職種別AI仕事術

カスタマーサポートの報告書をAIで書く手順

カスタマーサポートの報告書をAIで書く手順

この記事の要点

カスタマーサポートの月次・週次報告書をAIで作成する手順を解説。問い合わせ件数・解決率・クレーム傾向などのデータをまとめるプロンプト例付き。

結論

カスタマーサポートの週次・月次報告書をAIで作成すると、文章化と構成の工数が大幅に減る。問い合わせ件数・解決率・クレーム傾向などの数値データをAIに渡せば、レポートの文章と考察の骨格が数分で出来上がる。事実の確認と数値の入力は人間が行い、AIに文章化を任せる分担が効果的。


使うAIツール

報告書作成では、長文の論理的な文章が書けて、データを整理した説明に強いツールが向いている。

ツール特徴向いている用途
Claude長文の論理的な記述が得意報告書全体の文章作成
ChatGPT対話形式での修正がしやすい数値分析の説明文作成
GeminiGoogleスプレッドシートとの連携データ直結の報告書
Notion AINotion内のデータと連携Notion上の報告書作成

週次報告のような短い報告書は無料プランで十分作れる。月次で詳細なレポートを作る場合は有料プランの文字数上限が安心。


手順1:週次報告書をAIで作成する

必要なデータを用意する

週次報告書の場合、以下のデータが最低限必要。数値が揃っていれば、テキストはAIが作れる。

  • 問い合わせ受付件数
  • 対応完了件数・未対応件数
  • 初回解決率(1回の返信で解決した件数の割合)
  • 平均返信時間
  • 問い合わせ種別の上位3〜5件
  • 特記事項(クレーム、システム障害、イレギュラー対応など)

週次報告書のプロンプト

カスタマーサポートチームの週次業務報告書を作成してください。

【報告期間】
2026年6月2日(月)〜 6月6日(金)

【データ】
- 問い合わせ受付件数:312件
- 対応完了件数:298件(未対応:14件)
- 初回解決率:72%
- 平均返信時間:2.8時間
- 問い合わせ種別上位:
  1位 配送状況確認(98件 / 31%)
  2位 返品・交換(72件 / 23%)
  3位 ログイン・アカウント(45件 / 14%)

【特記事項】
- 6月4日に配送委託会社のシステム障害が発生し、配送状況に関する問い合わせが1日で通常比2倍に増加
- システム障害の詳細案内をFAQページに緊急追加し、翌日から問い合わせが通常水準に戻った

【報告先】
チームリーダー・関係部門

【出力条件】
- 見出し付きの報告書形式
- 数値の前週比は記載不要(今週単独のデータのみ)
- 特記事項の対応内容と結果を詳しく記載する
- A4用紙1枚程度の分量

手順2:月次報告書をAIで作成する

月次報告書は週次より詳細なデータと考察が必要になる。問い合わせ傾向の変化や改善施策の結果なども含める。

月次報告書のプロンプト

カスタマーサポート部門の月次業務報告書を作成してください。

【報告月】
2026年5月(5月1日〜5月31日)

【主要KPI】
- 問い合わせ総数:1,380件(前月1,240件、前月比+11%)
- 初回解決率:71%(前月68%)
- 平均返信時間:2.9時間(前月3.2時間)
- クレーム件数:19件(前月24件、前月比-21%)
- FAQ閲覧数経由の解決率:42%(前月38%)

【問い合わせ種別】
1. 配送状況確認:428件(31%)
2. 返品・交換:304件(22%)
3. ログイン・アカウント:193件(14%)
4. 料金・プランの質問:152件(11%)
5. その他:303件(22%)

【今月の取り組みと結果】
- AIを使った返信テンプレートの試験運用(開始:5月14日)
  → 対象:定型問い合わせ上位2種。平均返信時間が3.2時間→2.9時間に短縮
- FAQ更新(5件のページ更新)
  → FAQ経由解決率が前月比4ポイント改善

【課題】
- 返品・交換の問い合わせで「手順が分からない」という内容が前月比+18%
- ログイン関連の問い合わせが一定数継続。パスワードリセット手順のFAQ改善が必要

【来月の取り組み計画】
- AIテンプレートを返品対応にも拡大
- ログイン関連FAQのリライト

【報告先】
部門長・経営会議

【出力条件】
- 見出し付きの報告書形式(エグゼクティブサマリーを冒頭に)
- KPIの数値変化に対する考察を入れる
- 課題と来月計画のセクションは具体的に
- A4用紙2枚程度

カスタマーサポート固有の活用例

例1:クレーム傾向の分析レポート

月に20件以上のクレームが発生している場合、クレームの種別・原因・対応結果をまとめた分析レポートが再発防止に役立つ。クレーム記録のテキストをAIに渡して傾向をまとめてもらう使い方が効果的。

以下は2026年5月に受けたクレーム19件の記録テキストです。
傾向分析レポートとして整理してください。

【クレーム記録一覧】
(記録テキストをここに貼る)

【出力条件】
- クレームを種別に分類する(推測で分類せず、記録に記載の情報のみで判断する)
- 各種別の件数と割合を示す
- 繰り返し発生しているパターンがあれば指摘する
- 改善可能な原因がある場合はその観点も整理する
- 実際の記録に書かれていない情報は追記しないこと

このような分析に使う記録はカスタマーサポートの議事録をAIで自動作成する手順で整備したデータが直接使える。記録の品質が報告書の精度を左右する。

例2:年次報告書・総括資料の作成

年に1度の総括報告書は作成に時間がかかるが、月次報告書のデータを蓄積しておけばAIで効率よく作れる。

以下は2025年4月〜2026年3月の月次サポートデータです。
年次業務総括報告書を作成してください。

【月次データ(12カ月分)】
(月次データをここに貼る)

【出力条件】
- 年間のKPI推移を表でまとめる
- 前年比での改善点と課題を整理する
- 年間通じての傾向(季節性など)があれば指摘する
- 来期への提言として3点以内で改善提案を入れる
- A4用紙3〜4枚程度

うまくいかない場合

考察がAIの推測になる

「考察は私が提供したデータの範囲内でのみ記述し、データに基づかない推測は入れないでください」と明示する。AIは自然と補完・推測を入れようとするため、制約の指示が重要。

報告書の文体が形式的すぎる

「この報告書は読んだ人が次のアクションを判断できるよう、結論と優先度を明確に書いてください」と目的を伝える。形式の整った文章より、読み手が動けることを優先する。

データ量が多すぎて一度に処理できない

12カ月分のデータを一度に渡すと処理しきれない場合がある。前半・後半に分割して要約を作ってから、要約同士を統合する方法で対応する。

毎月同じような文章になる

前月の報告書と比べて変化した点に焦点を絞るようにプロンプトを変える。「先月の報告書との違いを中心に記述してください」と指示すると、単純な繰り返しを避けられる。


報告書を継続的に活用するために

月次報告書は提出して終わりにせず、四半期ごとに傾向を振り返る素材として使う。AIに「直近3カ月の報告書から共通する課題を抽出してください」と依頼すると、チームの優先課題が見えやすくなる。

報告書のデータは業務改善提案の根拠としても使える。数値で見えている課題はカスタマーサポートの提案書をAIでつくる進め方で提案書にまとめて上申する際の材料になる。

また、月次報告のデータを視覚化して定例発表で使う場合はカスタマーサポートの資料・スライドをAIで仕上げる方法を参照してほしい。報告書とスライドの連携で、データを一度作ったら複数の用途に使い回せる。

報告書に含む数値は出典を明確にして正確に記載する。AIが生成した文章の中の数値は必ず元データと照合して確認する。AIが数値を丸めたり誤って計算することがあるため、計算が絡む部分は特に注意する。


報告書作成の時間を週30分削減できれば、月2時間が顧客対応や改善活動に回せる。まず毎週書いている最も定型的な報告書のプロンプトを1本整備して試すのが現実的な始め方。

よくある質問

カスタマーサポートの月次報告書をAIで書くとどのくらい時間が短縮できますか?

月次報告書の作成に3〜4時間かかっていた場合、データの整理とAIへの入力に1時間、出力の確認・修正に30分〜1時間、合計1.5〜2時間程度で完成できるケースがある。ただしデータ収集と事実確認は人間が行う必要がある。

報告書に使うデータはどうやって集めればいいですか?

Zendesk・Salesforce・Freshdesk などのカスタマーサポートツールの分析機能からエクスポートするのが基本。ツールがない場合は、メール管理シートや対応記録スプレッドシートから集計する。AIはデータを分析・整理する役割で使い、データ収集は人間が行う。

報告書の中でAIによる分析(傾向分析・予測)は信頼できますか?

AIが提示する傾向分析は参考になるが、断定的に報告書に入れるのは注意が必要。特に予測や原因の推測はAIが誤る可能性があるため、担当者が事実として確認できた内容のみを報告書に含める。

毎月同じ形式の報告書をAIで半自動化できますか?

できる。毎月変わるのはデータ(件数・率・特記事項)だけで、フォーマットと構成は固定できる。プロンプトのテンプレートを作って月次データを差し替えるだけで使える状態にしておくと、ルーティン化できる。