求人票をAIで作成する方法
この記事の要点
採用要件を箇条書きで渡すだけで、ChatGPTやClaudeが求人票の下書きを数分で生成する。人事担当者向けに、プロンプト設計から媒体別の調整手順まで解説。
結論
採用要件を箇条書きで渡すと、AIが求人票の下書きを3分以内に生成します。ゼロから書く必要はなく、担当者の作業は「要件の整理」と「生成後の事実確認」だけになります。1職種あたりの求人票作成時間が2時間から30分以内に短縮できます。
人事担当者が求人票作成で直面する課題
求人票の作成は見た目以上に時間がかかります。業務内容・必須スキル・歓迎スキル・給与・勤務条件・職場環境・会社の魅力と、記載すべき項目が多く、媒体ごとに文字数制限やフォーマットが異なります。さらに、同じ職種でも「20代向け」と「30代以上向け」では訴求ポイントが変わるため、複数パターンを用意する必要があります。
こうした作業をAIが代替できます。担当者が採用要件を整理するインプット作業と、出力を事実確認するチェック作業に集中できるようになります。
使うAIツール
ChatGPT(GPT-4o)またはClaudeを使います。どちらもブラウザから操作でき、長い出力を生成できます。求人票のように構造化されたテキストの生成は両ツールが得意とする作業です。
媒体が複数ある場合は、ひとつのベース求人票を生成してから媒体別に調整するフローが効率的です。Notionや社内のドキュメントツールと組み合わせて管理するとバージョン管理がしやすくなります。
手順
ステップ1:採用要件を箇条書きで整理する
AIへの入力前に、採用担当者が採用要件を箇条書きにまとめます。このステップをていねいにやるほど出力の質が上がります。
整理する項目:
- 職種名
- 業務内容(具体的なタスクを3〜5つ)
- 必須スキル・経験
- 歓迎スキル・経験
- 雇用形態
- 給与レンジ
- 勤務地・勤務時間・リモート可否
- 求める人物像(行動特性レベルで)
- 自社の特徴(競合と差別化できる点)
「求める人物像」は「コミュニケーション能力が高い人」のような抽象表現ではなく、「週1回の社内報告会で数字を使って5分以内に状況を伝えられる人」のように行動で書くと、AIの出力がより具体的になります。
ステップ2:AIへプロンプトを送る
以下のプロンプトを使います。「()」内に実際の情報を入れて送信します。
以下の採用要件をもとに、求人票の下書きを作成してください。
【職種名】(例:営業職 / 正社員)
【業務内容】
- (具体的なタスクを箇条書き)
【必須スキル】
- (箇条書き)
【歓迎スキル】
- (箇条書き)
【給与】(例:月給25万〜40万円、スキル・経験考慮)
【勤務地】(例:東京都渋谷区、週2日リモート可)
【求める人物像】
- (行動レベルで記述)
【自社の特徴】
- (3点以内)
以下の形式で出力してください。
1. 仕事の概要(150字以内)
2. 業務内容(箇条書き5〜7点)
3. 必須スキル(箇条書き)
4. 歓迎スキル(箇条書き)
5. 待遇・条件
6. 職場の特徴(200字以内)
7. 求める人物像(200字以内)
誇張表現は使わず、事実のみ記載してください。
ステップ3:出力を事実確認する
AIが生成した求人票を、次のチェックリストで確認します。
- 業務内容が実際の仕事と一致しているか
- 給与・勤務条件が会社の規定どおりか
- 必須スキルが本当に必須の内容か(ハードルが高すぎないか)
- 「活躍できる」「やりがいある環境」などの根拠のない表現が入っていないか
- 法律上問題のある表現(年齢・性別・国籍の指定など)が含まれていないか
採用担当者が事実確認して修正するまでは、AIの出力をそのまま掲載しないことが原則です。
ステップ4:媒体別に調整する
同じ要件でも、媒体ごとにフォーマットや文体を変えます。
先ほどの求人票をWantedly向けに書き直してください。
Wantedlyは「なぜやるか(会社のビジョン)」「何をやるか」「どうやってやるか(働き方)」の3軸で構成されます。
箇条書きより文章形式が好まれます。文字数は各セクション300字程度を目安にしてください。
IndeedやLinkedIn向けにも同様に調整できます。ベース求人票を一度作れば、媒体別への展開は1媒体あたり5分程度で済みます。
具体的な活用場面
中途採用で営業職を急募する場面を想定します。現場マネージャーから「すぐ採用したい」と依頼が来たが、要件が「コミュ力高い人」「前職で営業経験ある人」程度しか固まっていない状況です。
まず採用担当者がマネージャーにヒアリングし、具体的な業務タスクと環境を30分で引き出します。その情報をプロンプトに整理し、AIに送ると下書きが5分で出てきます。マネージャーに確認してもらい、修正は10分以内に済むことがほとんどです。従来は担当者が1〜2時間かけてゼロから書いていた作業が、半日で複数媒体向けの求人票が揃います。
新卒採用でも同様です。毎年似たような求人票を書く作業があります。前年の求人票を「これをベースに今年の採用テーマを反映してください」とAIに渡すだけで、更新作業が大幅に短縮できます。面接の質問設計にAIを活用する方法は面接質問をAIで設計する方法で詳しく解説しています。
複数ポジションを一度に作る方法
採用が複数ポジション同時進行する場合、ポジションごとに採用要件表を作り、一度のプロンプトでまとめて下書きを依頼できます。
以下の3職種について、それぞれ求人票の下書きを作成してください。
各職種の要件は次のとおりです。
【職種1:マーケティング担当】
(要件を記入)
【職種2:カスタマーサクセス担当】
(要件を記入)
【職種3:バックオフィス担当】
(要件を記入)
出力形式は各職種同じフォーマットで、職種ごとに区切ってください。
ただし長い出力は途中で切れることがあります。職種数が多い場合は2〜3職種ずつ分割して送る方が確実です。
うまくいかない場合のポイント
出力が抽象的すぎる場合: プロンプトの「業務内容」が抽象的だと出力も抽象的になります。「新規顧客開拓」ではなく「テレアポ・展示会・紹介からリードを獲得し、提案〜クロージングまで担当。月間10件の新規商談を目標」のように具体的に書き直してください。
出力が長すぎて媒体の文字制限に収まらない場合: 「〇〇媒体の業務内容欄は500字以内です。文字数を守って書き直してください」と追加指示を送ります。
毎回似たような出力になる場合: プロンプトに「競合他社と差別化できる表現を使ってください」「入社後の成長イメージが伝わる表現にしてください」などの条件を加えると変化がつきます。
候補者に送るスカウト文の作成についてはスカウト文をAIで作る方法もあわせて参照してください。
まとめ
求人票のAI作成は、採用要件の整理と事実確認という本質的な作業に集中するための手段です。AIが担うのは「要件を整った文章に変換する」部分だけです。採用要件が正確に整理されているほど出力の精度が上がり、修正作業も減ります。まずは今週募集中の1ポジションで試してみてください。
よくある質問
AIで作った求人票は媒体に掲載していいですか?
AIの出力はあくまで下書きです。掲載前に採用担当者が事実確認し、実際の業務内容・給与・条件と合っているかを必ず確認してください。誤情報があると応募者とのミスマッチや法的問題につながります。
求人票の媒体によって書き方は変えますか?
変える必要があります。Indeed・Wantedly・LinkedIn・ハローワークではフォーマットや文体が異なります。AIへのプロンプトに「〇〇媒体向け」と明記するか、生成後に媒体ごとに調整するステップを設けてください。
採用要件が固まっていない段階でもAIを使えますか?
使えます。業務内容だけ伝え、「よくある営業職の要件例を3パターン出してください」と依頼すると叩き台が得られます。社内で確認しながら要件を固めるたたき台として使う方法も有効です。
AIが生成した求人票に含まれる誇張表現はどう防ぎますか?
プロンプトに「誇張せず事実のみ記載」と明示し、生成後に業務内容・待遇・環境について実態と照合してください。「活躍できる」「やりがいがある」などの抽象表現は削り、具体的な業務に置き換えます。