総務の議事録をAIで自動作成する手順
この記事の要点
総務担当者が会議の音声・メモからAIで議事録を作成する手順を解説。文字起こしツールとの組み合わせ方やプロンプト例も紹介。
結論
総務の議事録作成にAIを導入すると、1時間の会議の議事録を会議終了後10〜15分以内に初稿として出せる。文字起こしツールで音声をテキスト化し、そのテキストをAIで整形する2ステップが基本。手書きメモからでも同じ手順で対応できる。
使うAIツール・組み合わせ
議事録作成には2つの工程がある。
工程1:音声→テキスト変換
| ツール | 特徴 |
|---|---|
| Notta | 日本語対応・リアルタイム文字起こし |
| Otter.ai | 話者識別あり・英語中心 |
| Microsoft Teams(文字起こし機能) | Teams会議で使える組み込み機能 |
| Whisper(OpenAI) | 高精度・ローカル処理も可能 |
工程2:テキスト→議事録整形
| ツール | 向いている場面 |
|---|---|
| Claude(Sonnet) | 長い文字起こしテキストの整理 |
| ChatGPT(GPT-4o) | 構造的な議事録フォーマットへの変換 |
音声ファイルが手元にない場合は、会議中に取った箇条書きメモをそのままAIに渡すだけでも議事録を作れる。
手順:議事録をAIで仕上げる5ステップ
ステップ1 文字起こしテキストまたはメモを準備する
音声録音がある場合は文字起こしツールで変換する。メモのみの場合は、書いたまま整形せずに次のステップへ進む。
ステップ2 議事録フォーマットを決める
社内で統一している場合はそのフォーマットを、なければ以下を使う。
- 会議名・日時・参加者
- 議題一覧
- 議論の概要(各議題ごと)
- 決定事項・保留事項
- 次回アクション(担当者・期限付き)
ステップ3 プロンプトを作成して整形する
以下は箇条書きメモから議事録を作る場合のプロンプト例。
以下の会議メモから、社内用の議事録を作成してください。
【会議情報】
- 会議名:6月定例総務会議
- 日時:2026年6月5日 10:00〜11:30
- 参加者:総務部全員(5名)、情報システム部から2名
【メモ(そのまま転記)】
- 社員証ICカードの更新について→7月末が一斉更新期限、個別対応は8月以降受付
- 新入社員研修会場の変更→8月研修から大会議室へ変更。備品は事前に確認必要
- 駐車場ステッカー再発行が先月5件→規程を見直す必要があるかどうか検討
- 来期の健康診断スケジュール→9月第2週を候補とする。産業医に確認必要
- その他なし
【出力形式】
1. 開催概要(会議名・日時・参加者)
2. 議題と概要(箇条書き)
3. 決定事項(担当者と期限を含む)
4. 次回確認事項
不明確な点は「要確認」と明示してください。
ステップ4 出力を確認・修正する
AIが出力した議事録の以下の点を確認する。
- 決定事項の内容が正確か
- 担当者名(仮置きの場合は実名に置き換える)
- 期限が正しいか
- 保留・未決事項が漏れていないか
ステップ5 配布・保存する
確認が終わったら、社内メール・社内チャットで参加者に配布し、指定の共有フォルダに保存する。
総務特有の活用場面
場面1:定例総務会議の議事録
月1回・週1回など定期的に開催される総務会議では、毎回同じフォーマットで議事録を出す必要がある。一度プロンプトのひな型を作ってしまえば、次回からはメモ部分だけを書き換えて使い回せる。
前月との変更点を比較したい場合は、前回の議事録をAIに渡して「今回の変更点・新規決定事項を前回と比較してまとめてください」と指示すると差分を整理してくれる。
場面2:安全衛生委員会・衛生委員会の議事録
労働安全衛生法に基づく安全衛生委員会では議事録の保管が義務とされており、法定要件を満たすフォーマットで記録する必要がある。
以下のメモから、安全衛生委員会の議事録を作成してください。
【会議情報】
- 会議名:第〇回安全衛生委員会
- 日時:2026年6月5日 17:00〜18:00
- 参加者:産業医1名・衛生管理者2名・労働者代表2名・事業者側代表2名
【メモ】
- 先月の労働時間集計:時間外労働100時間超えが2名→産業医面談を実施済み
- 職場環境改善:2階フロアの照度不足を指摘→来月中に蛍光灯を交換予定
- 熱中症対策:夏季に向けてスポット冷却機を追加導入する方向で検討
- 次回開催日:7月第1木曜日
【出力形式】
1. 開催概要
2. 報告事項(数値・事実を正確に)
3. 審議事項と結果
4. 次回予定
担当者名は「担当(要記入)」という仮置きにしてください。
うまくいかない場合
文字起こしテキストが長すぎてAIに貼れない
ChatGPT無料版など、入力文字数に上限があるツールでは、1万字を超えるテキストは分割して貼り付ける必要がある。分割する際は議題の切れ目で分けると整合性が取りやすい。Claude Sonnet以上はコンテキストウィンドウが大きいため、2時間程度の文字起こしなら一括で処理できることが多い。
話者が混在して誰が何を言ったか分からない
文字起こし段階で話者識別がオンになっていた場合は「話者A」「話者B」のラベルが付く。プロンプトで「話者Aが総務部長、話者Bが総務担当です」と補足すれば、出力に役職が反映される。識別がなければ、発言者情報を含めず「議論の要点」としてまとめる指示に変える。
決定事項が不明確なまま出力される
「決定事項は必ず「〇〇することを決定」または「〇〇を保留」のいずれかの形式で記載してください」と指示すると、あいまいな表現が減る。
議事録作成を習慣化するコツ
会議直後に作業する
記憶が新しい間に確認・修正するほど精度が上がる。会議終了後15分以内を目安に作業を開始する習慣をつけると、確認の手間が最小限になる。
フォーマットを社内で統一する
部署ごとに議事録フォーマットが異なると、確認者側の負担が増える。AIを導入するタイミングでフォーマットを整理・統一するのが効率的。
過去議事録を参照させる
「以下の形式を参考にして同じ構成で今回の議事録を作成してください」と前回議事録を貼り付けると、社内の書き方に合わせた出力が得られる。
まとめ
総務の議事録作成は、文字起こしツールとAIを組み合わせることで、1時間の会議の議事録を15分以内に初稿化できる。箇条書きメモからでも同じ手順が使える。決定事項・担当者・期限の3点だけは人手で確認してから配布する習慣をつけることで、品質を維持しつつ作業時間を大幅に短縮できる。
よくある質問
音声を直接AIに渡して議事録を作れますか?
ChatGPTのAdvanced VoiceやWhisper、Notta、Trint等の文字起こしツールで先にテキスト化し、そのテキストをChatGPTやClaudeに渡して整形するのが現在の主流な手順です。
議事録作成で特に気をつけるべきことは何ですか?
AIは話者名を誤って割り当てることがあります。決定事項・担当者・期限の3点は人手で確認してから配布してください。
会議のメモが断片的でもAIで議事録を作れますか?
箇条書きのメモでも構いません。「以下のメモから議事録形式に整えてください」と指示すれば、文章としてまとめ直してくれます。
どんな種類の会議でも使えますか?
定例会議・プロジェクト会議・役員会議等に使えます。ただし役員会議など機密性が高い会議は、データの送信先ポリシーを確認した上で判断してください。