経理の文字起こしをAIで整形する方法
この記事の要点
経理業務で発生する会議録や音声メモの文字起こしをAIで整形する具体的な手順。不要な言い回しの除去から仕訳検討メモへの変換まで、コピペ可能なプロンプト例つきで解説する。
結論
経理部門の会議録や打ち合わせメモは、音声文字起こしツールでテキスト化しても、そのままでは「えー」「あのー」「ちょっと待ってください」といったフィラーが残り読みづらい。AIに整形を任せると、不要な言い回しの除去・段落整理・要点抽出を数十秒で終わらせられる。月次決算や監査対応の会議録を1本整形するのに、これまで20〜30分かかっていた作業が5分以内に収まるケースが多い。
使うAIツール
テキスト整形にはChatGPTまたはClaudeが使いやすい。どちらもブラウザ上でテキストを貼り付けてプロンプトを送るだけで動く。
| ツール | 向いている用途 | 注意点 |
|---|---|---|
| ChatGPT(GPT-4o) | 長文の要約・構造化 | 月額プランで長いテキストも処理 |
| Claude(claude.ai) | 丁寧な言い換え・整合性確認 | 無料枠は1回の入力量に上限あり |
| Gemini(Google) | Googleドキュメントとの連携 | 社内ポリシー確認が必要 |
社内規定でクラウドAIへのデータ送信が制限されている場合は、ローカル動作のLLMツール(LM Studioなど)か、契約上で機密保持が担保されたビジネスプランを使う。
手順
ステップ1 音声を文字起こしする
音声ファイルがある場合は、まず文字起こしを行う。
- Notta:スマートフォンアプリとウェブ版があり、会議録音を自動文字起こしできる
- Googleドキュメント:ツールメニューから「音声入力」を選択し、リアルタイムで入力できる
- Whisper:精度が高く、専門用語にも対応しやすい。技術的なセットアップが必要
文字起こし結果は整形前の「生テキスト」としてメモ帳などに保存しておく。
ステップ2 AIに整形を依頼する
以下のプロンプトをそのままコピーして使える。【生テキスト】の部分に文字起こし結果を貼り付ける。
以下は経理部門の会議を文字起こしした生テキストです。
次のルールで整形してください。
1. 「えー」「あのー」「まあ」などのフィラーを削除する
2. 同じ内容の繰り返しは1回にまとめる
3. 発言者が変わるたびに段落を分け、「(発言者名):」の形式で表示する
4. 決定事項・宿題事項があれば末尾に「■決定事項」「■宿題事項」として箇条書きでまとめる
5. 金額・日付・勘定科目の表記は一切変えない
【生テキスト】
(ここに文字起こし結果を貼り付ける)
ステップ3 整形結果を確認する
AIが出力したテキストを元の音声・メモと突き合わせて確認する。特に以下の点を重点的に確認する。
- 金額に変化がないか(例:「3,500万円」が「350万円」に変わっていないか)
- 勘定科目の名称が正しいか
- 担当者名・会社名が正確か
- 決定事項の要約が発言内容と一致しているか
数字や固有名詞は自動変換のリスクが高いので、必ず人の目で確認する。
ステップ4 月次決算向けに仕訳検討メモに変換する
整形済みの会議録から、仕訳に関わる検討事項だけを抽出するプロンプトを続けて使える。
上記の整形済み会議録から、仕訳や会計処理に関わる検討事項のみを抽出してください。
出力形式:
・案件名:
・検討内容の概要:
・暫定的な勘定科目(わかる範囲で):
・未解決の論点:
・確認が必要な部門または担当者:
金額や日付はそのまま転記し、推測で補わないでください。
このプロンプトを使うと、長い会議録から経理処理に必要な部分だけを取り出せる。月次決算の締め作業前に確認漏れを防ぐ用途に向いている。
具体的な活用例
例1 棚卸資産の評価損に関する会議録の整形
製造業の経理部門では、四半期ごとに棚卸資産の評価損を協議する会議が開かれる。参加者が複数部署にわたるため、会議録は長くなりがちで、整形に30分以上かかることがあった。
AIにフィラー除去と発言者別整形を依頼したところ、1時間の会議録が15分以内に読みやすい形になった。その後「仕訳検討メモへの変換」プロンプトを使い、評価損の計上額・計上時期・担当者の確認事項を箇条書きで抽出。決算担当者が翌日すぐに仕訳入力に取り掛かれる状態まで整理できた。
例2 税理士との打ち合わせメモの整理
顧問税理士との月1回の打ち合わせは、スマートフォンで録音しNottaで文字起こしする運用を採用している中小企業の事例。文字起こし後のテキストをClaudeに渡して整形することで、税務上の確認事項・提出書類の期限・対応すべき処理が一覧化された。
以前は打ち合わせ後に手作業でメモをまとめていたが、作業時間がほぼゼロになった。整形後は担当者が内容を確認・修正してからファイルに保存する手順を守っている。
うまくいかない場合
長すぎてエラーになる
無料枠のAIは1回のリクエストで処理できるテキスト量に上限がある。2時間の会議録をまとめて貼り付けるとエラーになる場合、30分ごとに分割して処理する。
専門用語が変換されてしまう
「減価償却費」が「減価消却費」になるなど、AIが誤変換することがある。プロンプトに「次の用語リストの表記は変えないでください:減価償却費、売上原価、前払費用、未払費用」のように固定したい用語を明示する。
発言者の区別がつかない
発言者の名前が文字起こしに含まれていない場合、AIには区別できない。事前に文字起こしツール側で話者分離機能をオンにするか、手作業で発言者名を追記してからAIに渡す。
整形結果が冗長になる
プロンプトに「全体を箇条書きにしてください」と追加すると、段落形式より簡潔な出力になる。目的に応じて出力形式を指定する。
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よくある質問
経理の会議録をAIで整形するとき、数字の誤変換はどう防ぐ?
整形後は必ず元の音声や手書きメモと数字を突き合わせる。AIに「金額・日付・勘定科目は変更せず、表現だけ整えてください」と明示するとリスクを下げられる。
無料のAIツールで経理の文字起こし整形はできる?
ChatGPT(無料枠)やClaude.ai(無料枠)でテキスト整形は可能。ただし社外秘の数値を貼り付ける場合は、社内のデータ利用ポリシーを確認してから使う。
音声から直接テキスト化するには何を使う?
Whisper(OpenAI)やNotta、Googleドキュメントの音声入力などが使われている。文字起こし後のテキストをAIに渡して整形する流れが現時点では主流。
整形した議事録をそのまま共有してよい?
整形後でも事実確認は担当者が行う必要がある。特に決定事項・担当者名・金額は人の目で確認してから配布する。