職種別AI仕事術

事務・アシスタントの提案書をAIでつくる進め方

事務・アシスタントの提案書をAIでつくる進め方

この記事の要点

提案書の構成案から本文まで、AIを使えば1〜2時間の作業が30分以内に圧縮できます。事務・アシスタントが上司の依頼に応えるための具体的な手順とプロンプト例を解説します。

結論

提案書の作成で最も時間がかかるのは「どう書くか」を考える段階です。AIに目的・対象・要点を箇条書きで渡せば、構成案と本文のたたき台が20〜30分で出てきます。その後は数値確認と社内ルールへの調整だけで完成します。


提案書作成でAIが担える部分

AIが得意なこととそうでないことを最初に整理しておきます。

AIが担える部分人間が担う部分
提案書の構成案の生成根拠となる数値・データの準備
本文の言い回しと段落整理事実確認・固有名詞の正確さの検証
表現の調整(固すぎる・柔らかすぎる)上長・承認者の意向を反映させる判断
論理の流れの整理最終的な承認判断

AIが出力した提案書の数値・固有名詞・事例は、必ず人間が確認してから使います。


手順:AIで提案書を作る

ステップ1:提案の目的と読み手を決める

提案書を書き始める前に、次の情報を整理します。

  • 誰に向けた提案か(社内上長・取引先・新規見込み客など)
  • 提案の目的(新しい施策の承認・予算申請・サービス導入検討など)
  • 伝えるべき主要な点(3〜5点)
  • 使えるデータ・数値・実績

この整理をプロンプトに含めると、AIの出力が具体的になります。

ステップ2:構成案を先に作る

提案書全体の構成を先にAIに作らせてから、セクションごとに本文を書かせると修正がしやすくなります。

社内向け提案書の構成案を作成してください。

提案の概要: 部門内の書類管理をクラウドストレージに移行する提案
提案の目的: 紙書類の保管コスト削減と検索効率の向上
提案先: 部門長(管理部長)
主要な論点:
  - 現状の課題(保管コスト・検索時間)
  - 移行後のメリット(コスト削減額は[ ]のため空欄)
  - 導入スケジュール案
  - リスクと対策

構成案として、各セクションのタイトルと50字以内の説明だけを出力してください。
本文はまだ書かないでください。

構成案を確認してから本文を依頼することで、方向性のズレを早い段階で修正できます。

ステップ3:セクションごとに本文を作る

構成案が承認されたら、セクションごとに本文を依頼します。

先ほどの構成案の「2. 現状の課題」セクションを書いてください。

盛り込む内容:
- 紙書類の保管に月額3万円のレンタルスペース費用がかかっている
- 書類検索に1回あたり平均15分かかっている(部門内調査より)
- 書類の紛失が年3件発生している(直近3年の実績)

文体: 社内文書・です/ます調
文字数: 300字以内

具体例1:社外向けサービス提案書

取引先に新しいサービスを提案するケースです。具体的な会社名・金額はダミーで生成させ、後から差し替えます。

社外向けのサービス提案書の本文を作成してください。

提案先: 製造業の中小企業(従業員数50〜100名を想定)
提案内容: 当社の在庫管理システムの導入
読み手: 先方の経営者または総務担当者

含める内容:
- 在庫管理における課題(紙・Excelでの管理の非効率)
- 当社システムの特徴(3点:リアルタイム在庫確認・発注自動化・コスト可視化)
- 導入後の効果(数値は[ ]で空欄にする)
- 次のステップ(無料デモのご案内)

文体: 社外・丁寧・読みやすい
各セクション200字以内で構成してください。

空欄を設けることで、実際の数値が出そろったあとに差し込むだけで完成します。


具体例2:稟議書・社内申請書

稟議書は構成が決まっているため、AIの活用で最も効率が上がる書類の一つです。

社内稟議書を作成してください。

申請内容: ChatGPTの法人プラン契約(月額20ドル×5アカウント)
申請理由:
- メール・資料作成の作業時間を削減する
- 現状1人あたり月40時間の文書作業を25時間に削減見込み(目標値)
- 競合他社でも導入が進んでいる(具体名は[要確認]のため空欄)
費用: 月額約14,500円(1ドル145円換算)
申請先: 総務部長

稟議書の標準フォーマット(件名・目的・背景・効果・費用・リスク・申請内容)で出力してください。

うまくいかない場合

提案書が長くなりすぎる

「A4・1枚以内に収まる分量で書いてください」「各セクション最大150字に制限してください」と明示します。読む側が短い書類を求めている場合は、先にページ数の制約を伝えてからAIに依頼します。

内容が抽象的で具体性がない

プロンプトに具体的な数値・実績を含めることが根本的な解決策です。数値がない場合は「数値は[ ]で空欄にしてください」と指定し、後から実データを差し込みます。

表現が堅すぎる・柔らかすぎる

「もう少し簡潔で読みやすい文体に変えてください」「承認を意識した説得力のある文体に修正してください」とフィードバックすると、トーンの微調整ができます。


提案書の完成度を上げるポイント

AIのたたき台をそのまま出すのではなく、自社の過去の承認事例・上長の好むフォーマット・業界の言い回しを1〜2箇所追加するだけで、読み手に「自分たちの言葉で書かれている」と感じさせる提案書になります。AIへの指示文に「当社では〜という表現をよく使います」と追記するだけで出力が変わります。

報告書の作成手順は事務・アシスタントの報告書をAIで書く手順で、スライド化の方法は事務・アシスタントの資料・スライドをAIで仕上げる方法で詳しく紹介しています。

よくある質問

提案書の内容はAIが考えてくれますか?

構成・言い回し・論理の流れはAIが生成しますが、数値・根拠・承認実績などの事実情報は人間が用意する必要があります。AIは構造化と文章化を担い、中身の正確さは自分で確認してください。

社外向けと社内向けで作り方は変わりますか?

プロンプトに「社外向け・取引先への提案」「社内向け・上長への稟議」と明示するだけで文体とフォーマットが変わります。社外向けはメリットを前面に、社内向けはコスト・効果・リスクを明記する構成がAIの出力でも反映されます。

提案書の数値はAIが作った値を使えますか?

使えません。AIが生成する数値(コスト削減額・工数・効果予測など)は、実際のデータに基づいていない推測です。必ず自社のデータや公式情報に差し替えてから使用してください。