広報のフォローアップ連絡をAIで作る方法
この記事の要点
取材後のお礼・掲載確認・プレスイベント後のフォローメールをAIで作ると、件数が多い繁忙期でも関係構築に欠かせない連絡が速く丁寧に送れる。広報向けの手順とプロンプト例を解説する。
結論
発表会後に30媒体に礼状を送る、取材後に掲載確認と補足資料の送付を同時にこなす、プレスツアーの参加者全員へのお礼を1日で完成させる——広報のフォローアップ連絡は件数が多く、タイミングが重なりやすい。AIを使うと、媒体ごとの文面を短時間で個別に作ることができ、一斉送信より丁寧な印象の連絡が速く送れる。
フォローアップの目的は「礼儀を守ること」と「次の取材機会につなげること」の2つだ。AIに目的と相手の属性を伝えることで、どちらの目的にも合った文面が作れる。
広報でフォローアップ連絡が必要な場面
| 場面 | フォローの目的 |
|---|---|
| 取材後のお礼 | 関係維持・次回のアプローチへの布石 |
| プレスリリース発信後の掲載確認 | 掲載状況の把握・未掲載媒体への追加情報提供 |
| プレスイベント・発表会後の礼状 | 参加へのお礼・未参加者へのフォロー資料送付 |
| 取材を断った際のフォロー | 関係を壊さない丁寧な断りと次回への誘い |
| 長期間連絡がない媒体へのアプローチ | 関係のリフレッシュと情報提供 |
使うAIツール
- ChatGPT(GPT-4o): お礼メール・フォローメールのような短い文書の生成が得意
- Claude: 複数のメディアへの個別文面を条件付きで一括生成するのに向いている
- Gmail・Outlookのアドイン型AI: メール作成画面から直接使える環境であれば素早い
フォローアップメールは外部送信のため、個人名・取材内容の詳細を含める場合は社内で承認されたツールを使う。
ステップ別:フォローアップ連絡を作る手順
ステップ1 取材後のお礼メールを作る
取材後24時間以内に送るお礼メールは、関係維持に直接効く。取材の内容に触れた具体性が、定型文との差を作る。
以下の条件で取材後のお礼メールを作成してください。
【取材の概要】
・媒体名:〇〇ビジネスウィーク
・担当記者:田中様(経済部)
・取材日時:本日2026年6月5日13:00〜14:30
・取材テーマ:弊社の新しい製品開発の背景と今後の展開
・取材対応者:弊社代表取締役社長
【メールに含める内容】
・取材いただいたことへのお礼
・取材時の特定の話題に触れた一文(例:「〇〇の話題についてご関心をいただきありがとうございました」)
・補足資料(製品の詳細仕様書・参考写真)を添付する旨
・掲載予定が確定した際に連絡をいただけるかのお願い
・今後も情報提供できる窓口である旨
【件名】本日の取材のお礼(件名に媒体名・記者名は入れない)
【トーン】丁寧かつ簡潔。お礼の定型文にならないよう、具体性を1か所入れる
【文字数】200字前後
ステップ2 プレス発表後の掲載フォローメールを作る
プレスリリース発信後、2〜3日経過しても掲載が確認できない媒体へ、掲載状況を確認するフォローメールを送る。
以下の条件でプレスリリース後の掲載フォローメールを作成してください。
【状況】
・発信から3日が経過
・対象:発信時にリリースを送ったが掲載が確認できていない媒体の担当者
・相手との関係:これまでに3〜4回取材いただいている継続的な関係
【メールに含める内容】
・先日送ったプレスリリースの件であることの明示(件名または冒頭)
・掲載を催促するのではなく、追加の情報提供(写真・補足データ)の申し出
・担当者や製品担当者へのインタビュー取材のオファー
・問い合わせ先の明示
【注意】「ご掲載いただけますでしょうか」という表現は避ける。情報提供のオファーを前に出す。
【文字数】150〜200字以内
ステップ3 プレスイベント後の礼状を複数媒体向けに作る
発表会・記者懇談会・プレスツアーの後、参加した複数媒体に個別の礼状を送る。媒体ごとに参加者の名前と取材テーマが異なる場合でも、AIを使えば個別文面を速く作れる。
以下の媒体ごとに個別の礼状を作成してください。
【共通情報】
・イベント名:〇〇新製品発表会(2026年7月3日開催)
・礼状の目的:ご参加へのお礼と次回接点のための情報提供の申し出
【媒体ごとの情報】
1. 〇〇経済新聞:田中様(経済部)。発表後に代表へ個別質問あり
2. ビジネス週刊誌〇〇:山田様(テック担当)。製品デモを熱心に体験していた
3. WEBメディア〇〇:鈴木様(ライター)。翌日の取材の約束をした
各媒体の状況を反映した一文を加えた上で礼状を作成してください。
【トーン】丁寧・簡潔(各200字以内)
ステップ4 取材を断る際のフォローメールを作る
取材を受けられない場合でも、関係を維持するための丁寧な断りメールが必要だ。
以下の条件で取材を断るメールを作成してください。
【断る理由】
・スポークスパーソンのスケジュールが埋まっており、今月中の対応が難しい
・案件の性格上、現時点でコメントできる立場にない(詳細は書かない)
【代替の提案】
・別の日程(翌月以降)でのインタビューを提案する
・担当製品の資料を送付する形での情報提供を申し出る
【相手との関係】初めてアプローチしてきたフリーライター。将来的な関係構築を重視したい
【トーン】丁寧で誠実。謝罪的になりすぎず、前向きな次のステップを示す
【文字数】150〜200字以内
広報固有の場面:2つの具体例
例1 新製品発表後に20媒体への礼状を1時間で完成させる
発表会当日の夜、翌朝9時までに参加媒体20社への礼状を送る必要がある。媒体ごとに取材テーマや担当者との関係性が異なるため、一斉送信は避けたい。
以下の媒体リストに基づき、各媒体への礼状の文面を作成してください。
【共通の礼状の骨格】
・本日の発表会への参加へのお礼
・製品資料(添付)のご活用のお願い
・追加取材・問い合わせの受付の案内
【媒体ごとの情報】
媒体名・担当者名・参加時の特記事項(以下に箇条書きで入力する)
1. 〇〇新聞・佐藤様:製品デモで代表に直接質問
2. ××マガジン・加藤様:来場直後に早退(デモは未参加)
3. △△ビジネス・渡辺様:2年ぶりの再会
(以下続く)
【出力形式】媒体ごとに件名と本文をセットで出力。各200字以内。
取材状況の違いを1行入力するだけで、20通の個別文面が一気に作れる。出力後は送信前に各文面を1件ずつ確認し、問題がなければ個別送信する。
例2 掲載された記事へのお礼と次の情報提供申し出
自社のプレスリリースをもとにした記事が掲載された際に、感謝とともに次の情報提供のオファーを含めたフォロー連絡を送る。掲載へのお礼だけでなく、次の取材機会につながる文面が重要だ。
以下の条件で掲載後のフォロー連絡を作成してください。
【状況】
・掲載媒体:IT専門WEBメディア
・掲載記事の概要:新サービスの特徴を正確に伝えた好意的な記事
・記者との関係:過去3回取材実績あり
【メールに含める内容】
・掲載へのお礼(具体的な記事のタイトルに触れる形で)
・次回の情報提供の申し出(次のリリースや取材の機会があれば優先的に案内する旨)
・担当者の連絡先と対応可能な時間帯の案内
【件名】〇〇の記事掲載のお礼(記事名に相当する部分はプレースホルダーで)
【トーン】感謝を具体的に表現しつつ、次への布石になる文面
【文字数】180字前後
うまくいかない場合のポイント
文面が定型的すぎて記憶に残らない
「取材中の特定のやりとりに触れた一文を入れてほしい」と指定する。「製品デモを体験された際の反応に触れた表現」「質疑応答で出た話題について一言添える」のように具体性を追加する指示で、定型感が薄れる。
フォローメールの件数が多くて追跡できない
フォローメールの送付状況を管理するための簡単なトラッカーをAIに作らせると便利だ。「媒体名・担当者名・送付日・掲載確認日・次のアクション」の5列のスプレッドシート形式を出力させ、そのまま貼り付けて使える。
「また連絡します」と言ったのに内容が浮かばない
「この記者に連絡するきっかけになる情報提供のアイデアを出してほしい。相手の専門領域は〇〇、最近書いていたテーマは〇〇」と背景情報を入力すると、具体的なネタの提案が出てくる。AIが提案したネタをベースにフォロー連絡の文面を作ることができる。
お礼メールを送ったのに記事が批判的だった
掲載内容の確認前にお礼を送ることのリスクがある。対応として「掲載記事を確認した上でお礼を送る」手順をルールにしておくと、批判的な記事への対応と感謝が混同するトラブルを防げる。
フォローアップの管理方法
フォローアップ連絡は「送っておしまい」にすると、媒体との関係状況が把握できなくなる。以下の管理方法を組み合わせると追跡しやすい。
| 管理項目 | 方法 |
|---|---|
| 送付日と返信状況 | スプレッドシートまたはNotionで媒体ごとに記録 |
| 掲載確認 | 発信後1週間以内にGoogleアラートまたは手動で確認 |
| 次のアクション | フォロー後に「次はいつ・何を送るか」を決めてカレンダーに登録 |
取材後の記事内容の確認が終わったら、広報の会議準備をAIで段取りする方法を参照して次の取材準備に入ると、メディア対応のサイクルが途切れない。プレスリリース配信後のメディア対応の全体像は広報のメディア対応をAIで効率化する方法にまとめている。
よくある質問
取材後のお礼メールは何時間以内に送るのが望ましいですか?
当日か翌日中が目安です。取材の印象が記者の手元にある間に送ることで、次回の取材依頼につながりやすくなります。AIを使えば取材当日中に送ることも難しくありません。
フォローアップの際に資料を追加送付するタイミングはいつですか?
取材中に「詳細は後日送ります」と伝えた場合や、記事化に使える補足情報がある場合は、翌日中に送るのが適切です。送り忘れた場合はAIでお礼メールに資料送付の旨を加えて作成すれば、まとめて送れます。
フォローアップメールを複数メディアへ一斉送信する場合の注意点は何ですか?
一斉送信は宛先の入れ間違いや、媒体によって内容が微妙に異なる場合の対応ミスが起きやすいです。AIで各媒体向けに個別の文面を作り、それぞれ個別送信する方法を推奨します。