職種別AI仕事術

事務・アシスタントのFAQをAIで作る方法

事務・アシスタントのFAQをAIで作る方法

この記事の要点

AIを使えば、社内マニュアルや手続き案内に添付するFAQを短時間で作成できます。事務・アシスタント業務向けのプロンプト例と実践手順を解説します。

結論

既存の文書や頻出の質問リストをAIに渡して「FAQを作ってください」と依頼するだけで、Q&A形式の骨格が数分で完成します。事務・アシスタントが担当するマニュアル・案内文・手続き説明書は、社員や関係者から繰り返し同じ質問が来やすい文書です。FAQを添付するだけで問い合わせ数を減らせますが、手動でFAQを整理するのは手間がかかります。AIを使えばその骨格作成を大幅に短縮できます。


どのAIツールを使うか

FAQ作成に向いているツールは以下のとおりです。

ツール特徴向いているシーン
ChatGPT(GPT-4o)自然な質問文と回答文を生成。会話形式で追加・修正が簡単汎用的なFAQ・複数回の修正が必要な場合
Microsoft 365 CopilotWord文書から直接FAQを生成できる既存のWord文書を基にFAQを作る場合
Google GeminiGoogleドキュメントに組み込みGoogle Workspaceを使っている場合

既存の文書や手順書からFAQを作る場合、文書をそのまま貼り付けてChatGPTに処理させる方法が最も汎用的です。


手順:AIでFAQを作る

ステップ1:FAQの元になる情報を用意する

FAQを作る際の情報源は主に2種類あります。

パターンA:既存の文書からFAQを自動生成 マニュアル・案内文・手順書が手元にある場合、その文書を貼り付けて「この内容に関してよく質問されそうな項目をFAQとして作ってください」と依頼します。

パターンB:実際の質問リストからFAQを整理 過去に寄せられた問い合わせのメール・チャット・メモをリストアップして渡すと、より実態に即したFAQが作れます。

ステップ2:プロンプトを入力する

元になる情報の種類によってプロンプトを使い分けます。

パターンA(既存文書から生成)

以下の文書を読んで、読み手が疑問に思いそうな質問を10〜15問想定し、FAQ形式で作成してください。

【条件】
- 対象の読み手:社内の全社員(総務・人事の知識を持たない人も含む)
- 質問文は読み手目線の自然な日本語にしてください
- 回答は簡潔に(200字以内)かつ必要な情報を漏らさずまとめてください
- 「申請方法に関するFAQ」「費用に関するFAQ」のようにカテゴリ分けしてください

【文書】
(ここに元の文書を貼り付ける)

パターンB(実際の質問から整理)

以下は社員から実際に寄せられた質問の一覧です。これらを整理し、重複を統合した上でFAQ形式にまとめてください。

【条件】
- 質問文は自然な日本語に整えてください
- 似た質問は1つにまとめてください
- 回答は簡潔に(200字以内)で書いてください
- カテゴリ分けしてください

【質問一覧】
(ここに質問のリストを貼り付ける)

ステップ3:出力を確認して事実確認をする

AIが出力したFAQは骨格として優れていますが、回答の内容は社内の正式情報と照合が必要です。特に以下の情報は人間が確認・修正してください。

  • 申請期日・締め切り
  • 担当窓口の名称・連絡先
  • 金額・上限・条件
  • 例外規定・特例

ステップ4:追加指示で調整する

問数の増減、回答の詳細化、表現の変更は追加指示で対応できます。

5番の回答をもう少し詳しくしてください。申請方法の手順を3ステップで説明してください。
また、「よくある誤解」として、誤って申請してしまいやすいケースを1つ追加してください。

具体例1:経費精算マニュアルのFAQ作成

経費精算は社員から最も問い合わせが多い手続きの一つです。精算方法・領収書の要件・申請期日など、毎回同じ質問が来ることが多いため、FAQを作るとアシスタントへの問い合わせ数を大幅に減らせます。

以下の経費精算マニュアルを読んで、新入社員が疑問に思いそなFAQを12問作成してください。

【カテゴリ分けの例】
- 申請方法について(3〜4問)
- 領収書・証票について(3〜4問)
- 支払い・精算タイミングについて(2〜3問)
- よくある間違いについて(2〜3問)

【マニュアル】
(ここに経費精算マニュアルを貼り付ける)

出力されたFAQのうち「申請システムへのアクセス方法」「領収書が紛失した場合の対応」「上限金額の確認方法」などは、社内の実際の運用と照合して回答を修正します。


具体例2:イベント・社内行事の案内文へのFAQ追加

社内イベントや研修の案内文にFAQを付けると、個別問い合わせを減らせます。案内文を作った後、同じプロンプトでFAQも一緒に依頼できます。

以下の社内研修案内文を読んで、参加者がよく確認したくなる事項をFAQ形式にまとめてください。

【条件】
- 10問以内
- 質問文は参加者目線の自然な日本語
- 回答は150字以内
- 参加方法・場所・持ち物・事前準備・欠席の連絡方法を優先的に含めてください

【案内文】
(ここに案内文を貼り付ける)

案内文と一体化したFAQが数分で完成します。回答に含まれる部屋番号・開始時間・担当者名などを一次情報で確認し、案内文と矛盾がないかチェックしてから配布します。


FAQの質を高めるプロンプトの工夫

読み手のレベルを明示する

「入社1年目の社員」「役員・管理職を除く全社員」「外部委託スタッフ」など、読み手を具体的に指定すると、AI は知識の前提や表現の難易度を調整してくれます。同じマニュアルでも読み手によって想定される疑問点が変わります。

よくある誤解・勘違いを含めるよう指示する

FAQ内に「よくある誤解」のカテゴリを設けてください。
誤った認識をしやすいポイントを3〜5問含めてください。

正しい情報だけでなく「やってしまいがちなミス」も含めることで、問い合わせの予防効果が高まります。

「これだけ読めば分かる」形式で出力させる

FAQ単体で完結する回答にするため、「他の資料を参照しなくても回答だけで解決できるように書いてください」と指示します。「詳細はマニュアルをご参照ください」という回答はFAQとして機能しません。


うまくいかない場合の対処

FAQの回答が漠然としていて役に立たない

「各回答に具体的な手順・数字・担当窓口を含めてください」と追加指示します。AIは情報が不明な場合に曖昧な表現でごまかすことがあります。「不明な情報は『担当部署に確認してください』とせず、代わりに『要社内確認』と記してください」と指示すると、空欄と曖昧表現の区別がつきやすくなります。

質問がお互いに似ていて重複している

「以下のFAQを見直し、内容が重複している質問を統合してください」と依頼します。複数の質問を1問にまとめる整理作業もAIが行えます。

質問数が少なすぎる・多すぎる

「20問に増やしてください」または「重要な10問に絞り込んでください」と直接指示します。絞り込む場合は「頻出度が高い順に優先してください」と加えると、実用的な順番で整理されます。


他の業務との組み合わせ方

FAQはマニュアルや手順書とセットで活用すると効果が高まります。事務・アシスタントのマニュアル作成をAIで時短する方法で作成した文書に、このFAQの手順を組み合わせると、問い合わせ対応の業務全体を効率化できます。

FAQを作成した後、内容をカレンダーや案内スケジュールに組み込む必要がある場面では事務・アシスタントのスケジュール管理をAIで効率化する方法も参照してください。


まとめ:AIでFAQを作る3つのポイント

  1. 元になる文書か質問リストをAIに渡す — 骨格はAIが作り、人間は事実確認と修正に集中する
  2. 読み手のレベルとカテゴリ分けを指示する — 読み手を明示すると表現の難易度と質問の選定が適切になる
  3. 回答の事実確認は人間が必ず行う — 期日・担当窓口・金額などの数字は一次情報で照合する

FAQ作成は単純に見えて、抜け漏れがあると問い合わせが減らないどころか誤解を招くこともあります。AIで骨格を作り、人間が精度を上げるという役割分担で進めることが、最も効率的な進め方です。

よくある質問

AIが作ったFAQの回答は正確ですか?

AIは文書の構造や回答の形式を整えるのは得意ですが、社内固有のルール・手続きの詳細は人間が確認・修正する必要があります。特に申請手順・期日・担当窓口などの具体情報は、必ず社内の正式文書と照合してください。

FAQの質問はどうやって考えればいいですか?

これまでに実際に寄せられた問い合わせ内容をリストアップするのが最も実用的です。過去のメール・チャット・対面での質問を振り返って頻出パターンを洗い出し、それをプロンプトに渡すと現実に即したFAQが作れます。

FAQはどのくらいの分量が適切ですか?

対象の手続きや案内の複雑さによりますが、一般的に10〜20問が読み手にとって使いやすい分量です。それ以上になる場合は「申請方法」「費用」「期日」のように質問をカテゴリ分けすると読みやすくなります。

FAQをHTMLやMarkdown形式で出力できますか?

可能です。プロンプトに「Markdown形式で出力してください」または「HTMLのdl/dt/dd形式で出力してください」と指定すると、指定した形式で出力されます。WordやWebページに合わせて形式を指定してください。