職種別AI仕事術

購買・調達のデータ集計・分析をAIで行う手順

購買・調達のデータ集計・分析をAIで行う手順

この記事の要点

購買・調達担当者が発注データ・見積データ・コスト実績をAIで集計・分析する手順を解説。Excelデータをそのまま使えるプロンプト例付き。

結論

購買・調達のデータ分析——発注金額の品目別集計、取引先別コスト推移、見積比較の数値整理——は手間がかかるが、AIを使えば集計作業を大幅に短縮できる。数値データをコピーして「こういう切り口で集計して」と伝えるだけで、10分かかっていた集計が2分以内に完了する場合がある。


どのAIツールを使うか

ChatGPT Advanced Data Analysis

CSVやExcelファイルをアップロードすると、Pythonコードを自動生成・実行してデータを集計・グラフ化する。コードを書けない担当者でも「取引先別の年間発注金額を棒グラフで見せて」のような指示で動く。ChatGPT Plus(月額20ドル)が必要だ。

Claude(テキスト貼り付け)

ExcelのセルをコピーしてClaudeのチャットに貼り付けると、タブ区切りのデータとして解釈して集計・分析してくれる。ファイルをアップロードしなくてもよい手軽さがある。出力をExcelに貼り戻す形で仕上げるのが現実的な使い方だ。

Excel / Google Sheets + AIの組み合わせ

データの格納はExcelに残しつつ、関数やマクロのコードをAIに生成させる方法も実用的だ。「このデータに対してVLOOKUPをSUMIFSで補完する関数を書いて」のように依頼すれば、Excelの操作を詳しく知らなくても高度な集計が組める。


手順:購買データをAIで分析する

ステップ1:データを整理してAIに渡せる形にする

Excelのデータは、列名(ヘッダー行)を含めてコピーするとAIが正確に解釈しやすい。集計に不要な列(コメント列・書式情報等)は省いて貼り付ける。

渡すデータの例(発注履歴):

発注日,品目コード,品目名,取引先,発注数量,単価,発注金額,納品予定日
2025-04-05,M001,ステンレス板 SUS304,AA商会,500,1200,600000,2025-04-20
2025-04-10,M002,アルミ板 A5052,BB金属,300,800,240000,2025-04-25
...(以下続く)

ステップ2:集計・分析の依頼を具体的に書く

以下は2025年4月〜2026年3月の発注履歴データです。

(ここにコピーしたデータを貼り付け)

このデータをもとに、以下の集計・分析を行ってください。

1. 取引先別の年間発注金額合計(降順で上位10社)
2. 品目カテゴリ別の発注金額構成比(品目コードの先頭2文字でグループ分け)
3. 月別発注金額の推移(表形式)
4. 発注金額が前年同月比20%以上増加している月があれば指摘してください

数値はカンマ区切りの整数で表示してください。
集計の手順も簡潔に説明してください。

ステップ3:コスト削減の分析依頼

削減余地があるかを探る分析は、AIに切り口を提案させながら進める。

以下の発注データから、コスト削減の余地がある可能性がある観点を分析してください。

(データを貼り付け)

以下の観点で分析してください。
1. 同一品目を複数の取引先から分散発注しているケース(統合可能な発注が存在するか)
2. 小口発注が多く、ロット統合で単価を下げられそうな品目
3. 月ごとに単価が変動している品目(価格が安定していない取引先)
4. 発注頻度が高く、在庫を持つことで単価交渉できる可能性がある品目

これは分析の仮説であり、最終判断は実際の交渉・確認を通じて行います。

ステップ4:Excelで使える集計関数を生成させる

AIに関数を作らせてExcelに貼り付ける方法は、Excelへのデータ格納を維持したまま活用できる。

Excelの発注データシートを以下の構成で使っています。
A列:発注日、B列:品目コード、C列:取引先名、D列:発注金額

以下の集計を行うExcel関数を書いてください。
1. 特定の取引先(例:AA商会)の年間発注金額合計(SUMIF使用)
2. 品目コードがM0で始まる品目の発注金額合計(SUMIFS使用)
3. 直近3ヶ月の月別発注金額を自動計算する方法

使い方のコメントも関数に添えてください。

購買・調達での具体的な活用例

事例1:年次コスト報告書の作成効率化

年度末の購買コスト報告書作成で、3年分の発注データをAIに渡し「前年比較・品目別推移・取引先別シェアの変化」を分析させた。担当者が丸2日かけてピボットテーブルで作っていた集計を、AIとの対話で半日に短縮できた。AIが集計した数値をExcelに貼り戻し、グラフは担当者が仕上げるという分担が機能した。

事例2:見積比較の数値整理

3社から届いた見積書をスキャンしてテキスト化し、品目ごとの価格差をAIに集計させた。「A社に比べてB社が割安な品目」「数量が増えたときの割引率が最も大きい取引先」といった切り口の分析を指示したところ、交渉優先順位の判断材料が手早く揃った。見積比較の詳細な方法はAIで見積比較を効率化する方法も参照してほしい。


うまくいかない場合の対処法

集計結果が合わない・ずれる

AIの計算は100%正確ではない場合がある。特に行数が多いデータや複雑な条件での集計は、Excelで再計算して照合する。「この集計を確認するためのExcel数式を書いてください」と依頼して検証するのも有効だ。

データの形式をAIが誤認識する

日付の列が「2025/4/5」と「2025-04-05」が混在している場合など、データの表記が統一されていないとAIの解釈が揺れる。AIに渡す前にExcelでデータを統一しておくか、「日付の表記が混在しているため、YYYY-MM-DD形式に統一して読んでください」と注記する。

データ量が多すぎてチャットに貼れない

数千行以上のデータはチャットの文字数制限に引っかかる。ChatGPTのAdvanced Data Analysis機能でCSVファイルをアップロードするか、データを月別・品目別に分割してそれぞれ処理させた後に統合する。

AIが数値を丸めすぎる

「概算で問題ない」と誤解して丸めることがある。「すべての数値を原データのまま使用し、四捨五入せずに表示してください」と明示する。


分析結果の使い方

AIが出した集計・分析は「仮説と切り口の提供」として扱う。最終的な意思決定(発注先変更・価格交渉の実施など)は担当者が原データと照らし合わせて判断する。AIの分析は「何を見るべきか」の方向性を素早く教えてくれるツールだと捉えると、実務での使い方がしっくりくる。

分析の切り口を固めたら、交渉の準備には購買・調達の価格交渉をAIでサポートする方法も合わせて参照してほしい。


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よくある質問

ExcelのデータをそのままAIに貼り付けて分析できますか?

可能です。ExcelのデータをCSV形式やタブ区切りでコピーしてAIに貼り付けると、集計・分析・グラフ用のコード生成などを指示できます。ただし個人情報や機密情報の取り扱いには注意が必要です。

AIにデータ分析させるとExcelの関数やピボットテーブルは不要になりますか?

必ずしも不要になるわけではありません。AIはデータの整形・集計・傾向分析を自然言語で素早く行えますが、最終的な集計表やグラフの作成はExcelやTableauで仕上げる場合が多いです。組み合わせて使うのが現実的です。

ChatGPTのCode Interpreterとは何ですか?

ChatGPT Plus(有料版)のAdvanced Data Analysis機能で、Pythonコードを実行してデータを集計・可視化できます。ExcelやCSVファイルをアップロードすると、グラフ生成や集計を自動で行ってくれます。

データ量が多い場合(数万行)でも使えますか?

数万行のデータは通常のチャット入力では扱いにくいです。ChatGPTのAdvanced Data Analysis機能かClaude APIにファイルをアップロードする方法が適しています。