェーズ3(4ヶ月目〜):営業部門50名への展開とマニュアル整備

各フェーズの内容を箇条書きで展開し、
担当部門と成功基準も含めてください。

ステップ3:品質を上げるレビューの視点

AIが出した下書きを完成させるには、以下の点を人間が確認して加筆修正する。

数値の確認:AIは「約〇〇%の改善が見込まれる」のような一般的な表現を入れてくることがあるが、根拠のない数値は使わない。社内データや公開されているレポートに基づいた数値に置き換える。

自社固有の事情の追加:AIは一般的な企画書として構成するため、「自社の競合との差別化ポイント」や「既存システムとの連携要件」といった固有情報は入っていない。これらは人間が加える。

意思決定者が気にするポイントの強調:読み手が経営層なら投資対効果を前面に出す、現場管理職なら作業負荷の変化を具体的に示すなど、読み手に合わせた強弱を付ける。

AIに追加でレビューさせる:下書きが完成したら、次のように再度AIに確認させる方法も使える。

以下の企画書の下書きをレビューしてください。

【企画書の内容】
(企画書のテキストを貼り付ける)

確認してほしい点:
1. 論理の流れに矛盾や飛躍がないか
2. 読み手(経営層)が承認の判断をするのに必要な情報が揃っているか
3. 曖昧な表現や根拠が弱い箇所はどこか

問題点と改善案を箇条書きで示してください。

AIが気づかなかった論理の穴や、読み手の立場から見た情報不足を指摘させると精度が上がる。

提案書を説得力ある形に仕上げるポイント

ストーリーラインを先に固める

「課題→解決策→期待効果」という流れが論理的につながっているかを確認する。AIが書いた各セクションをつなげると、繋ぎ目で話が飛ぶことがある。全体を通読して、流れが自然かを確認する。

数値は3つに絞る

多くの数値を入れすぎると読み手に伝わりにくくなる。「現状の時間コスト」「導入コスト」「削減後の時間コスト」など、意思決定に直接関わる数値を3〜4個選んで強調する。

リスクと対策も書く

楽観的な効果試算だけでなく、「うまくいかない場合にどうするか」を添えると信頼度が上がる。AIに「このプランのリスクと対策を書いて」と追加で依頼すると、想定していなかったリスクを指摘してくれることがある。

企画書の種類別のプロンプト調整

企画書には社内向けの稟議書、社外への提案書、新規事業の事業計画書など種類がある。読み手と目的が異なるため、プロンプトに明示する情報を変える必要がある。

種類プロンプトに明示する情報
社内稟議書読み手の役職、決裁基準、社内での前例
社外提案書相手企業の業種・規模・課題、競合との差別化
新規事業計画市場規模の根拠、収益モデルの詳細、撤退条件

読み手と目的を具体的に伝えるほど、汎用的でない文章が返ってくる。

企画書作成と合わせて使いたい機能

プレゼン資料の構成についてはAIで作れる手順がプレゼン資料をAIで作る方法でまとめてある。

メール文面の作成も含めて提案フローを効率化したい場合はメール作成をAIで時短する方法が参考になる。

プロンプトの基本的な書き方についてはプロンプトの書き方に詳しい手順がある。

まとめ

企画書・提案書の作成でAIを使う効果が出るのは「構成案の作成」と「各セクションの下書き作成」の2段階だ。白紙から完成形を一気に出させようとするより、骨格→各セクションの順で進める方が品質が高くなる。

AIの出力に対して「数値の確認」「自社固有情報の追加」「読み手に合わせた強弱づけ」の3点を人間が行うことで、実際に使える提案書に仕上がる。機密情報を含む内容は社内ガイドラインを確認した上で利用してほしい。

よくある質問

AIが作った企画書をそのまま提出できますか

そのままの提出は推奨しません。AIは一般的な表現で文章を組み上げますが、自社の状況・数値・担当者の判断は反映されていません。AIの下書きをベースに、具体的な数値・事実・自分の見解を加えて仕上げる前提で使います。

競合情報や市場データをAIに出してもらえますか

ChatGPTなどには学習データに期限があるため、最新の市場データや競合情報は正確でない可能性があります。調査データは公式の統計・業界レポートで裏取りした上で使ってください。

機密の企画内容をAIに入力してよいですか

未発表の新製品・戦略・個人情報を含む企画内容は、個人向けAIサービスには入力しないでください。社内ガイドラインを確認し、必要に応じて企業向けプランや社内導入のAIツールを利用します。