総務の資料・スライドをAIで仕上げる方法
この記事の要点
総務担当者が社内研修・説明会・イベント報告向けのスライドや配布資料をAIで効率的に作成する手順とプロンプト例を解説。
結論
総務の社内スライドや配布資料は、構成メモをAIに渡すと見出し・本文・箇条書きを整理した状態で出力される。研修資料・説明会資料・イベント報告資料など、毎年繰り返される資料ほど、AIで一度ひな型を作ってしまえば次回からの作業を大幅に削減できる。
使うAIツール
| ツール | 向いている場面 |
|---|---|
| Claude(Sonnet) | 長い説明文・構成整理・配布資料の本文作成 |
| ChatGPT(GPT-4o) | スライドごとの箇条書き整理・短いメッセージ作成 |
| Gamma | AIがスライドデザインまで生成する(英語中心) |
| Beautiful.ai | テンプレートに自動レイアウト |
日本語資料の場合、まずChatGPTまたはClaudeでテキスト構成を作り、PowerPointやGoogleスライドに貼り付けてデザインを整えるのが実用的な流れ。
手順:スライドを仕上げる5ステップ
ステップ1 スライドの目的と対象を決める
誰に何を伝えるためのスライドかを1文で言えるようにする。「全社員向けに、改定した通勤交通費の精算ルールを説明するため」のように明確にしてからプロンプトを書く。
ステップ2 スライドの構成をAIに出させる
まず構成案(目次)だけを出させると、全体の流れを確認してから進められる。
総務担当者として、以下の条件で社内説明会用のスライド構成案を作成してください。
【説明内容】通勤交通費精算ルールの改定について
【対象】全社員
【説明時間】10分程度
【改定ポイント】
- 上限金額を月4万円から5万円に引き上げ
- IC乗車券利用を原則化(紙の領収書は不可)
- 申請期限が毎月15日から20日に変更
- 適用開始:2026年7月1日
以上の情報をもとに、スライド枚数と各スライドのタイトル・概要を箇条書きで出力してください。
ステップ3 各スライドの本文を生成する
構成が確定したら、スライドごとに本文テキストを作らせる。
先ほどの構成案の「改定ポイント一覧」スライドの本文(箇条書き)を作成してください。
以下の条件を守ってください。
- 1スライド5行以内
- 各行は20字以内の短文で
- 変更前・変更後を対比できる形式(可能であれば表形式)
- 専門用語は使わない
ステップ4 配布資料版の本文を別途作成する
スライドとは別に、詳細を記載した配布資料(A4 1〜2枚)を用意するケースが多い。
先ほどのスライド内容をもとに、A4用紙1枚に収まる配布資料の本文を作成してください。
【形式】
- タイトル
- 改定背景(2〜3行)
- 改定ポイント(表形式:変更前・変更後・適用開始日)
- よくある質問(2〜3点)
- 問い合わせ先案内
発行日と「総務部作成」という表記を末尾に追加してください。
数値・氏名・連絡先は【要記入】の仮置きにしてください。
ステップ5 PowerPoint・Googleスライドに貼り付けてデザインを整える
AIが出力したテキストをスライドソフトにコピーし、フォント・色・図表を会社のテンプレートに合わせて調整する。
総務特有の活用場面
場面1:新入社員向けオリエンテーション資料
毎年4月・10月など決まった時期に同じ内容を説明するオリエンテーション資料は、一度AIでひな型を作ると翌年以降は変更点だけを更新して使い回せる。
総務担当者として、新入社員向けオリエンテーションのスライド構成と各スライドの箇条書きを作成してください。
【対象】中途入社者(約5名)
【説明時間】30分
【説明内容】
1. 会社設備・フロアの案内
2. 社員証・ICカードの使い方
3. 備品の貸し出し方法
4. 社内ルール(禁煙・来客対応・シュレッダーの使い方)
5. 緊急時の連絡体制と避難経路
【形式】
- 各スライドのタイトルと箇条書き3〜5点
- 各スライドに「補足説明」の欄も作成してください(口頭説明で使う)
数値や担当者名はすべて【要記入】の仮置きにしてください。
場面2:防災・安全衛生の啓発資料
年次の防災訓練や衛生週間に合わせて作成する啓発資料は、毎年同じようなテーマで書き直す必要がある。前年の資料をAIに渡して「今年の日付とトピックに合わせて更新してください」と指示するだけで、更新版の初稿が出る。
以下のテーマで、社員向けの熱中症予防啓発資料(A4縦1枚)の本文を作成してください。
【配布時期】6月末
【主な内容】
- 熱中症の症状と対処法(初期・重症)
- 社内での予防対策(こまめな水分補給・休憩室の活用)
- 緊急時の連絡先
【形式】
- 見出しと箇条書きを組み合わせる
- 1枚に収まる分量
- 読んで3分以内で要点が分かること
問い合わせ先は「総務部(内線:【要記入】)」と入れてください。
うまくいかない場合
スライドの文字が多すぎる
「1スライドにつき本文は50字以内にしてください」「キーワードと1行説明のみにしてください」と明示する。AIはデフォルトで説明的な文章を書くため、スライド向けの簡潔さを明示的に求める必要がある。
全社員向けと管理職向けで資料を分けたい
同じ内容について「全社員向け」と「管理職向け(詳細版)」を別々に依頼する。「管理職向けには導入コストや施策の背景を加えてください」のように差分を指示するだけで切り分けられる。
図・グラフの部分をどうするか
AIはテキストで「表」を出力できるが、グラフや図は出力できない。AIに「ここは棒グラフで見せると効果的」といった注記を付けさせ、グラフ自体はExcelやGoogleスプレッドシートで自分で作る方法が現実的。
資料が毎回同じに見えてしまう
「今回は図表を中心にしてください」「テキストを減らし、見出しと数値だけのシンプルなレイアウトにしてください」のように視覚的な方向性を指示すると、出力の構成が変わる。
資料作成を効率化するコツ
過去資料を素材として活用する
前年の配布資料やスライドのテキストをAIに貼り付け、「以下の内容を今年の情報に更新してください」と指示すると、更新箇所を最小限にした改訂版が出る。ゼロから作るより確認が容易。
テンプレートをプロンプトに組み込む
会社のスライドテンプレートの構成(タイトルスライド・目次・本編・まとめ・連絡先)をプロンプトに書き込んでおくと、毎回指示する手間が省ける。
発行日とバージョンを必ず入れる
特に規程・手続きの説明資料は、改訂が発生した際に古いバージョンとの混在が問題になる。「発行日:2026年6月5日 Ver.1.0」の形式で記載するよう、プロンプトに明示的に含める習慣をつける。
まとめ
総務のスライド・配布資料は、構成案→各スライドの本文→配布資料版の順にAIに作らせると、全体の整合性を保ちながら効率よく仕上げられる。テキストの生成はAIに任せ、デザインと数値の確認は人手で行う役割分担が実用的。毎年繰り返す資料はひな型をプロンプトとして保存しておくと、翌年の作業コストが最小になる。
よくある質問
AIはPowerPointのファイルを直接作ってくれますか?
現時点では、ChatGPTやClaudeが直接.pptxファイルを生成するのは一般的でありません。AIにスライドの構成・見出し・本文テキストを作らせ、PowerPointやGoogleスライドへ貼り付ける方法が実用的です。
スライドの枚数はどう決めればいいですか?
1スライド1メッセージを原則とし、発表時間に合わせて枚数を決めるのが基本です。10分の説明なら7〜10枚が目安です。AIに「10分で話せる枚数に収めてください」と指示できます。
総務の配布資料に特有の注意点はありますか?
規程・手続き・日程などの情報は、配布後に変更が発生すると混乱を招くため、発行日・バージョンを必ず記載してください。AIに作らせた資料でも同様です。