職種別AI仕事術

営業の社内メモをAIで素早く作る方法

営業の社内メモをAIで素早く作る方法

この記事の要点

商談後の社内メモをAIで作ると、30分かけていた記録が5分で完成する。会話メモや録音テキストをAIに渡し、次のアクションと顧客課題を整理した報告メモを自動生成する手順を解説する。

結論

商談後の社内メモをAIで作ると、これまで30分かけていた記録作業が5分程度に縮まる。会話中に走り書きしたメモをそのままAIに渡すだけで、次のアクション・顧客課題・懸念点が整理されたメモが出てくる。

使うAIツール

ChatGPT、Claude、Geminiの標準的なチャット機能で使える。音声文字起こしと組み合わせる場合は、商談の録音をNotionAI、Otter.ai、またはスマートフォンの標準メモアプリで文字起こしし、その結果をAIに渡す形になる。

機密性の高い商談情報を扱う場合は、社内契約のAIプランを使うか、顧客名などを仮称に変えてから入力する。

手順:商談後5分で社内メモを完成させる

ステップ1 商談中のメモを30秒でまとめる

社内メモの品質は商談中の記録の質で決まる。AIがあるからといってメモを取らなくなると、出力の精度が落ちる。商談中は以下の4点だけ走り書きしておけば十分。

  • 顧客が口にした課題・困りごと(言葉をそのまま書く)
  • 次回アクション(誰が・何を・いつまでに)
  • 顧客の懸念点・反論(「〜が心配」「〜はどうなるの」)
  • 決裁者の名前と決裁フロー(わかる範囲で)

完全な文章でなくていい。キーワードの羅列でも、AIが整理してくれる。

ステップ2 プロンプトに走り書きメモを貼り付ける

以下のプロンプトをベースに使う。商談中のメモをそのまま貼り付けるだけでよい。

あなたは法人営業担当のアシスタントです。
以下は商談後の走り書きメモです。社内共有用の「商談報告メモ」に整理してください。

【商談メモ(走り書き)】
(ここにメモをそのまま貼り付ける)

出力フォーマット:
■ 商談概要(3行以内)
■ 顧客の主な課題・ニーズ
■ 懸念点・反論
■ 次のアクション(担当者・期限つき)
■ 提案の方向性(現時点での見立て)

各項目を箇条書きで、合計400字以内にまとめてください。

ステップ3 出力を確認・補完する

AIが整理したメモには、必ず一読して追記・修正を加える。確認すべきは3点。

次のアクションに期限と担当者が入っているか
走り書きに「資料送付」とだけ書いてあれば、AIは期限を推測できない。手で「6月7日まで、自分が送付」と補足する。

顧客の言葉のニュアンスが残っているか
「予算は厳しいが可能性はある」と「予算はない」では意味が全く違う。AIが要約で丸めてしまったニュアンスは、元のメモを見て修正する。

数字が正確か
金額・人数・期日などの数字は、走り書きから拾えていない場合がある。AIが「適当な数字」を入れることはないが、情報がなければ空欄のままにするため、手で入れる。

ステップ4 定型テンプレートとして保存する

同じプロンプトを毎回使い回せるようにテキストファイルに保存しておく。チームで統一フォーマットを決めている場合は、フォーマットをプロンプトに組み込む。

社内システム(SFA・CRM)に登録するフォーマットが決まっている会社では、そのフォーマットのサンプルをプロンプトに貼り付けて「このフォーマットで出力してください」と指定するだけで、そのまま登録できる形式になる。

営業固有の活用例

例1:複数部署が同席した商談のメモ整理

製造業の顧客で、情報システム部・購買部・現場責任者が同席した商談では、3者それぞれの関心事が異なる。走り書きをAIに渡すとき「同席者別に懸念点を整理してください」と付け加えると、部署ごとの温度感が可視化される。

このメモを上司に共有すると「購買部が価格懸念を持っている」「現場は操作性を気にしている」という状況が伝わり、次の打ち手の議論がしやすくなる。

例2:長い商談後の時系列整理

2時間以上かかる大型案件の商談では、話が行き来するため時系列が崩れたメモになりやすい。このとき「時系列順に並べ直さず、テーマ別に整理してください」と指示すると、「価格の話題」「導入スケジュールの話題」「サポートの話題」が別々にまとまった読みやすいメモになる。

時系列で整理するより、次の商談でどこから話を再開するかが見えやすい。

うまくいかない場合のポイント

メモが少なすぎて整理できない場合
走り書きが5行以下しかない場合、AIは「情報が少ないため推測が含まれます」と断りを入れるか、あいまいな出力をしてしまう。その場合は商談直後に5分で追記してから再入力する。

出力が長くなりすぎる場合
「400字以内」と字数制限をプロンプトに入れる。社内メモは簡潔なほど読まれる。

チームで共有するのに個人メモの文体になる場合
「第三者が読むことを前提に、体言止め・箇条書きで書いてください」と追記する。

AIが存在しない情報を補完してしまう場合
「情報がない項目は空欄のまま出力してください。推測で埋めないでください」と明示する。

商談の記録を議事録として残す場合は営業の商談議事録をAIで作る方法で詳しく解説している。商談前の準備に使う場合は営業の商談前準備をAIで行う方法も参照してほしい。


社内メモは「書く」ではなく「整理する」作業として捉え直すと、AIとの相性がよくなる。商談中に集中してメモを取り、整理はAIに任せる分業が定着すると、報告の品質と速度の両方が上がる。

よくある質問

商談中のメモが断片的でもAIで社内メモを作れますか?

断片的な箇条書きでも構わない。「以下はバラバラな商談メモです。社内共有用に整理してください」とAIに渡せば、文脈を推測して整理してくれる。ただし推測部分は確認が必要。

社内メモにAIを使う場合のセキュリティ上の注意点は?

顧客名・個人名・非公開の価格情報をそのまま入力しないことが基本。社内で契約している企業向けAIを使うか、固有名詞を記号(A社・B担当)に置き換えてから入力する。

社内メモのテンプレートはどう作ればよいですか?

上司や社内で求められているフォーマットをAIに最初に渡し、「このフォーマットに沿って整理してください」と指定する。一度テンプレートを決めれば、毎回同じ形式で出力される。