総務の比較表をAIで作る方法
この記事の要点
総務が作る業者比較・制度比較・設備比較などの比較表をAIで効率的に作成する手順を解説。項目設計からMarkdown表の出力、Excelへの展開まで使えるプロンプト例を紹介。
結論
総務の比較表作成にAIを活用すると、項目設計から表の出力まで30分以内で完成します。業者の見積もり比較・健保組合と協会けんぽの制度比較・設備リプレース時の機種比較など、総務が定期的に作成する表の多くでAIが下書きを担えます。
総務が作る比較表の種類
総務は意思決定の判断材料として、さまざまな比較表を作ります。代表的なものは次のとおりです。
- 業者比較表:清掃・警備・ビルメンテナンスなど、複数社から取った見積もりを並べる
- 制度比較表:現行の福利厚生制度と改訂案の違いを整理する、健康保険の種類を比較する
- 機器・設備比較表:複合機やオフィス家具のリプレース時に機種ごとの仕様を並べる
- 規程比較表:就業規則の改訂箇所を旧条文と新条文で対照させる
どの場合も「どのような切り口で比較するか」の項目設計が難しく、ここにAIを使うと時間を節約できます。
使うAIツール
比較表の作成には、Markdown形式の表を出力できるAIが向いています。
- ChatGPT:Markdown表の出力が安定しており、テーブル形式でコピーしてExcelに貼り付けられます。
- Claude:長い仕様書や見積もり書のテキストを渡した場合でも、構造的に整理して出力します。
- Gemini:Googleスプレッドシートとの連携が強く、表の内容をシート上で直接編集できます。
社内承認済みのツールを使い、見積もり額や個人情報は提供前にマスキングしてください。
比較表を作る手順
ステップ1:比較の目的と対象を確認する
「何と何を、何の目的で比較するか」を一文でまとめてから作業に入ります。
例:「3社から取得した清掃業務の見積もりを、月額費用・作業内容・対応時間・実績の4点で比較し、稟議書に添付する」
目的が明確だと、AIに渡すプロンプトも具体的になり、出力の精度が上がります。
ステップ2:比較項目を設計する
AIに「比較項目を提案してください」と依頼する方法が効率的です。
総務担当者として、清掃業者3社を比較する表を作ろうとしています。
比較に必要な項目を10個提案してください。
稟議書に添付することを前提に、意思決定に直結する項目を優先してください。
AIが提案した項目をベースに、自社の判断基準に合った項目を追加・削除します。この段階で人間が項目を確定させることで、後の修正が減ります。
ステップ3:情報を整理して渡す
比較表に使う情報をテキストでまとめ、AIに渡します。各社の見積もりや仕様書から必要な部分を抜き出して貼り付けます。
以下の情報を使って、清掃業者3社の比較表を作成してください。
【比較項目】
月額費用、作業内容、清掃頻度、対応時間、スタッフ常駐の有無、実績(年数)、緊急対応の可否
【フォーマット】
Markdown形式の表で出力してください。各項目を行に、各社を列にしてください。
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【A社の情報】
(A社の見積もり・資料から抜き出した情報を貼り付ける)
【B社の情報】
(B社の情報を貼り付ける)
【C社の情報】
(C社の情報を貼り付ける)
ステップ4:出力を確認し、Wordまたはスプレッドシートに貼り付ける
AIが出力したMarkdown表をコピーし、ExcelまたはGoogleスプレッドシートに貼り付けると自動的に表形式に変換されます。Wordに貼り付ける場合は、一度テキストとして貼り付けたあと「テキストを表に変換」機能を使います。
貼り付け後に、すべての数値と固有名詞が正確かを原典と照らし合わせて確認します。
総務での具体的な活用例
例1:福利厚生制度の比較資料
従業員に「健康保険組合に加入し続けるか、協会けんぽに移行するか」を説明する際の比較資料を作る場面を例に取ります。
健康保険組合と協会けんぽの違いを、総務担当者が従業員向けに説明するための比較表を作成してください。
【比較項目】
保険料率の決まり方、給付内容の違い(傷病手当金・出産手当金)、附加給付の有無、手続きの窓口、扶養家族の取り扱い
制度の概要をわかりやすく表にまとめてください。数値は架空のものでなく「公式資料を確認してください」と注記してください。
AIが出力した表の「保険料率」など数値が必要な部分は、厚生労働省や健保組合の公式資料で確認して埋めます。構造と項目はAIに作らせ、数値は人間が入れる役割分担が実用的です。
例2:複合機リプレース時の機種比較
オフィスの複合機を買い替えるときの選定資料を作る場面です。
複合機3機種を比較する表を作成してください。
【比較項目】
月額リース料金、印刷速度(A4カラー/モノクロ)、最大用紙サイズ、自動両面印刷の有無、スキャン機能(ネットワーク転送・OCR対応)、消耗品のコスト、保守対応の内容、設置面積
【フォーマット】
Markdownの表。1行目はヘッダー(項目名)、以降は各機種の行。機種名は「機種A・機種B・機種C」とする。
注:実際の数値は担当者がカタログを見て入力する前提で、空欄または「要確認」と記載してください。
このように「枠組みだけAIに作らせ、数値は後から人間が入れる」使い方が、正確性を保ちながら作業時間を短縮する現実的な方法です。
比較表を素早く改訂するプロンプト
一度作った比較表に新しい選択肢が加わったとき、AIに既存の表を渡して更新を依頼できます。
以下の既存の比較表に、D社のデータを追加した新しい表を出力してください。
【D社のデータ】
(D社の情報を貼り付ける)
【既存の比較表】
(既存の表をMarkdown形式で貼り付ける)
列を追加するだけでなく「既存の3社に加えてD社を評価した場合のコメントを最終行に追加してください」という依頼もできます。
うまくいかない場合の対処
情報が少なくて比較表が埋まらない
見積もりや仕様書に記載がない項目は、AIが「不明」「要確認」として出力します。これは正しい動作です。空欄のまま配布せず、追加で問い合わせるか、「現時点では比較対象外」と注記します。
AIが勝手に数値を埋めてくる
比較表の数値をAIに生成させると、実在しない数字が入ることがあります。プロンプトに「数値が不明な場合は『要確認』と書き、数値を推測して入力しないでください」と明示します。
表のフォーマットが崩れる
Markdownの表が正しく認識されない場合は、「HTML形式で出力してください」または「CSV形式で出力してください」に変えると、スプレッドシートへの貼り付けがしやすくなります。
比較表作成の効率化ポイント
比較表のひな形を一度作ってしまえば、次回以降は「ひな形に新しい情報を当てはめてください」という指示だけで済みます。よく使う比較表のひな形をMarkdownで保存しておき、AIへの入力コストを下げる工夫が積み重なると作業が楽になります。
社内規程の整備については総務の社内規程をAIで整備する方法も参照してください。FAQの作成については総務のFAQをAIで作る方法に手順をまとめています。イベント企画の資料作成については総務のイベント企画をAIで行う方法も合わせて読むと、比較表の活用シーンが広がります。
よくある質問
AIで比較表を作るとき、情報の正確性はどう担保すればよいですか?
AIに比較表の構造(項目・形式)を作らせ、実際の数値や仕様は担当者が公式資料から入力する運用が確実です。AIが生成した数値はそのまま使わず、必ず原典で確認してください。
AIに渡すデータが整理されていない場合でも比較表を作れますか?
「以下の情報を整理して比較表にしてください」と雑然としたメモを渡すだけで、項目を整えた表を生成できます。ただし元データに抜け漏れがあれば表にも反映されるため、元データの整備も並行して行う必要があります。
比較表をそのまま社内資料として使えますか?
AIの出力を整形・確認したうえで使えます。数値・固有名詞・条件の読み違いがないかを必ず確認し、必要に応じて承認者のレビューを経てから配布してください。