職種別AI仕事術

カスタマーサポートの議事録をAIで自動作成する手順

カスタマーサポートの議事録をAIで自動作成する手順

この記事の要点

カスタマーサポートの対応記録・ミーティング議事録をAIで自動作成する手順を解説。録音データや会話メモから要点を整理するプロンプト例付き。

結論

カスタマーサポートの対応記録やチームミーティングの議事録をAIで作成すると、記録作業の時間を大幅に短縮できる。対応後に会話の要点をテキストで渡せば、AIが顧客の問題・対応内容・次のアクションを整理した記録を1〜2分で出力する。1日に50件の対応をこなすチームなら、記録作業だけで毎日1〜2時間節約できる計算になる。


使うAIツール

議事録・対応記録の作成に適したツールの組み合わせは以下のとおり。

用途ツール例特徴
録音の文字起こしWhisper API、Notta、Vrex音声→テキスト変換
テキストの整理・要約ChatGPT、Claude要点抽出・フォーマット整形
議事録保存・共有Notion、Googleドキュメントチーム共有・検索
通話中のリアルタイム書き起こしOtter.ai会話しながら自動記録

すべてをツール1本で完結させようとするより、「書き起こし→整理→保存」の3ステップで最適なツールを組み合わせる方が現場に定着しやすい。


手順1:通話・対応後の記録をAIで整理する

方法A:メモ・箇条書きをそのまま渡す

通話しながら手書きやメモアプリに残した断片的なメモをAIに渡して整理させる方法。録音設備がなくても始められる。

以下は、カスタマーサポートの通話対応中に取ったメモです。
このメモをもとに、社内の対応記録として整理してください。

【メモ】
- 顧客:田中様、会員番号2345
- 電話で問合せ
- サービスにログインできないと言っていた
- パスワード忘れが原因と判明
- リセット手順を案内
- 5分後に再度確認の電話→無事ログイン確認
- 次回同様の場合はメールからでもリセットできることを伝えた

【出力フォーマット】
対応日時:
顧客情報:
問い合わせ内容:
原因:
対応内容:
解決確認:
備考・フォローアップ:

方法B:文字起こしテキストをそのまま渡す

録音の文字起こしがある場合は、テキストをそのままAIに貼り付けて要約・記録化を依頼する。長い通話でも2,000〜3,000字程度なら一度に処理できる。

以下はカスタマーサポートの通話を文字起こしたテキストです。
社内記録として使える対応記録にまとめてください。

【文字起こし】
(ここに文字起こしテキストを貼る)

【出力の条件】
- 問い合わせの要点を3文以内で
- 自社が行った対応を箇条書きで
- 未解決の課題があれば明記する
- フォローアップが必要な場合は日付を含めて記載する
- 個人を特定できる氏名・連絡先は「顧客A」のように仮称にする

手順2:チームミーティングの議事録をAIで作る

カスタマーサポートチームの定例ミーティングでは、問題報告・改善提案・KPI確認などが議題になることが多い。事前に議題を渡してフォーマットを作らせるか、ミーティング後に発言メモを渡して整形させる。

ミーティング後にメモを整理するプロンプト

以下はカスタマーサポートチームの週次定例ミーティング(30分)のメモです。
正式な議事録にまとめてください。

【日時・参加者】
日時:2026年6月5日(木)10:00〜10:30
参加者:チームリーダー・佐藤、担当・山田、担当・鈴木

【メモ】
- 先週の問い合わせ件数は487件(前週比+12%)
- 配送遅延に関する問い合わせが増加(計62件)→梱包業者への確認を佐藤が担当
- 返品処理フローを改善提案(山田)→来週中にマニュアル案を作成
- ChatGPTを使った返信テンプレートの試験運用を来週から開始
- 次回定例:6月12日(木)10:00〜

【出力フォーマット】
1. 会議概要
2. 報告事項
3. 議論・決定事項
4. 次のアクション(担当者・期限付き)
5. 次回日程

カスタマーサポート固有の活用例

例1:クレーム対応記録の標準化

クレーム対応の記録は後から原因分析や再発防止に使われる。フォーマットが担当者によってバラバラだと、蓄積しても活かせないデータになる。AIに統一フォーマットで出力させることで、記録の質と検索性が上がる。

月に30件以上のクレームを受けているあるECサイトのサポートチームでは、クレーム対応後に以下のプロンプトを使って記録を統一した結果、月次レポートの作成時間が4時間から1時間に短縮されたという。

以下の対応メモをクレーム対応記録として整理してください。

【対応メモ】
(メモをここに貼る)

【必須項目】
クレーム受付日時:
顧客番号:
クレームの種別:(配送・品質・対応・その他)
クレームの詳細:
初動対応内容:
最終解決方法:
顧客の反応(解決・未解決・保留):
再発防止に向けたメモ:
次のアクション(担当・期限):

例2:新人研修用の対応記録集作り

ベテラン担当者の対応事例をAIで整理して新人研修資料にする使い方もある。良質な対応の記録10〜20件をAIに渡して「共通するポイントと使えるフレーズをまとめて」と依頼すると、ノウハウ集の下書きができる。これはカスタマーサポートの資料・スライドをAIで仕上げる方法と組み合わせると研修資料として完成させやすい。


うまくいかない場合

AIが情報を補完・推測してしまう

メモが断片的だと、AIが自分で情報を埋めて事実と異なる記録を作ることがある。プロンプトに「情報がない項目は空欄にして、推測で補完しないこと」と明記する。

【重要】メモに記載がない情報は空欄にしてください。推測で補完しないでください。

フォーマットが毎回違う

プロンプト内に出力フォーマットを固定して書いておく。「以下のフォーマットで必ず出力してください」と冒頭に入れ、項目名をそのまま列挙する方法が効果的。

文字起こしの精度が低い

録音の音質が低いと文字起こしの精度が落ちる。文字起こし後にAIに「誤字や聞き取れなかった部分があります。文脈から自然に読める形に修正し、修正した箇所には[?]マークをつけてください」と指示すると、確認が必要な箇所が分かりやすくなる。

長すぎる通話記録が1回で処理できない

30分以上の通話の文字起こしは数万字になることがある。その場合、前半・後半に分割してそれぞれ要約を作ってから、2つの要約を統合する方法が現実的。


記録の活用と継続のコツ

作成した対応記録は保存して終わりにせず、月次で傾向を分析する材料として使う。「先月最も多かった問い合わせ種別はどれか」「未解決で持ち越した件数は何件か」といった質問に答えられるよう、記録をNotionやスプレッドシートに蓄積しておくと、チームの改善活動につながる。

AIで作成した記録は、定期的に担当者が見直して精度を確認する習慣を持つ。特に、対応内容の事実確認と、個人情報が正しく処理されているかの確認は怠らない。

報告書作成への応用はカスタマーサポートの報告書をAIで書く手順で詳しく解説しているので、チームの月次報告などで活用してほしい。


記録作業を速くする目的は、その時間を顧客対応の質を上げることに使うためにある。まずチームで最も多い対応タイプ1種類の記録テンプレートをAIで整備するところから始めると、自然に使い方が広がっていく。

よくある質問

カスタマーサポートの対応記録にAIを使う場合、何分くらいで作成できますか?

会話テキストや録音書き起こしをAIに渡してから整理された記録が出力されるまで、1〜2分程度。30分の対応を人間が記録すると10〜15分かかることが多いが、AIを使うと確認・修正込みで5分以内に収まるケースがある。

録音を文字起こしするには何を使えばいいですか?

Whisper(OpenAIの文字起こしサービス)、Google音声文字起こし、Notta、Vrexなどが選択肢。精度や料金は各サービスの公式情報で確認してほしい。文字起こし後のテキストをChatGPTやClaudeに渡して整理するという2段階の使い方が一般的。

チームミーティングの議事録にも使えますか?

使える。問題報告・改善提案・次回アクションなどのサポートチーム特有の項目をプロンプトに明示すると、業務に直結した議事録が生成される。テンプレートをプロンプトに含めておくと、フォーマットが統一される。

顧客との通話内容をAIで記録する場合、法的な問題はありますか?

通話録音には相手への事前同意が必要な場合がある(電気通信事業法・個人情報保護法などの観点)。また、録音データをAIサービスに送る場合は個人情報の取り扱いポリシーの確認が必要。社内の法務・コンプライアンス部門に確認してから進めることを推奨する。