事務・アシスタントのメール作成をAIで時短する方法
この記事の要点
AIを使えば、定型メールの下書きが30分から5分に短縮できます。ChatGPTやCopilotを活用したプロンプト例と、事務・アシスタント業務での実践手順を解説します。
結論
AIを使うと、これまで1通あたり15〜30分かかっていたメール下書きが5分以内で完成します。用件・宛先・トーンをプロンプトに箇条書きで渡すだけで、日本語の敬語に対応した文面が出力されます。出力結果を事実確認してから送れば、1日に何十通も書く事務・アシスタント業務の文字起こし時間を大幅に削減できます。
どのAIツールを使うか
業務用メール作成で実績のあるツールは主に3つです。
| ツール | 特徴 | 向いているシーン |
|---|---|---|
| ChatGPT(GPT-4o) | 日本語の自然さが高い。会話形式で修正を繰り返せる | 文面の調整・複数パターン生成 |
| Microsoft 365 Copilot | OutlookやWordと連携。返信候補を自動生成 | 社内でMicrosoft環境を使っている場合 |
| Google Gemini | GmailやGoogle Workspaceと連携 | Gmail中心の業務環境 |
社内でMicrosoft 365を使っている場合、Copilotがメール本文に直接提案を出してくれるため最も効率が高いです。ライセンスがなければChatGPTのWebアプリを別タブで開いて使う方法が現実的です。
手順:メール下書きをAIで作る
ステップ1:用件を箇条書きにする
メールを書く前に、自分が伝えたい情報を箇条書きにします。これがプロンプトの核になります。
- 宛先(○○部長、取引先担当者など)
- 関係性(社内上司、社外クライアントなど)
- 用件(会議日程の打診、資料送付、お礼など)
- 必要な情報(日時・場所・ファイル名など)
- トーン(丁寧・簡潔・お詫び含みなど)
ステップ2:プロンプトを入力する
下記はコピーして使えるプロンプト例です。
以下の条件でビジネスメールの本文を書いてください。
宛先: 取引先の担当者(社外)
関係性: 継続取引中のメーカー営業担当者
用件: 来週の打ち合わせの日程候補を3つ提示し、都合のよい日を選んでもらう
候補日時:
- 6月10日(火)14:00〜15:00
- 6月11日(水)10:00〜11:00
- 6月12日(木)15:00〜16:00
場所: オンライン(ZoomのURLは後日送付)
トーン: 丁寧・簡潔
件名も含めて出力してください。
このプロンプトを入力すると、件名・冒頭の挨拶・本文・締めの一文が整ったかたちで出力されます。
ステップ3:確認と修正
出力されたメールを必ず次の観点で確認します。
- 宛先の会社名・役職・氏名が正確か
- 日時・場所・ファイル名に誤りがないか
- 自社の署名ルールに合っているか
- 言い回しが自社の文化・業界慣習に合っているか
修正が必要なら「3段落目を短くしてください」「もう少しお詫びの色を出してください」とチャットで追加指示します。
具体例1:社内への稟議申請メール
経費申請・備品購入など社内向けの文書でも同じ手順が使えます。
社内向けの稟議申請メールを書いてください。
宛先: 総務部長(社内・目上)
用件: コピー用紙500枚×10箱の追加購入申請
理由: 月末に印刷物の需要が増える繁忙期のため在庫が不足している
金額: 約12,000円(1箱1,200円)
添付: 発注書(別途添付)
依頼内容: 承認をもらいたい
300字以内で簡潔に書いてください。
社内メールは社外メールより短く、要点だけ伝える文体が好まれます。「300字以内」のように文字数を指定すると出力が締まります。
具体例2:お詫びメールのひな型
納品遅延や手配ミスが発生したとき、焦ると文面が乱れます。あらかじめAIで複数のお詫びテンプレートを作成しておくと、緊急時に修正するだけで送れます。
取引先へのお詫びメールのひな型を作成してください。
状況: 発注確認の漏れにより、納品が当初予定より3日遅れた
宛先: 社外の発注担当者
内容に含めること:
- 遅延の事実と原因の説明(具体的な原因は[ ]で空欄にしてください)
- 再発防止策(具体的な内容は[ ]で空欄にしてください)
- 改めての納品予定日([ ]で空欄にしてください)
トーン: 誠実・丁寧
ひな型として使えるよう、数字・固有名詞は[ ]の形で空欄にして出力してください。
空欄を設けることで、後から状況に合わせて埋めるだけで使えるテンプレートになります。
よくうまくいかないケース
出力が長すぎる
「400字以内で書いてください」「件名と本文3段落だけにしてください」と文字数・段落数を指定します。
敬語が固すぎる・柔らかすぎる
「もう少し柔らかい表現に直してください」「社外向けの改まった文体にしてください」と追加指示を入れます。
業界特有の言い回しが出てこない
よく使う自社フレーズを最初から明示します。たとえば「当社では担当者のことを『ご担当者様』ではなく『ご担当様』と表記します」のように、ルールをプロンプトに含めると出力が安定します。
同じ表現が何度も繰り返される
「同じ言葉の繰り返しを避けてください」と一言追加するか、繰り返しが気になる箇所を「ここを別の言い方にしてください」と具体的に指示します。
時短効果を積み上げるコツ
1回のメール作成で15分の短縮でも、1日10通書けば150分の節約になります。さらに効率を上げるには、AIで作った文面のうち完成度が高かったものをテンプレートとしてフォルダに保存しておくことです。次回は保存したテンプレートをプロンプトに貼り付けて「このトーンで新しいメールを書いてください」と指示するだけで、さらに修正コストが下がります。
議事録をAIで書く方法は事務・アシスタントの議事録をAIで自動作成する手順を参照してください。メールの返信に絞った時短手順は事務・アシスタントのメール返信をAIで速くする方法で詳しく紹介しています。
よくある質問
AIで作ったメールをそのまま送ってもいいですか?
そのまま送るのは避けてください。AIの出力には誤字・敬称の誤り・事実誤認が含まれることがあります。必ず宛先・日時・金額などの数字を人間が確認してから送信してください。
無料ツールで使えますか?
ChatGPT(無料版)、Microsoft CopilotのWebアプリ版、Google GeminiのWebアプリ版は無料で利用できます。ただし入力できるトークン数や機能に制限があるため、業務量が多い場合は有料プランの導入を検討してください。
社内の機密情報をAIに入力しても問題ありませんか?
勤務先のAI利用ポリシーに従ってください。個人名・顧客情報・財務数値などは、社内承認を得た環境または社内導入済みのツールのみで入力するのが原則です。
AIが書いた敬語は正しいですか?
日本語の敬語はAIも高い精度で出力しますが、業界や企業文化によって微妙にニュアンスが異なります。初回は必ず上長や先輩に確認し、自社に合う表現に直してテンプレートとして保存しておくと、次回以降の修正コストが下がります。