プロンプト技術

業種別プロンプト集 マーケ編 施策立案から制作まで使える例文

業種別プロンプト集 マーケ編 施策立案から制作まで使える例文

この記事の要点

ペルソナ設計・キャンペーン企画・コピーライティング・LP構成・効果分析の5場面で使えるマーケティングプロンプト集。ブランドトーンの指定方法から出力の精度を上げる具体的な指示の書き方まで、実務で使える例文を解説します。

結論

マーケティング業務の中でAIが最も効果を発揮するのは、「構造を持つ文書の作成」と「パターンの組み合わせ」です。ペルソナ設計・キャンペーン企画・コピーライティング・LP構成・効果分析の5場面では、適切なプロンプトを使うことで作業時間を大幅に削減できます。

本記事ではマーケティングの各場面に対応したプロンプト例と、ブランドトーンを正確に指定する方法を解説します。


ブランドトーンの指定方法

マーケティングプロンプトで最初に設計すべきなのが「ブランドトーン」の指定です。同じ情報を渡しても、トーンの指定が違えば全く異なるコピーが出力されます。

基本的なトーン指定の要素

ブランドトーンガイド(プロンプトの先頭に入れる)

■ ブランドの性格
{{例:専門的だが難しくない。信頼感と親しみやすさを両立する}}

■ 一人称
{{例:「私たち」または「弊社」}}

■ 読者への呼びかけ
{{例:「あなた」。「皆さん」「ユーザーの方」は使わない}}

■ 避けたい表現
{{例:「業界No.1」「圧倒的な」「革新的な」「〜しましょう」「ぜひ」}}

■ 参考にしたいトーン
{{例:Notionの日本語サイトのようなシンプルで率直な文体}}

■ 文末のスタイル
{{例:体言止めを積極的に使う。「〜です」「〜ます」で統一}}

■ 絵文字・記号
{{例:使用しない/または1文に1個まで}}

このトーンガイドをプロンプトの先頭に置き、以後のすべてのマーケティングプロンプトに貼り付けることで、一貫したブランドボイスを保てます。


場面1:ペルソナ設計

ペルソナは「誰に向けて書くか」の基準になります。AIにペルソナを作成させる場合、根拠となる顧客データや観察事実を入力すると、一般的な内容を超えた具体性が得られます。

以下の情報をもとに、マーケティング用のペルソナを1人作成してください。

【既存顧客のデータ・観察から得た特徴】
{{例:
・30〜45歳の会社員が多い
・購買理由の上位:「時間の節約」「使いやすさ」
・解約理由の上位:「費用対効果がわからない」「機能を使いこなせない」
・SNSはLINE・Instagramを主に使用}}

【自社サービス・商品の概要】
{{サービス名と主要な価値提案を入力}}

【ペルソナに含めてほしい要素】
・基本属性(年齢・職業・家族構成・年収帯)
・1日の行動パターン(平日・休日)
・情報収集の手段とよく使うメディア
・購買の際に重視すること
・自社サービスに対する潜在的な期待と懸念
・刺さるメッセージの方向性

【制約】
・推測と観察事実を区別して記述する
・「おそらく〜だろう」で断定しない
・ステレオタイプな属性設定を避ける(実データと乖離する一般論は不要)

ペルソナは「作って終わり」ではなく、その後の全コピー・媒体選定・メッセージ設計の基準として使います。1人の具体的なペルソナを作ることで、「このペルソナは読むか」という判断軸ができます。


場面2:キャンペーン企画の骨格

キャンペーン企画の初期段階では、アイデアを広げることが目的です。AIに複数のアングルからアイデアを出させ、人が絞り込む役割分担が効率的です。

以下の条件でキャンペーン企画のアイデアを5案出してください。

【キャンペーンの目的】
{{例:新規会員獲得 / 休眠顧客の再活性化 / LTV向上 のいずれか}}

【対象顧客】
{{ペルソナ名または特徴を入力}}

【予算規模】
{{例:100万円以内 / 数百万円規模 など概算で可}}

【実施期間】
{{例:1ヶ月 / 季節イベントに合わせた2週間 など}}

【使える媒体・チャネル】
{{例:自社SNS・メルマガ・ウェブ広告・店頭POP}}

【制約】
・5案はそれぞれ異なるアングル・アプローチで考える
・各案に「コンセプト」「主要施策」「KPI候補」「リスク・注意点」を含める
・実現不可能なアイデアは提案しない(予算・リソースの制約を考慮する)
・競合との類似表現・コンセプトは避けるよう注意を促す(実際の確認は担当者が行う)
上記5案の中から、以下の基準で実行優先度を評価してください。

【評価基準】
1. 目的との整合性(高/中/低)
2. 実行のしやすさ(予算・リソース・期間)
3. 差別化の強さ(競合との違い)
4. リスクの大きさ

【出力形式】
各案を評価表にまとめ、推奨順に並べてください。
推奨1位の理由を100字以内で説明してください。

場面3:コピーライティング

コピーは「誰に・何を・どのトーンで伝えるか」を明確にするほど、AIの出力精度が上がります。バリエーションを複数出させて選ぶ方法が効率的です。

以下の条件で広告コピーを10パターン作成してください。

【ブランドトーン】
(先頭に定義したトーンガイドをここに貼り付ける)

【コピーの用途】
{{例:バナー広告のヘッドライン / SNS広告のボディコピー / メルマガ件名}}

【訴求ポイント(優先順)】
1位:{{最も伝えたい価値・ベネフィット}}
2位:{{次に重要な訴求点}}
3位:{{補足的な訴求点}}

【禁止事項】
・景品表示法上問題となる可能性のある「No.1」「最安値」等の表現は使わない
・根拠のない効果の断言は入れない(「必ず〜できる」「100%〜」など)
・ブランドトーンに定義した避けたい表現は使わない

【文字数・形式】
{{例:見出し:15字以内、本文:50字以内 など}}

10パターンは異なる切り口・フレーミングで作成してください。

コピーは作成後、景品表示法・薬機法・その他の広告関連法規への適合を確認してください。AIは法規制の最新情報を正確に持っていない場合があります。


場面4:LP構成の設計

LPの構成設計はセクションの順番と役割を決める作業です。AIに「なぜそのセクション順にするか」を説明させることで、修正時の判断基準にもなります。

以下の情報をもとにLPの構成案を作成してください。

【商品・サービス概要】
{{名称・カテゴリ・主要な機能や特徴を入力}}

【ターゲット(ペルソナ)】
{{先ほど設計したペルソナを要約して入力}}

【主要な価値提案(上位3つ)】
1. {{最も重要なベネフィット}}
2. {{2番目に重要なベネフィット}}
3. {{差別化ポイント}}

【購買障壁(顧客が迷う理由)】
{{例:価格が高い・信頼できるか不安・自分に必要か不明 など}}

【CTA(最終的なアクション)】
{{例:無料登録 / 資料請求 / デモ申込 / 購入}}

【出力形式】
LPの全セクションを順番に列挙し、各セクションについて:
- セクション名
- 役割・目的
- 入れるべき要素(箇条書き)
- そのセクションをその位置に置く理由

を記載してください。
上記のLP構成をもとに、ファーストビュー(ヒーローセクション)の
コピー案を3パターン作成してください。

【ファーストビューに必要な要素】
- ヘッドライン(20字以内)
- サブヘッドライン(40字以内)
- CTA ボタンテキスト(10字以内)
- 補足テキスト(30字以内・不安解消のための一文)

3パターンはそれぞれ異なる訴求軸で作成してください。

場面5:効果分析とレポート作成

施策の結果データをAIに渡し、考察と次のアクション案を作成させることで、分析レポートの作成時間を短縮できます。

以下のマーケティング施策の結果データをもとに、考察と次のアクション案をまとめてください。

【施策の概要】
目的:{{例:新規会員獲得}}
期間:{{例:2026年5月1日〜5月31日}}
媒体:{{例:Meta広告 / メルマガ / SEO}}

【結果データ】
{{例:
・インプレッション:〇万回
・クリック数:〇件(CTR:〇%)
・コンバージョン数:〇件(CVR:〇%)
・CPA:〇円
・目標CPA:〇円(目標比:〇%)}}

【比較データ(あれば)】
{{前月比・前年同月比・業界平均など}}

【考察に使ってほしい観点】
1. 目標達成度と主要な要因(良かった点・問題点)
2. 数値のどこに改善余地があるか
3. A/Bテストや追加施策の提案(3案以内)
4. 次月の目標値の提案

【制約】
・データにない情報を推測で補わない
・不明な点は「データ不足のため判断できない」と記載する
・提案はデータから推測できる根拠と組み合わせる

効果分析のAI活用で最も重要なのが「データにない情報を推測で補わない」という制約です。これがないと、AIが入力されていない外部要因を「おそらく〜が原因」と断言するケースがあります。


マーケティングプロンプトの運用体制

マーケティングチームでプロンプトを活用する際の運用体制について、効果が高いとされるパターンを紹介します。

役割分担の設計

AIが担当する作業:
- コピーの初稿(10〜20パターンの選択肢生成)
- 構成の骨格作成
- データの整理・パターン抽出
- A/Bテスト仮説の言語化

人が担当する作業:
- ブランドガイドラインとの整合確認
- 広告法規制への適合確認
- 最終的なコピーの選定・編集
- 数値の検証・施策判断

ブランドトーンガイドの管理

ブランドトーンガイドはチームで共有し、バージョン管理を行います。ブランドリニューアル・ターゲット変更・新媒体への参入のタイミングで更新します。プロンプトをチームで共有する方法と管理のコツでは、チームでのプロンプト管理手順を詳しく解説しています。


よくある失敗と対処法

失敗原因対処
コピーが全部似たり寄ったり切り口の指定がない「10パターンは異なるアングルで」と明示
根拠のない効果を断言した制約の指定不足「根拠のない断言をしない」を必ず入れる
ブランドトーンと合わないトーン指定が形容詞のみ避ける表現と参考例をセットで指定
法規制に抵触する可能性AIが法規制を把握していない人による最終確認を必須化する

まとめ

マーケティングにおける5場面のAI活用のポイントをまとめます。

  • ペルソナ設計:根拠となる顧客データを入力し、推測と事実の区別を指示する
  • キャンペーン企画:異なるアングルの案を複数出させ、人が絞り込む
  • コピーライティング:ブランドトーンガイドをセットで渡す。禁止事項を明記する
  • LP構成:ペルソナ・価値提案・購買障壁をセットで入力する
  • 効果分析:データにない情報の推測補完を禁止する

そのまま使えるビジネスプロンプト集では、マーケティング以外の部門でも使えるプロンプトを収録しています。メール作成をAIで時短する方法もあわせて参考にしてください。

よくある質問

AIでペルソナ設計をするとき、どんな情報を渡せばよいですか?

自社の顧客データの特徴(年代・職業・利用状況など)、既存顧客へのインタビューや行動データから得た示唆、競合との比較で見えた差別化ポイントを渡すと、AIが具体性のあるペルソナを作りやすくなります。情報が少ないほど一般的な内容になります。

AIが書いたコピーをそのまま使えますか?

下書きとしては使えますが、そのまま広告・Webサイトに掲載する前に必ず確認が必要です。ブランドガイドラインとの一致、競合との表現上の重複、景品表示法・薬機法などの広告規制への適合は人が確認する必要があります。

ブランドトーンをプロンプトで正確に指定する方法はありますか?

「親しみやすい」などの形容詞だけでなく、「避けたい表現の具体例」「参考にしたいブランドや媒体の名称」「一人称と文末の表現」をセットで指定すると精度が上がります。過去に承認された自社のコピー例を添えるのも有効です。

LP構成をAIに作らせるとき、何を入力すればよいですか?

商品・サービスの概要、ターゲット(ペルソナ)、主要な価値提案、想定される購買障壁(価格・信頼性など)、CTAの種類(資料請求・無料登録など)を入力します。これらが揃うと、セクションの優先順位と各セクションの役割を反映したLP構成を出力できます。