職種別AI仕事術

営業の比較表をAIで作る方法

営業の比較表をAIで作る方法

この記事の要点

営業担当がAIを使って競合比較・製品比較・料金比較などの表を作る手順を解説。情報を整理する手間とデザイン調整の時間を削減し、提案書に使える比較表を短時間で仕上げられる。

結論

提案書に入れる競合比較や自社製品の比較表は、軸の整理とレイアウト作成に時間がかかります。AIに「比較軸」と「比較対象」を渡すと、比較表の骨格を5分以内に出力できます。内容の確認は必要ですが、白紙から表を作る時間は大幅に短縮できます。


なぜ営業の比較表作成にAIが効くか

営業担当が比較表を作る場面は主に3つです。

  • 顧客に自社製品と競合を並べて説明する提案書
  • 複数のベンダー候補を整理して社内承認をとる資料
  • 料金プランや機能オプションを顧客に説明するための表

どのケースも「何を軸に比較するか」を考える時間と、実際に表を作る時間の両方がかかります。AIは「比較軸の提案」と「表の構造作成」を担い、内容の確認と調整を人間が行うという分担が現実的です。

競合製品の最新情報はAIが正確に持っているとは限りません。特に料金・サービス範囲・最新機能は、AIが作った表を起点に公式情報で上書きするプロセスが必要です。


使うAIツール

ChatGPT(GPT-4oモデル) または Claude(Sonnet系) が適しています。どちらもMarkdown形式の表を出力でき、Notion・Google Docs・社内Wikiに貼り付けて使えます。

ExcelやPowerPoint形式で直接出力したい場合は、Copilot for Microsoft 365を使うと親和性が高いです。社内でOffice製品を使っている場合は選択肢に入れてください(最新の対応状況は公式情報を確認してください)。


手順:競合比較表を作る

ステップ1:比較の目的・読者・軸を決める

「何のための表か」と「誰が読むか」を最初に決めます。同じ競合比較でも、顧客向けの提案書と社内承認資料では必要な情報の深さが違います。

比較軸は「顧客が何を重視しているか」から逆算すると精度が上がります。たとえば価格を重視する担当者なら料金体系・初期費用・ランニングコストを軸にし、機能重視なら具体的な機能の有無を軸にします。

ステップ2:プロンプトに比較対象と軸を書く

以下の条件で比較表をMarkdown形式で作成してください。

【比較対象】
・自社製品:〇〇(CRM管理システム)
・競合A:Salesforce
・競合B:HubSpot

【比較軸(行)】
1. 月額料金(1ユーザーあたり)
2. 無料トライアルの有無と期間
3. 日本語サポートの対応時間
4. モバイルアプリの有無
5. 他社システムとのAPI連携
6. 最短導入期間

【補足】
・自社製品の情報は以下のとおりです:
  月額料金:〇〇円/ユーザー、無料トライアル30日、サポート平日9〜18時...
・競合については分かる範囲で埋め、不明な箇所は「要確認」と記載してください。

出力後に「要確認」箇所の一覧も出してください。

ステップ3:AIの出力を確認して情報を埋める

「要確認」と書かれた箇所を、公式サイトやパンフレットで確認して上書きします。AIが記入した箇所も、最新情報と一致しているか確認してください。特に料金は変更頻度が高いため注意が必要です。

ステップ4:表の形式を用途に合わせて変換する

Markdownの表は、Notionや社内WikiにそのままコピーするとHTMLの表として表示されます。PowerPointに使う場合は「Excelに変換してください」とAIに頼むか、手動でExcelに貼り付けて整えます。


具体的な営業場面での使い方

場面1:提案書の競合比較ページ

大手顧客への提案書では「なぜ競合ではなく自社なのか」を1ページで示す必要があります。このページを白紙から作るのに30〜60分かかることが多いです。

AIに競合と自社の情報を渡し、「顧客の課題である〇〇を重視した比較軸で表を作ってほしい」と指示すると、比較の骨格が10分以内に出ます。

以下は製造業向けの提案書に使う競合比較表です。
顧客の最優先事項は「導入の早さ」と「現場担当者が使いやすいUI」です。

【比較対象】
・自社:〇〇(詳細を以下に記載)
・競合X
・競合Y

【自社の情報】
導入期間:最短2週間、UIの評価:直近100社中92社が「使いやすい」と回答、
料金:〇〇円/ユーザー/月...

【比較軸として優先してほしい項目】
1. 最短導入期間
2. トレーニング不要でも使える機能数
3. モバイル対応の有無
4. 料金(初期+月額)

不明な情報は「公式確認中」と記載し、表の末尾に自社の強みを2行でまとめてください。
出力形式:Markdown

このプロンプトで出た表を元に、競合の公式情報を照合して修正すると、完成度の高い比較ページが1時間以内に仕上がります。

場面2:複数プランの料金比較表

SaaSや保守サービスのように、自社製品に複数のプランがある場合、顧客の規模や用途に合わせた料金比較表が必要になります。毎回ゼロから作ると表のフォーマットがバラバラになりがちです。

以下の自社プラン情報から、「規模別に何がおすすめか」が分かる比較表をMarkdown形式で作成してください。

【プラン情報】
・ライトプラン:〇〇円/月、ユーザー上限5名、機能A・B
・スタンダードプラン:〇〇円/月、ユーザー無制限、機能A・B・C・D
・エンタープライズプラン:個別見積もり、機能全て+専任サポート

【行の構成】
1. 月額料金
2. ユーザー数上限
3. 使える機能
4. サポート体制
5. おすすめの企業規模

読者は中小企業の担当者です。難しい言葉を使わず、シンプルに比較できる表にしてください。

このプロンプトで出力した表は、提案書のプラン説明ページに流用でき、毎回作り直す手間が省けます。


うまくいかない場合の対処

「表のレイアウトが崩れる」

Markdownの表は環境によって見た目が変わります。Notionに貼るとほぼそのまま表示されますが、Wordに貼ると崩れることがあります。崩れる場合は「ExcelのCSV形式で出力してください」とAIに頼み、Excelで開いてから貼り付けます。

「比較軸が多すぎて表が見づらい」

提案書の1ページに収める場合、比較軸は5〜7項目が上限です。「読者が意思決定に必要な項目だけに絞ってほしい」とプロンプトに加えると、AIが重要度を判断して項目を絞ります。

「競合の情報がAIの知識にない(新しいサービス)」

新興サービスや最近リリースされた機能はAIが知らないことがあります。その場合は競合の情報を自分でプロンプトに書いて渡します。「競合の情報は以下のとおりです(Webサイトより)」と前置きして情報を貼ると、AIがその情報をもとに表を作ります。

「自社に有利な表になりすぎる」

「自社の強みを強調してください」と書くと偏った表になります。顧客目線の比較表は「各サービスの特徴を客観的に並べてください。強みも弱みも記載してください」と書くと信頼性が高まります。顧客は一方的な自社推しの表より、正直な比較表を好みます。


比較表の精度を高める3つのポイント

1. 自社情報は必ずプロンプトに書く

AIは自社の製品・料金・実績を知りません。自社に関する情報は全てプロンプトに書いて渡します。情報が多いほど表の完成度が上がります。

2. 不明箇所は「要確認」で出力させる

AIに「知らない情報は要確認と記載してください」と書くと、表のどこが未確認かが一目でわかります。確認のToDoリストとしても使えます。

3. 表を使う場で口頭説明と合わせる

比較表は情報の整理ツールです。顧客との商談では、表の数字だけでなく「この軸が御社の課題に特に関係します」という一言を添えると、表の効果が高まります。

比較表を含む提案書の全体構成については営業の提案書作成をAIで行う方法で解説しています。商談でよく出る質問への回答をまとめたい場合は営業のFAQをAIで作る方法と組み合わせると提案書がより充実します。商談前の準備として競合情報を整理する方法は営業の商談準備をAIで行う方法にまとめています。

よくある質問

AIが作った比較表の競合情報は信頼できますか?

AIの学習データには古い情報が含まれるため、競合製品の機能・料金・サービス内容は必ず公式サイトや最新資料で確認してください。AIは表の構造を作るのに使い、内容の正確さは自分で担保するのが安全です。

Markdownの比較表をPowerPointに変換する方法はありますか?

ChatGPTやClaudeにMarkdown表を貼り付けて「ExcelやCSVに変換してください」と頼むと、Excelで開けるデータを得られます。その後PowerPointに貼り付けるか、Excelのコピーとして使えます。直接PPTXに変換するツールも複数あるので、自社の環境に合わせて選んでください。

比較の軸はどう決めればよいですか?

顧客が「何を決め手に選ぶか」から逆算します。価格重視の顧客には料金体系と費用対効果、機能重視の顧客には機能の有無と詳細、サポート重視の顧客には対応時間と実績を軸にします。プロンプトに「この顧客の優先事項は〇〇です」と書くとAIも軸を調整します。