職種別AI仕事術

法務のフォローアップ連絡をAIで作る方法

法務のフォローアップ連絡をAIで作る方法

この記事の要点

法務担当者がAIを使って契約書の返答催促・審査結果の通知・社内相談へのフォローアップ連絡を効率化する手順を解説。プロンプト例付きで場面別の活用法を説明します。

結論

法務のフォローアップ連絡は、AIを使えば契約書の返答催促から審査完了の通知まで、草稿を2〜3分で作れます。特にトーンの調整が難しい催促メールは、状況と関係性をプロンプトに書くだけで、相手への配慮と要件の明確さを両立した文章が出てきます。


使うAIツール

法務のフォローアップ連絡作成に向いているツールは以下のとおりです。

ツール特徴向いている場面
ChatGPT(GPT-4o)汎用性が高く文体の調整が得意社外向け催促メールの草稿
Claude(claude.ai)条件の遵守と長文の一貫性が安定複数の条件がある通知メール
Microsoft CopilotOutlookに統合されているOutlookで直接フォローアップ文を生成
Google GeminiGmailに統合されているGmailからの返信案生成

機密性の高い案件情報を含む場合は、企業が契約するビジネスプランを使い、学習利用が除外されていることを確認してください。


手順:法務のフォローアップ連絡をAIで作成する

ステップ1 フォローアップの目的とトーンを決める

法務のフォローアップ連絡は大きく3種類あります。

  1. 催促・確認:返答が来ない取引先や社内部署への対応を求める連絡
  2. 審査完了の通知:契約書レビューが終わり、結果と次のステップを伝える連絡
  3. 状況確認:交渉中の案件や社内検討中の事項について進捗を聞く連絡

目的が決まったら、トーンを決めます。催促の場合は催促の段階(初回・2回目・最終)と相手との関係性がトーンに影響します。

ステップ2 プロンプトを書く

あなたは法務部門のビジネスメール作成を支援するアシスタントです。

以下の条件でフォローアップメールを作成してください。

【目的】
こちらが修正コメントを送った契約書ドラフトについて、相手方からの返答が来ておらず、確認のために連絡する

【状況】
- 修正コメントを送ったのは10営業日前
- 相手方とは以前にも取引があり、関係は良好
- 今月末に契約を締結する予定がある
- これは初回のフォローアップ

【送り先】
株式会社○○ 法務部 ○○様

【含める内容】
- 修正コメントを送った日付を明記する
- 返答の目安として今週末(6月7日)をお願いする
- 急かしているわけではなく、スケジュールを確認したいという趣旨であることを示す

【文体・条件】
- 丁寧かつ簡潔に
- 件名も含める
- 本文は200字以内

ステップ3 出力を確認・修正して送信する

AIが返した文章を次の点で確認します。

  1. 日付と期限が正確かカレンダーで確認する
  2. 相手の社名・担当者名に誤りがないか確認する
  3. トーンが状況に合っているか(急かしすぎていないか、または弱すぎないか)読み直す
  4. 必要であれば一文を修正して送信する

特に催促メールは、生成されたトーンが意図と異なることがあります。「この表現では少し強すぎます。もう少し柔らかく書き直してください」と追加指示することで調整できます。


法務固有の活用例

活用例1:契約書審査完了の通知と修正依頼

事業部から依頼された契約書のレビューが完了し、修正点を伝える連絡です。法的な問題点を分かりやすく伝えながら、次に何をしてほしいかを明確にする必要があります。

以下の条件で、法務審査完了の通知メールを作成してください。

【状況】
営業部から受け取った業務委託契約書ドラフトのレビューが完了した。

【審査結果】
- 全体的な構成は問題ない
- 修正が必要な箇所が2か所ある
  - 第8条(損害賠償):責任範囲が広すぎる。修正案を別紙に記載した
  - 第12条(準拠法):相手方が外国法人のため、日本法と仲裁条項の追加を要求する
- 修正版ドラフトを添付ファイルで送る

【依頼内容】
営業部が修正版を確認した上で先方に送り返してほしい。不明点は法務部に連絡してほしい。

【送り先】
営業部○○さん(社内)

【文体・条件】
- 社内向けのため丁寧だが堅苦しくない文体
- 件名も含める
- 修正箇所は箇条書きで示す
- 本文は300字以内

法的な問題点を専門用語をなるべく使わずに説明するという指示を入れると、事業部担当者が読んで理解できる文章になります。

活用例2:長期間返答がない場合の2回目催促

初回催促から2週間経っても返答がない場合は、より明確に期限を示す必要があります。しかし、相手との関係を壊さないよう配慮も必要です。

以下の条件で2回目の催促メールを作成してください。

【状況】
- 修正コメントを送ってから3週間が経過
- 10日前に初回の確認メールを送ったが、返答なし
- 相手方とは継続的な取引関係がある
- 契約開始予定日まで2週間しかない

【含める内容】
- 前回の連絡日を明記する
- 今回は期限を6月10日と明示する
- 期限を過ぎる場合は契約開始日の調整が必要になる可能性があると伝える
- 何か問題があれば連絡してほしい旨を付け加える

【文体・条件】
- 初回より若干フォーマルなトーンに上げる
- ただし責める口調にはしない
- 件名も含める
- 本文は250字以内

催促の段階を「初回より若干フォーマルに上げる」と表現することで、AIが段階的なトーン調整をしてくれます。


うまくいかない場合の対処

問題1:催促メールが強すぎる・弱すぎる

トーンの加減が意図と異なる文章が出てくることがあります。

対処:生成後に「このメールのトーンを少し柔らかくしてください」または「もう少し明確に期限を強調してください」と追加指示をします。あるいはプロンプトの段階で「初回催促・友好的な関係・急いでいるがプレッシャーをかけたくない」といった具体的な状況説明を増やすと初稿の精度が上がります。

問題2:審査結果の通知に法律用語が多すぎる

事業部向けの連絡なのに、法律用語が多くて相手に伝わりにくい文章になることがあります。

対処:プロンプトに「法律の専門知識がない担当者が読んでも理解できる言葉で書いてください」と追加します。専門用語を使う必要がある場合は「用語の解説を付けてください」と指示すると、末尾に用語集を付けてくれます。

問題3:フォローアップを忘れる

案件が複数になると、どの案件のフォローアップがいつ必要かを管理するのが難しくなります。

対処:AIを使って催促メールを作る際に「このフォローアップの次の催促が必要になる場合は、何営業日後に行うべきですか?また次の催促メールの件名例も出してください」と追加質問をすることで、次のアクションの目安を確認できます。Excelやスプレッドシートにフォローアップ期限を記録する習慣と組み合わせると管理しやすくなります。

問題4:状況説明が長くなりすぎる

背景を全部書こうとするとプロンプトが長文になり、出力の焦点が散漫になることがあります。

対処:フォローアップメールに関係するのは「目的・相手・期限・トーン」の4点だけです。案件の詳細な経緯はプロンプトに書く必要がありません。必要な情報を絞って書くことで、出力の精度も上がります。


関連記事

法務の他の業務にAIを活用する方法は以下の記事も参考にしてください。

よくある質問

法務のフォローアップ連絡にAIを使うとどれくらい時短できますか?

返答催促メールや審査完了の通知メールは、1通あたり10〜15分かかっていたものが2〜3分で草稿ができます。特に催促メールはトーンの加減が難しく、AIに状況と希望のトーンを伝えるだけで相手への印象を保ちながら要件を伝える文章が生成されます。

催促メールで相手との関係を壊さない文章はAIで作れますか?

作れます。プロンプトに「初回催促」「関係は良好」「急いでいるが責める意図はない」といった状況とトーンの条件を明示することで、丁寧さと要件の明確さを両立した文章が出てきます。催促の段階(初回・2回目・最終)を明示するとトーンが自動的に調整されます。

社内部署へのフォローアップと社外取引先へのフォローアップで書き方は違いますか?

違います。社内向けは敬語を軽くしてアクションを明確に、社外向けは丁寧さを保ちながら期限を明示するという違いがあります。プロンプトに「社内向け」または「社外の取引先向け」と明示することで、文体が自動的に変わります。

弁護士から意見書が届いた後、その内容を踏まえて事業部に連絡するメールはAIで作れますか?

作れます。弁護士の意見書の要点とそれに基づいて事業部に何をしてもらいたいかをプロンプトに書くと、法的判断の根拠を示しながら事業部への依頼を伝える文章が生成されます。ただし弁護士の意見書の内容は機密情報のため、ビジネスプランで学習利用が除外されているツールを使ってください。