職種別AI仕事術

総務の提案書をAIでつくる進め方

総務の提案書をAIでつくる進め方

この記事の要点

総務担当者が設備更新・規程改定・イベント実施などの社内提案書をAIで効率的に作成する手順とプロンプト例を解説。

結論

総務担当者がAIを使って社内提案書を作ると、構成の検討から初稿完成までの時間を従来の3分の1程度に短縮できる。提案の骨子(目的・現状・課題・解決策・費用・効果)をプロンプトに書き込めば、AIが論理的な流れで文章を組み立てる。数値とファクトは自分で補完する前提で進める。


使うAIツール

提案書作成には、文章の構成力が高いツールを選ぶ。

ツール特徴
Claude(Sonnet/Opus)長文構成・論理展開が得意
ChatGPT(GPT-4o)柔軟な指示変更・反復修正に強い
GeminiGoogleドキュメントへの貼り付けがスムーズ

提案書は複数回のやり取りで仕上げるため、同じセッション内で修正指示を出し続けられるチャット型が使いやすい。


手順:提案書の初稿を作る5ステップ

ステップ1 提案の骨子を整理する

提案書をAIに作らせる前に、以下の6点を自分で整理する。この整理ができていないと、AIが的外れな文章を生成する。

  • 何を提案するか(テーマ)
  • なぜ必要か(現状・課題)
  • どう解決するか(方法)
  • いくらかかるか(概算コスト)
  • 何が期待できるか(効果)
  • いつ実施するか(スケジュール)

ステップ2 プロンプトで構成案を作らせる

最初に構成案だけ出させると、修正が容易になる。

総務担当者として、以下の提案書の構成案を作成してください。

【提案テーマ】オフィス複合機(コピー機)の更新
【提案先】管理部長・総務部長
【現状と課題】
- 現行機は導入から9年が経過し、年間修理コストが増加している
- 印刷速度が遅く、繁忙期に印刷待ちが発生している
- 現行機はカラー印刷が一部機能制限されている

【提案内容の方向性】
- リース契約で最新機種に更新する
- 月次コストは現行の保守費用と近い水準を想定

【ゴール】管理部長の承認を得ること

以上の情報をもとに、提案書の構成(見出し一覧)と各セクションの概要を作成してください。

ステップ3 各セクションの本文を生成する

構成案が確定したら、セクションごとに本文を作らせる。

先ほどの構成案の「3. 提案内容」セクションの本文を作成してください。

【追加情報】
- 候補機種:富士フイルム製(型番は未定)・キヤノン製の2社で見積もり中
- リース期間:5年
- 月額リース費:現行保守費用と同水準(詳細は見積もり後に記載)
- 設置工事:土日対応可能

以上の情報を含め、決裁者が判断しやすい簡潔な文章にしてください。
数値の仮置き部分は【要記入】と明示してください。

ステップ4 全体を通読して整合性を確認する

セクション単位で生成した場合、前後の文脈が噛み合っていないことがある。全体を通読し、矛盾や重複がないかを確認する。

ステップ5 数値・根拠を手動で補完して完成させる

AIが出した数値は参考程度にとどめ、実際のコスト・スケジュール・見積もり金額は自分で調べた情報に書き換える。


総務特有の活用場面

場面1:設備更新の稟議書

オフィス設備(空調・コピー機・家具・セキュリティシステムなど)の更新は、総務が稟議書を起案するケースが多い。更新の根拠を論理的に示すことが承認の鍵になるため、AIに「現状の問題」と「更新後の効果」を論理的に整理させると説得力が増す。

総務担当者として、空調設備更新の稟議書(社内提案書)の本文を作成してください。

【更新理由】
- 設置から12年が経過し、修理対応が年4回以上発生している
- 修理費用は昨年度合計で約40万円(保守契約外)
- 旧機種のため部品の入手が困難になりつつある

【提案内容】
- 3〜4階フロアの空調設備を全面更新する
- 省エネ型機種に切り替え、電気代削減効果を見込む
- 工事時期:8月の夏季休暇期間中

【期待効果】
- 修理コストの削減(月次保守契約に切り替え)
- 従業員の執務環境改善
- 省エネ効果(現行比15〜20%削減見込み)

決裁者(管理部長)向けに、1ページ以内で読めるコンパクトな文章にしてください。
数値の根拠が不明確な箇所は【要確認】と明示してください。

場面2:社内イベント・研修の実施提案書

全社員向けの研修や社内イベントは、実施目的・参加対象・コスト・効果の4点が明確でないと稟議が通りにくい。AIに「効果と費用対効果」を整理させると、管理職が納得しやすい文章になる。

以下の情報をもとに、防災訓練実施の社内提案書を作成してください。

【提案内容】
- 年1回の全社防災訓練の実施
- 実施時期:10月第2金曜日 14:00〜16:00
- 対象:全社員(約150名)
- 内容:避難訓練・AED使用体験・初期消火訓練

【背景・目的】
- 前回実施から3年が経過している
- 新入社員・中途入社者が増え、避難経路を知らない社員が増加している

【費用概算】
- 外部講師費:10万円(消防署または民間業者に依頼予定)
- 会場設営費:2万円

【出力形式】
- 提案理由(背景と課題)
- 実施内容と日程
- 費用と効果
- まとめ(1段落)

各セクション200字以内を目安にしてください。

うまくいかない場合

文章が回りくどくて読みにくい

「結論から書いてください。各段落の冒頭で要点を述べ、説明は後に続けてください」と修正指示する。AIはデフォルトで説明を先に書く傾向があるため、構造を明示する必要がある。

提案理由が弱い

現状の問題を数値や具体的な事実として整理してからプロンプトに書く。「なんとなく古くなってきた」という漠然とした情報よりも、「設置から9年、年間修理費が40万円」のような具体情報を入力するほど論拠が強くなる。

分量が多すぎる・少なすぎる

「A4用紙1枚に収まる分量」「箇条書きで5点以内」のように量の制約を明示する。文字数指定より「何枚か」「何項目か」のほうがイメージに近い出力が得られることが多い。

セクション間の文体がバラバラになる

最初のセクションを生成した後、「以降のセクションも同じ文体・構成で作成してください」と指示しておくと一貫性が保ちやすい。


提案書の品質を上げるコツ

過去の承認事例を参照させる

社内で承認された過去の提案書を持っている場合、「以下の書き方を参考にして、今回の提案書を同じトーンで作成してください」と貼り付けると、社内の書き方に近い出力が得られる。

反論への回答を先に用意する

提案書の末尾に「想定質問・懸念への回答」のセクションを加えると承認率が上がることがある。「この提案に対して管理部長が持ちそうな懸念を3点挙げ、それへの回答を書いてください」とAIに作らせると準備が速い。


まとめ

総務の提案書は、骨子(課題・解決策・コスト・効果)を自分で整理してからAIに渡すと、論理的な初稿が短時間で出る。数値とファクトだけは必ず自分で確認・補完する。構成→各セクションの本文→全体確認の順で進めると修正が最小限になる。

関連記事:総務の議事録をAIで自動作成する手順総務の報告書をAIで書く手順

よくある質問

AIに提案書の構成を考えさせることはできますか?

できます。「テーマと目的だけを渡して構成案を作成してください」と指示すれば、目次レベルの構成案を出してくれます。その後、各セクションの内容を肉付けする形で進めると効率的です。

数値やコスト試算もAIに任せていいですか?

AIが出力した数値は根拠が不明なことが多いため、実際のコストは必ず自分で調査・確認して上書きしてください。あくまで文章構成と論理の整理に使うのが安全です。

上司が読みやすい提案書にするためのコツはありますか?

プロンプトに「結論から書く」「箇条書きで要点を先に示す」「1ページ目で意思決定できる情報を揃える」と明示すると、決裁者向けの構成が出やすくなります。