経営企画の会議準備をAIで段取りする方法
この記事の要点
経営企画担当者が月次経営会議・取締役会の準備をAIで効率化する方法を解説。アジェンダ作成から役員向け資料の構成設計まで、プロンプト例付きで紹介。
結論:経営会議の準備は「定型×繰り返し」の構造を持ち、AIで最も効果が出やすい業務の一つだ
月次経営会議の準備は、アジェンダ作成・資料収集・配布物整理・会場手配・議事録テンプレート準備と多岐にわたる。週1回以上の会議を複数抱える経営企画担当者にとって、この準備作業だけで1〜2日消えることがある。
AIを使うと、定型化できる部分(アジェンダの骨格・資料の構成案・議事録のフォーマット生成)が大幅に短縮される。毎月同じ構成で繰り返す会議であれば、初回にプロンプトテンプレートを作るだけで翌月以降の作業が20〜30分単位で削れる。
使うAIツール
- ChatGPT(GPT-4o) または Claude(claude.ai): アジェンダ構成・資料の骨格作成・議事録整理に使う
- Notion AI: Notionで会議管理をしている場合は、ページ内でそのまま会議ノートを生成できる
- Microsoft Copilot(Teams統合): Teamsで会議録画・自動文字起こしをしている場合は、会議後の要約生成に使える
いずれも最新のプランや機能は公式で確認してほしい。
手順:会議準備の3フェーズをAIで段取りする
フェーズ1:会議前の準備(3〜5日前)
アジェンダの作成
月次経営会議のアジェンダは毎月ほぼ同じ構成になる。一度フォーマットをAIに作らせ、テンプレートとして保存しておく。
月次経営会議のアジェンダを作成してください。
【会議概要】
- 名称:月次経営会議
- 参加者:社長、CFO、各事業部長(計8名)
- 時間:90分
- 頻度:毎月第3水曜日
【固定アジェンダ項目】
1. 前月議事録の確認(5分)
2. 月次業績報告(売上・利益・主要KPI)(20分)
3. 各事業部進捗報告(各5分×4部門)(20分)
4. 重点課題の審議(状況に応じて1〜2テーマ)(30分)
5. 次月予定・アクションアイテム確認(10分)
6. その他・連絡事項(5分)
上記をもとに、毎月使い回せるアジェンダテンプレートを作成してください。
審議テーマは【◯◯を記入】のように空欄にしてください。
資料収集・整理の段取り
各部門から資料が提出される前に、「何を・誰が・いつまでに提出するか」をリスト化して依頼する。このリスト作成にもAIが使える。
月次経営会議(6月18日開催)に向けた資料収集の依頼メールと
収集管理リストを作成してください。
収集する資料:
- 各事業部の月次業績レポート(4部門)
- 財務部のP&L実績サマリー
- マーケティング部のKPIダッシュボード
- 担当役員コメント(重点課題テーマ:DX推進の進捗について)
締め切り:6月15日(月)17:00
提出先:経営企画部の共有フォルダ(SharePoint)
依頼メールと収集管理表(提出物・担当部署・期限・提出状況の列)を両方出力してください。
フェーズ2:資料の整理・役員向け構成設計(2〜3日前)
業績資料のエグゼクティブサマリー作成
各部門から集まった資料を役員が短時間で把握できる「エグゼクティブサマリー」に整理する作業は、経営企画の核心的な業務だ。AIに数値と概要を渡し、役員向けの読み方を整理させる。
以下の月次業績データをもとに、役員向けエグゼクティブサマリーを作成してください。
【5月度 全社業績】
- 売上高:8.2億円(計画比 +2%、前年比 +8%)
- 営業利益:0.9億円(計画比 -8%、前年比 +5%)
- 事業別:A事業 計画超過、B事業 計画未達(利益率 -3pt)
【重点課題】
- B事業の利益率低下が2ヶ月連続。原価増が主因
- DX推進プロジェクト:フェーズ1完了、フェーズ2移行承認を会議で依頼予定
【形式要件】
- 全体で1ページ以内(スライド1枚分)
- 冒頭に「今月の要点(3行以内)」を入れる
- 数値は表形式でまとめる
- 課題と推奨アクションを明確に分ける
審議資料の構成案作成
新規テーマを会議に諮る際、資料の構成がまとまらないまま当日を迎えるケースがある。AIに「この議題を役員に審議してもらうための資料の目次」を作らせると、論点整理が早くなる。
取締役会で「国内新規事業への参入可否」を審議するための
資料構成(目次)を作成してください。
審議に必要な論点:
- 市場規模と成長性
- 競合の状況
- 自社の参入優位性
- 投資額・回収シナリオ(楽観/悲観)
- 意思決定のタイムライン
資料は30分の審議時間に収まる量を想定してください。
各スライドのタイトルと、そのスライドで伝えるべき要点を1〜2行で示してください。
スライド数の目安:8〜12枚
フェーズ3:会議後の処理(当日〜翌日)
議事録の生成
会議の内容を文字起こしした素材(Teamsの自動文字起こし、手書きメモ等)をAIに渡し、議事録を整形させる。
以下の会議メモをもとに、役員向けの議事録を作成してください。
【会議名】月次経営会議(2026年6月18日)
【参加者】社長、CFO、事業部長A・B・C・D
以下は会議中のメモです。時系列のまま書いてあります。
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(会議中のメモ・文字起こし結果をここに貼り付ける)
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以下の形式で整理してください:
1. 決定事項(箇条書き)
2. アクションアイテム(担当者・期限付き)
3. 次回持ち越し事項
4. 主な議論の要点(テーマ別)
不明な箇所は【要確認】と記載してください。
具体例1:取締役会の事前準備チェックリスト作成
四半期ごとに開催する取締役会は、月次経営会議より高い準備品質が求められる。取締役への事前資料配布、法的確認事項、当日のタイムマネジメントなど、チェック項目が多い。
AIにチェックリストを作らせ、それを毎回使いまわすことで抜け漏れを防げる。
四半期取締役会の準備チェックリストを作成してください。
開催:年4回(6月、9月、12月、3月)
準備期間:開催3週間前から
チェックリストに含めたい項目:
- 資料の収集・作成スケジュール
- 法務・監査部門との確認事項
- 取締役への事前配布(何日前に・何を)
- 当日の会場・機材確認
- 議事録の作成・保管フロー
形式:時系列(D-21, D-14, D-7, D-3, 当日)で整理してください
社内固有の情報が必要な箇所は【要確認】としてください
具体例2:重点課題の論点整理
経営会議で審議する重点課題は、事前に「何を決めるための会議か」を整理しておくと議論が発散しない。このフレームワーク的な論点整理もAIに手伝わせられる。
経営会議で以下のテーマを審議します。
論点を整理し、会議で決めるべきことと情報共有で済む部分を分けてください。
テーマ:「2026年度第2四半期の予算修正について」
背景情報:
- Q1実績で利益が計画比-15%
- 為替変動による輸入コスト増が主因
- 下半期の回復施策(コスト削減・値上げ)について役員間で意見が分かれている
以下を整理してください:
1. この会議で意思決定が必要な論点(最大3点)
2. 意思決定に必要な情報が揃っているか(揃っていない場合は何が不足か)
3. 会議の進行案(時間配分)
うまくいかない場合のポイント
アジェンダが形式的になって実態の会議と合わない
AIが出力したアジェンダは「一般的な経営会議」を想定した標準形になる。自社の会議の特性(例:社長が数字より戦略の議論を好む、CFOが時間に厳しい)を一行プロンプトに追加すると、出力が実態に近くなる。
資料の構成案が既存フォーマットと違う
「自社ではエグゼクティブサマリーを最後ではなく最初に置く」「課題は論点→事実→提言の順が慣例」など、社内ルールをプロンプトに書き加える。1〜2行の情報でも大きく出力が変わる。
議事録が長すぎて役員が読まない
「決定事項とアクションアイテムのみ、合計1ページ以内にまとめてください」と制約を加える。役員が読む議事録は短いほど読まれる傾向があるため、詳細は別紙・別文書に分けるとよい。
関連記事
KPIのモニタリング方法と経営会議への報告体制を整えたい場合は経営企画のKPI策定・管理をAIで行う方法が参考になる。経営会議資料の作成全般については経営企画の役員向けボードドキュメント作成をAIで行う方法で詳しく扱っている。会議後のフォローアップ連絡は経営企画のフォローアップ連絡をAIで作る方法を参考にしてほしい。
よくある質問
経営会議の準備でAIが最も役立つのはどの作業ですか?
アジェンダの構成案作成、配布資料の要点整理、議事録の下書き生成の3つが特に時間を削減できます。経営会議は定型業務が多いため、一度プロンプトテンプレートを作ると毎月の工数を大幅に下げられます。
取締役会向けの資料準備にAIを使うのは適切ですか?
構成案・文章の下書き・要点整理の用途では使えます。数値・事実・意思決定の内容については必ず人が確認・責任を持つことが前提です。機密性の高い数値をAIに貼り付ける際は、社内のセキュリティポリシーに従ってください。
経営会議の議事録をAIで作るにはどうすればよいですか?
音声録音・文字起こしツールで議事録の素材を取得し、AIに「以下の内容を役員向けの議事録形式に整理してください」と渡す方法が実用的です。決定事項・アクションアイテム・次回持ち越し事項を明確に抽出させると使いやすい議事録になります。