職種別AI仕事術

カスタマーサポートの提案書をAIでつくる進め方

カスタマーサポートの提案書をAIでつくる進め方

この記事の要点

カスタマーサポート部門の業務改善・ツール導入提案書をAIで作成する手順を解説。現状分析から改善案の文書化まで、コピペ可能なプロンプト例付き。

結論

カスタマーサポート部門の業務改善提案書や新ツール導入の稟議資料をAIで作ると、構成出しから初稿完成までの時間を大幅に短縮できる。現状の課題と数値データをAIに渡し、解決策と期待効果を含む文書の骨格を作らせる使い方が最も効率的。ただし、数値・コスト見積もり・社内ルールなどの具体情報は人間が入力・確認する必要がある。


使うAIツール

提案書作成には、長文の構成力と論理的な文章が得意なツールが向いている。

ツール特徴向いている用途
Claude長文の論理構成が得意提案書全体の初稿作成
ChatGPT(GPT-4o)対話形式で柔軟に調整できる構成の相談・部分的な修正
Gemini ProGoogleドキュメントとの連携社内Googleドライブへの直接保存
Notion AINotionワークスペース内で使えるNotion上の提案書作成

提案書は複数回のやり取りで精度を上げるので、会話履歴が保持されるチャット型AIが作業しやすい。


手順:提案書をAIで作成する

ステップ1:課題と目的を整理する

AIに渡す前に、以下の情報を箇条書きで用意する。5〜10分で書けるメモで十分。

  • 現在の問題(件数・時間・コストなど数値を入れる)
  • この提案で解決したいこと
  • 想定する解決策(ツール名、手順の変更など)
  • 提案書を見せる相手(直属の上司、経営陣、他部署など)
  • 使える予算・リソースの概算

この情報が具体的であるほど、AIの出力がそのまま使える精度になる。

ステップ2:AIに構成と初稿を依頼する

以下はそのまま使えるプロンプト例。

カスタマーサポート部門のAI活用についての業務改善提案書を作成してください。

【現状の課題】
- 1日あたり300件の問い合わせに対して担当者5名で対応
- 返信メール1通の作成に平均15分かかっている
- 問い合わせの約40%(120件)が「発送状況の確認」「返品手順の案内」など定型対応
- 残業が月平均20時間発生している

【提案内容】
ChatGPTを使った返信テンプレート生成の導入。定型問い合わせへの初稿作成をAIに任せ、担当者がチェック・送信する運用。

【期待効果(試算)】
- 定型対応120件 × 15分 → AIで初稿作成後チェックで5分に短縮
- 削減時間:120件 × 10分 = 1,200分 / 日 = 担当者1名分の工数相当
- 月間残業時間を20時間→5時間程度に削減できる見込み

【提案書を見せる相手】
部門長・情報システム部門(コストと情報管理の観点から確認される)

【出力条件】
- Word文書で使える提案書形式
- 見出し付きで構成する
- リスクと対応策のセクションも含める
- A4用紙2枚程度の分量

ステップ3:数値と社内情報を追記・修正する

AIが生成した初稿には、実際の数値・社内ツール名・会社固有のポリシーが入っていない。以下を確認して追記・修正する。

  • コスト見積もり(ツールの実際の費用)
  • 実施スケジュール(社内の承認フローに合わせる)
  • リスクと対応策(自社の情報セキュリティポリシーに準じる)
  • 承認者・推進担当者の名称

ステップ4:上司・レビュワーの視点でチェックする

提案書を送る前に、AIに「承認者の視点で懸念点を挙げてください」と依頼してみる。

以下の提案書案に対して、情報システム部門の管理職の視点から懸念されそうな点を5つ挙げてください。

【提案書案】
(提案書のテキストをここに貼る)

想定外の質問や反論が事前に分かり、準備が整う。


カスタマーサポート固有の活用例

例1:FAQ整備プロジェクトの提案書

問い合わせの30〜40%がFAQで解決できるはずなのに、FAQが古くて使われていないという状況は多くのサポートチームに共通する。FAQの整備・刷新を提案する文書をAIで作成した例を紹介する。

FAQコンテンツの刷新プロジェクトを提案する社内提案書を作成してください。

【現状の問題】
- FAQページが3年間更新されていない
- 「FAQに書いてある内容と実際の手順が違う」という問い合わせが月40件発生
- FAQ経由の問い合わせ解決率:目標70%に対して実績38%

【提案内容】
AIを使ったFAQ自動更新フローの構築。
手順:①月次で問い合わせログを分析 → ②上位20件の質問をAIでFAQ文に変換 → ③担当者がチェックして公開

【期待効果】
FAQ解決率を38%から55%以上に改善(月40件の問い合わせ削減)

【出力形式】
- 提案書形式(見出し付き)
- 実施スケジュール表(3カ月計画)も含める
- リスクと対応策を末尾に追加する

例2:サポートツール導入の稟議書

新しいカスタマーサポートプラットフォームの導入稟議書をAIで作成する場面では、費用対効果の試算をAIに依頼すると説得力のある数字の説明ができる。

カスタマーサポートツール(Zendesk等)の導入稟議書を作成してください。

【現状】
- 問い合わせ管理をメールのみで行っており、対応漏れが月3〜5件発生
- 複数担当者での対応状況の可視化ができない
- 顧客ごとの対応履歴が残らず、過去の問い合わせを再確認する手間がある

【導入予定ツール】
専用のカスタマーサポートプラットフォーム(具体的なツール名は要検討)

【想定コスト】
月額5〜8万円程度(担当5名分)

【期待効果】
対応漏れゼロ、対応履歴の活用、管理工数の削減

【提出先】
経営企画部門(ROI重視のレビュー)

【条件】
- ROIの概算試算を含める
- 導入後6カ月の効果測定方法も記載する
- 読みやすい提案書形式

このような提案書を作成する際の資料づくりはカスタマーサポートの資料・スライドをAIで仕上げる方法でも詳しく説明している。


うまくいかない場合

AIの提案書が抽象的すぎる

課題の情報が薄いと、AIが一般論を書いてしまう。プロンプトに「〇〇件」「〇〇分」「〇〇%」のように具体的な数値を入れると出力の具体度が上がる。数値がない場合は「仮の数値でよいので試算を入れてください」と依頼し、あとで実数に差し替える。

文体が報告書っぽくなりすぎる

「相手は忙しい部門長で、要点だけ読みたい。冒頭1ページで判断できるように書いてください」というような読み手の状況を加えると、冒頭に要点がまとまった読みやすい構成になる。

リスク欄の内容が薄い

「情報セキュリティ・コスト超過・現場の習熟コスト・品質管理の4点についてリスクと対応策を書いてください」のように、リスクの軸を明示すると具体的な内容が出てくる。

承認プロセスで追記が必要になる

提案書の初稿を関係者に見せたあと、追加の質問や修正依頼が来ることは多い。そのたびにAIに「この質問に答える文章を提案書のどこかに追記してください」と依頼すれば、修正の工数が抑えられる。


提案書を通すための実践的なポイント

提案書の品質を上げることと、承認してもらうことは別の問題。AIで文書の質を高めつつ、人間の関係構築は事前に行う。提案書を提出する前に、承認者に口頭でアイデアを伝えて反応を見ておくと、正式提案のハードルが下がる。

試算に使う数値は、実際の業務から取るのが原則。「1通15分」「月300件」のような数値は、過去のデータや担当者へのヒアリングで確認した上で提案書に入れる。AI任せにせず、数値の根拠は自分で持つ。

チームの月次報告と提案書の関係についてはカスタマーサポートの報告書をAIで書く手順も参照してほしい。報告書でデータを蓄積しておくと、提案書の数値根拠が自然と揃う。


提案書を完璧にしてから動くより、70%の完成度の初稿を早く関係者に見せてフィードバックをもらうほうが、最終的な承認に近道なことが多い。AIで初稿を作る時間を短縮した分、関係者との対話に使うのが効果的な進め方。

よくある質問

カスタマーサポートの業務改善提案書をAIで作成するとどのくらい時間が短縮できますか?

提案書の構成考案から初稿完成まで、人間が一から書くと丸1〜2日かかる場合がある。AIを使うと骨格と文章の初稿が2〜3時間で得られるケースがあり、最終仕上げと数字の確認に時間を集中できる。ただし提案内容の事実確認と数値の正確性は必ず人間が行う。

提案書の構成はどうすればいいですか?

基本は「現状の課題→目標→解決策→実施計画→期待効果→予算・リソース」の順。経営陣・管理職向けには効果と費用を前半に持ってくると読まれやすい。AIに「〇〇という課題の解決策を提案書形式で構成して」と依頼すると、構成の選択肢を出してくれる。

AI活用の提案書を上司に通すコツはありますか?

数値で効果を示すことが最も説得力を持つ。「月〇件の問い合わせのうち〇%が定型対応で、AIなら〇時間削減できる」という試算を入れる。また、リスク(品質管理・情報セキュリティ)への対応策もセットで記載すると承認率が上がる。

カスタマーサポート以外の部門にも使える提案書の作り方ですか?

基本的な構成と進め方は他部門でも応用できる。ただし本記事の具体例・プロンプトはカスタマーサポート特有の業務(返信対応・FAQ整備・クレーム処理など)を前提に作成している。