カスタマーサポートの文字起こしをAIで整形する方法
この記事の要点
通話録音やチャットログをAIで整形する手順を解説。ノイズ除去・発話者分離・要点抽出まで、コピペ可能なプロンプト付きで紹介。
結論
通話録音やチャットログをそのままノートに貼っても使えない。AIにひと手間加えるだけで、発話者ラベル付き・要点まとめ済みのきれいなテキストに変わる。この記事では、カスタマーサポート業務で実際に使える文字起こし整形の手順をプロンプト例付きで解説する。
使うAIツール
| ツール | 向いているケース |
|---|---|
| ChatGPT(GPT-4o) | 短〜中程度のチャットログ整形、箇条書き化 |
| Claude 3.5 Sonnet | 長い通話録音テキスト、発話者分離が複雑なケース |
| Gemini 1.5 Pro | Google Workspaceと連携したい場合 |
無料プランでも基本的な整形は可能だが、1回のやり取りで扱えるテキスト量に限界がある。月5,000件以上を処理するなら有料プランへの切り替えを検討したほうがよい。
整形の手順
ステップ1:文字起こしテキストを準備する
通話録音の場合はAmiVoice、Google Meet、Zoom、Microsoftのコパイロット機能などで文字起こしを生成する。出力されたテキストは以下のような状態であることが多い。
えーとですね、先ほど届いた商品なんですが、箱がへこんでいて中のものも割れていて、これはどうすればいいんでしょうか、あの、交換してもらえますか
ご不便をおかけして申し訳ございません確認いたしますので注文番号を教えていただけますか
はい、えーと0123456です
少々お待ちください…確認できましたお取り替えいたします
句読点がなく、発話者の区別もない。このまま報告書や引き継ぎメモには使えない。
ステップ2:個人情報を仮名に置換する
注文番号・氏名・電話番号などをAIに渡す前に置換する。置換ルールを社内で統一しておくと処理が速い。
| 元の情報 | 置換例 |
|---|---|
| 注文番号 0123456 | [ORDER-A] |
| 顧客名 田中様 | [CU-NAME] |
| 電話番号 090-xxxx | [TEL] |
ステップ3:AIで整形する
以下のプロンプトをそのまま使える。テキスト部分を自社のログに差し替えるだけでよい。
あなたはカスタマーサポートの記録整理担当です。
以下の通話文字起こしを整形してください。
【整形ルール】
- 話者を「OP:」(オペレーター)と「CU:」(顧客)に分けてください
- 各発言の意味が変わらない範囲で句読点を追加し読みやすくしてください
- 発言の繰り返しや言いよどみ(えーと、あの)は削除してください
- 最後に「対応概要」として3行以内で要点をまとめてください
【文字起こし】
(ここにテキストを貼り付ける)
このプロンプトで得られる出力例:
CU: 先ほど届いた商品の箱がへこんでいて、中のものも割れていました。交換していただけますか。
OP: ご不便をおかけして申し訳ございません。確認いたしますので、注文番号を教えていただけますか。
CU: [ORDER-A]です。
OP: 確認できました。お取り替えいたします。
【対応概要】
・顧客より配送中の破損に関する申告あり
・注文番号[ORDER-A]で確認、商品交換対応を確約
・次のアクション:交換品手配、発送完了後に顧客へ通知
ステップ4:要点抽出を追加する
整形済みテキストをさらにAIに渡して、引き継ぎメモ用の要点を抜き出すことができる。
以下の対応記録から、後続担当者が見るための引き継ぎメモを作成してください。
【含めるべき項目】
1. 問い合わせ内容(1文)
2. 顧客の感情状態(平静・不満・激怒のいずれか)
3. 約束した対応内容
4. 期日または次のアクション
【対応記録】
(整形済みテキストを貼り付ける)
ステップ5:チャットログに応用する
メールやチャットのやり取りの場合、発話者はすでに分離されているため整形の手間が減る。それでも不要な定型句が多かったり、重要な合意事項が埋もれていたりする。
以下のチャット対話から重要な合意事項と未解決の課題を抽出してください。
【出力形式】
- 合意事項:(箇条書き)
- 未解決の課題:(箇条書き)
- 顧客が最も不満に感じているポイント:(1文)
【チャットログ】
(ここにテキストを貼り付ける)
カスタマーサポート固有の活用例
活用例1:クレーム通話の証跡管理
クレームが法的問題に発展した場合、対応内容の正確な記録が必要になる。整形済みテキストに加え、「感情状態の変化」「どの時点でどの約束をしたか」を時系列で記録しておくと、後からの確認が格段に速くなる。月に10件以上のクレーム通話がある現場では、この整形フローを標準化しておくだけで記録作業の時間が1件あたり15〜20分短縮できる。
プロンプト例:
以下の通話記録を整形した後、クレーム対応の証跡として使えるよう
「約束した内容と時点」を時系列で箇条書きにしてください。
【文字起こし】
(テキストを貼り付ける)
活用例2:新人研修用の対応サンプル作成
整形済みの優良対応記録をAIに渡し、「どこが良かったか」を解説させると、そのまま研修教材になる。
以下の対応記録を読み、新人オペレーターへの研修フィードバックとして
「良かった点」「改善できる点」をそれぞれ2〜3項目で教えてください。
具体的な発言箇所を引用しながら説明してください。
【対応記録】
(整形済みテキストを貼り付ける)
うまくいかない場合
発話者の区別が混在する
AIが「OP:」と「CU:」を誤って割り当てることがある。プロンプトの冒頭に「最初の発言は顧客からです」と添えるか、サンプル行を1〜2行付ける。
長すぎてカットされる
1件の通話が30分を超える場合、テキストが長くなりすぎてAIの処理が途中で終わることがある。10分ごとに分割して処理し、最後にまとめる2段階フローにすると対処できる。
敬語が不自然になる
AIが整形した文章は敬語が機械的になる場合がある。プロンプトに「オペレーターの発言は丁寧語のまま保持してください」と明記すると改善する。
同じ言葉が繰り返し削除される
「はい、はい」のような相槌を全削除するように指示すると、文脈上必要な相槌まで消えることがある。「3回以上連続する相槌のみ削除してください」のように条件を具体的にする。
他のCS業務でも使えるリンク
FAQ
Q. 文字起こしの整形にはどのAIツールが向いていますか?
ChatGPT(GPT-4o)やClaude 3.5 Sonnetが精度・速度ともに実績があります。長文を扱うならコンテキスト上限が大きいClaudeが安定します。
Q. 個人情報を含む文字起こしをAIに貼り付けても大丈夫ですか?
そのまま貼り付けるのは避けてください。顧客名・電話番号・注文番号などは仮名や記号に置換してからAIに入力し、処理後に元の情報を手動で戻す手順が安全です。
Q. 発話者ラベルが正しくない場合はどう修正しますか?
プロンプトに「OP:」「CU:」のような記号で話者を明示したサンプル行を1〜2行追加すると、AIが形式を学習して精度が上がります。
Q. 整形後のテキストを議事録ツールに自動連携できますか?
NotionのAPIやSlackのIncoming Webhookと組み合わせれば、整形済みテキストを自動投稿できます。まず手動フローを固めてから自動化に進む順番が失敗しにくいです。
よくある質問
文字起こしの整形にはどのAIツールが向いていますか?
ChatGPT(GPT-4o)やClaude 3.5 Sonnetが精度・速度ともに実績があります。長文を扱うならコンテキスト上限が大きいClaudeが安定します。
個人情報を含む文字起こしをAIに貼り付けても大丈夫ですか?
そのまま貼り付けるのは避けてください。顧客名・電話番号・注文番号などは仮名や記号に置換してからAIに入力し、処理後に元の情報を手動で戻す手順が安全です。
発話者ラベルが正しくない場合はどう修正しますか?
プロンプトに「OP:」「CU:」のような記号で話者を明示したサンプル行を1〜2行追加すると、AIが形式を学習して精度が上がります。
整形後のテキストを議事録ツールに自動連携できますか?
NotionのAPIやSlackのIncoming Webhookと組み合わせれば、整形済みテキストを自動投稿できます。まず手動フローを固めてから自動化に進む順番が失敗しにくいです。