Copilotでフレームワークを使って整理する手順
この記事の要点
Microsoft CopilotはSWOT・3C・ロジックツリーなどのフレームワークを使った整理を自動化できる。プロンプト例とWordへの出力手順を詳しく解説。
結論
Copilotにフレームワーク名と整理したい情報を渡すと、SWOT・3C・ロジックツリーなどの形式で情報を自動的に当てはめてくれる。フレームワークの空欄を自力で埋める時間が大幅に減り、分析の中身を考えることに集中できる。
前提:必要なプランとアクセス方法
スタンドアロン版(copilot.microsoft.com) Microsoftアカウントで無料利用可能。ブラウザ上で会話形式でやり取りする。
Copilot for Microsoft 365(M365統合版) WordやPowerPointに出力を直接挿入できる。SharePoint上の社内資料をCopilotに参照させながらフレームワーク分析を行う使い方もM365統合版ならではだ。利用にはM365有料プランが必要。詳細は管理者または公式サイトで確認すること。
フレームワーク別のプロンプト集
SWOT分析
以下の情報をもとに、SWOT分析を行ってください。
【企業・事業の概要】国内中堅の食品メーカー。主力製品は冷凍惣菜。売上高200億円。直近2期は増収増益。ECチャネルが全体の15%を占めるまで成長。
【分析の目的】今後3年間の事業戦略立案のための現状把握
各象限(強み・弱み・機会・脅威)に3〜5項目を挙げ、それぞれに1文の解説を添えてください。
最後に「クロスSWOT」として、強み×機会・強み×脅威・弱み×機会・弱み×脅威の4組で、取るべき戦略の方向性を1〜2文ずつ提示してください。
3C分析
以下の業界・企業情報をもとに3C分析を行ってください。
【自社(Company)】中規模のBtoB向けERPベンダー。従業員500名。主な顧客は製造業の中堅企業。
【競合(Competitor)】大手ERPベンダー(シェア45%)、SaaS型クラウドERPを展開するスタートアップ(急成長中)
【市場・顧客(Customer)】国内製造業の中堅企業(売上50〜300億円規模)。DX投資意欲は高まっているが、ITリテラシーには格差がある
各Cについて、現状・トレンド・示唆を3点ずつ箇条書きで整理してください。
分析の最後に、3Cを踏まえた自社の差別化ポイントと注力すべき戦略領域を提示してください。
ロジックツリー(課題分解型)
以下の課題をロジックツリーで分解してください。
【課題】ECサイトの転換率(コンバージョン率)が前年同期比30%低下している
第1層(直接原因の仮説):3〜4項目
第2層(各原因の背景・要因):各2〜3項目
第3層(具体的な事象・データで確認できる指標):各1〜2項目
インデント付きの箇条書きで出力してください。
各項目に「確認すべきデータ」を括弧内ではなく、別行に「→確認事項:」という形で添えてください。
ピラミッドストラクチャー(主張の構造化)
以下の主張をピラミッドストラクチャーで整理してください。
【主張】来期は新規顧客開拓よりも既存顧客のLTV向上に投資すべきである
構成:
- 最上位:主張(結論)
- 第2層:主張を支える根拠(3つ)
- 第3層:各根拠を裏付けるデータ・事実・事例(各2〜3個)
出力はインデント付きの階層構造で示してください。
データや事例の部分は「実例:」として具体的な数字や業界事例を挙げてください(不確かな場合は「要確認」と明記)。
バリューチェーン分析
以下の業態について、バリューチェーン分析を行ってください。
【業態】国内中堅アパレルメーカー。OEM生産(国内外)→直営店・EC・百貨店での販売
主活動(購買物流・製造・出荷物流・マーケティング・サービス)と
支援活動(全般管理・人事・技術開発・調達)のそれぞれについて:
1. 現状の強み(競争優位になっている部分)
2. 改善の余地がある部分
3. デジタル化・AI活用で効率化できる可能性
を表形式で整理してください。
手順:複数フレームワークを組み合わせる
単一フレームワークでは見えにくい構造も、複数を組み合わせると立体的に見えてくる。
まずは3C分析で市場の全体像を整理し、次に自社のSWOTに落とし込んでください。
【業界】法人向けクラウドストレージサービス
【自社の特徴】国内データセンター運営・高セキュリティ・中小企業向け価格帯
【主要競合】グローバルIT大手(AWS・Google)、国内SaaS新興勢力
手順:
1. 3C分析(市場・顧客・競合・自社の現状整理)
2. 3C分析の結果を踏まえたSWOT分析
3. クロスSWOTによる戦略の方向性(SO・ST・WO・WT)
各ステップの出力を確認してから次に進めてください。
このように「段階的に確認しながら進める」指示を加えると、中間出力を確認できるため修正しやすくなる。
M365統合版でフレームワーク分析をWordに整える
M365統合版のWordでは、Copilotの出力をそのまま文書に挿入して上長報告用の資料に仕上げられる。
以下のSWOT分析の結果をもとに、経営陣への戦略提言レポートを作成してください。
[SWOT分析の出力内容を貼り付ける]
構成:
1. 分析の目的と背景(100字)
2. SWOT分析の結果サマリー(各象限を箇条書き)
3. クロスSWOTによる戦略の方向性
4. 推奨アクション(優先度順に3〜5項目)
5. 次のステップと検討事項
読者は経営陣(取締役クラス)を想定し、A4で2〜3枚に収まる分量にしてください。
うまくいかない場合のポイント
フレームワークの各項目が埋まらない場合 入力情報が少ないと「情報不足のため仮置き」と出力されることがある。「仮置きでかまわないので、業界の一般的な傾向をもとに埋めてください」と指示すると、確認すべき部分が明示された状態で出力が出る。
クロスSWOTが機械的な組み合わせになる場合 「クロスSWOTの戦略は、理念論ではなく具体的な施策名で書いてください。抽象的な表現(例:『強みを活かす』)は避けてください」と具体性を求める指示を加える。
ロジックツリーのMECEが崩れる場合 「このロジックツリーに漏れやダブりがないかMECEの観点でレビューし、修正案を提示してください」と追加依頼する。
分析結果が自社の実態と合わない場合 Copilotは渡した情報のみで分析するため、情報が少ないと一般論寄りの出力になる。「当社の具体的な数字として〇〇があります」「競合のこういう動きを踏まえると」など追加情報を会話内で提供すると精度が上がる。
フレームワーク別の用途一覧
| フレームワーク | 主な用途 | 必要な情報 |
|---|---|---|
| SWOT | 現状把握・戦略方向性の整理 | 自社・市場・競合の概況 |
| 3C | 市場機会と競争構造の把握 | 自社・競合・顧客の基本情報 |
| ロジックツリー | 課題の原因分解 | 課題の症状・観察事実 |
| ピラミッド | 提案・主張の構造化 | 結論と根拠になる事実 |
| バリューチェーン | 業務プロセスの強み・弱みの可視化 | 主活動・支援活動の概要 |
| 5Force | 業界の収益構造分析 | 業界の競合・顧客・代替品情報 |
| MECE分解 | 論理的な要素の整理 | 分解したい概念・テーマ |
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よくある質問
Copilotで使えるフレームワークの種類は?
SWOT分析・3C分析・5Force・ロジックツリー・ピラミッドストラクチャー・MECE・PDCA・OKR・バリューチェーン分析・ジャーニーマップなど、ビジネスで一般的に使われるフレームワークの多くに対応しています。プロンプトにフレームワーク名を明示すれば、そのフレームに沿って整理してくれます。
フレームワークの出力をPowerPointスライドに変換できますか?
M365統合版のPowerPointであれば、Copilotに「このSWOT分析をスライドに変換してください」と指示することで、各象限を別スライドに展開したり、一覧表スライドを生成したりできます。スタンドアロン版でも出力テキストをPowerPointに貼り付けて活用できます。
フレームワークの出力結果はどの程度信頼できますか?
Copilotは与えられた情報をもとにフレームワークに当てはめて整理しますが、事実確認や情報の正確性の保証はしません。出力はあくまで思考の整理ツールとして使い、重要な意思決定に使う場合は自社データや専門家の確認を経てください。
複数のフレームワークを組み合わせて使えますか?
使えます。たとえば「3C分析で市場の全体像を整理したあと、自社のSWOTに落とし込んでください」というように、連続したプロンプトでフレームワークをつなぎ合わせた分析を依頼できます。