営業の議事録をAIで自動作成する手順
この記事の要点
商談・社内会議の音声や手書きメモをAIに渡して議事録を5分以内に作る手順。文字起こしツールとChatGPTの組み合わせ、プロンプト例付き。
結論
商談後の議事録作成は、文字起こしツールとAIを組み合わせることで、1時間の商談の議事録を5〜10分で仕上げられます。録音がなくても、メモをAIに渡すだけで構造化された文書になります。大事なのは「決定事項」「宿題(アクションアイテム)」「次回日程」の3点を出力に必ず含めるようプロンプトで指定することです。
使うAIツール
文字起こし:Notta、Otter.ai、Google Meet の文字起こし機能など。精度・無料枠は各ツールで異なります。最新の料金と機能は公式サイトで確認してください。
議事録の整形:ChatGPT、Claude、Geminiのいずれでも対応できます。文字起こしテキストを貼り付ける場合、個人情報や機密情報が含まれていることを考慮し、企業向けプランの利用を検討してください。
なぜ議事録作成にAIが効くのか
営業の議事録が遅れる原因は「商談直後は次の行動に追われて書けず、記憶が薄れてから書く」というパターンにあります。記憶が薄れた状態で書いた議事録は情報が抜けやすく、後から見返したときに「あのときどういう話だったか」が復元しにくくなります。
AIを使うと、録音か直後のメモさえあればその場で議事録を生成できます。商談直後5分でAIに渡す習慣ができると、情報の鮮度が保たれ、宿題の抜け漏れも減ります。
手順
ステップ1:商談中にメモを取る
録音できる場合でも、商談中に次の4点を箇条書きでメモする習慣を持つと後の精度が上がります。
- 顧客が口にした課題・懸念点
- 自社が提案した内容
- その場で決まったこと
- 宿題(誰が・何を・いつまでに)
これが5行でも、AIに渡すと構造化された議事録になります。
ステップ2:文字起こしかメモをAIに渡す
録音がある場合
文字起こしツールで録音を変換し、テキストをコピーします。完璧な精度でなくて構いません。固有名詞が誤変換されることが多いため、後で直せるよう元の録音は残しておきます。
メモしかない場合
商談直後のメモをそのまま貼り付けてかまいません。断片的な情報でも、背景をプロンプトで補足すればAIが文章にします。
ステップ3:プロンプトを入力する
以下はプロンプト例です。用途に応じて調整してください。
パターン1:文字起こしテキストから議事録を作成
あなたは営業担当者のアシスタントです。
次の商談の文字起こしテキストを読み、議事録を作成してください。
【商談の背景】
・日時:2026年6月4日 14:00〜15:00
・参加者:A社(購買担当・B様)、自社(営業担当・自分)
・商談の目的:クラウド在庫管理サービスの2回目提案
【文字起こしテキスト】
(ここに文字起こしテキストを貼り付ける)
【出力形式】
以下の構成で作成してください。
1. 日時・参加者
2. 商談の目的
3. 主な議論の要点(箇条書き5〜8点)
4. 決定事項
5. アクションアイテム(誰が・何を・いつまでに)
6. 次回予定
【条件】
・事実のみを書く。会話から読み取れないことは書かない
・アクションアイテムは具体的な期限を入れること
・文体は「〜した」「〜である」の常体で統一する
パターン2:手書きメモから議事録を作成
あなたは営業担当者のアシスタントです。
次の商談メモを読み、議事録を作成してください。
【商談の背景】
・日時:2026年6月4日 10:00〜11:00
・参加者:B社(営業部長・C様)、自社(自分)
・商談の目的:年間契約の更新協議
【商談メモ(箇条書き)】
(ここにメモを貼り付ける。例:
・現状の契約は7月末で終了
・先方:コストを据え置きにしたい
・こちら:サポート回数を増やす代わりに5%値上げを提示
・来月頭に先方社内で承認会議あり
・6月20日までに正式見積もりを送る
)
【出力形式】
1. 日時・参加者
2. 商談の目的
3. 議論の要点(3〜5点)
4. 決定事項
5. アクションアイテム(担当・内容・期限)
6. 次回予定
【条件】
・メモに書かれていない情報は補完しない
・アクションアイテムの担当者が不明なものは「確認要」と記載
パターン3:社内報告用の要約版
あなたは営業担当者のアシスタントです。
次の議事録を読んで、上長への報告用に3〜5行の要約を作成してください。
【議事録】
(ここに作成済みの議事録を貼り付ける)
【出力形式】
・商談の結果(進んだか・止まったか・課題があるか)
・次のアクションと担当者
・注意すべきリスクや懸念点
【条件】
・箇条書きで簡潔にまとめる
・数字と固有名詞を正確に含める
ステップ4:出力を確認して送付
AIが出力した議事録を送る前に、必ず次の点を確認します。
- アクションアイテムの担当者と期限が正確か
- 決定事項に「仮決定」と「確定」の区別がついているか
- 固有名詞(社名・人名・金額)が正確か
- 事実でないことが書かれていないか(AIが推測で補完することがある)
特にアクションアイテムは、宿題の認識が顧客と自社でズレていると後で問題になります。送付前に顧客側の担当者が何を・いつまでにするかを必ず確認してください。
実際の活用例
ケース1:1日に3件商談があった場合の対処
1日3件の商談をこなすと、その日のうちに3通の議事録を書くのは負担が大きく、翌日以降に回しがちです。各商談後にスマートフォンのメモアプリで箇条書きメモを5〜6行作り、帰社後にまとめてAIに渡すやり方で、3件分の議事録を30分以内で完成させられます。
ケース2:商談の文字起こしを社内共有する場合
オンライン商談のツールによっては、自動で文字起こしを生成する機能を持っています。この文字起こしをそのまま社内共有すると読みにくいため、AIで整形してから送るとチーム全員が状況を把握しやすくなります。特に上長が複数の案件を管理している場合、箇条書き形式の議事録は読む時間が大幅に減ります。
うまくいかない場合のポイント
「AIが存在しない情報を補完してしまう」
プロンプトに「メモや文字起こしに書かれていない情報は補完しないこと」と明記してください。特に金額・日付・固有名詞の誤補完には注意が必要です。
「アクションアイテムの担当者が不明確になる」
「担当者が不明な場合は『確認要』と記載」と指示するか、プロンプトの商談メモ欄に「〇〇は自社担当・△△は顧客担当」と事前に整理してから渡します。
「文体が敬体(です・ます)になってしまう」
議事録は常体(だ・である)が読みやすいため、「文体は常体で統一」と指示してください。
「長すぎる文字起こしを渡すと情報が散漫になる」
1時間を超える会議の文字起こしは、最初から全文を渡すより「重要な場面だけを切り出す」方が精度が上がります。章・話題ごとにテキストを分割して渡すやり方も有効です。
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商談後の報告書については営業の報告書をAIで書く手順で説明しています。商談前の準備については営業の商談準備をAIで進める手順も合わせて読むと流れが整理できます。
よくある質問
顧客との商談録音をAIで文字起こしするとき、録音の許可は必要?
日本の法律上、会話参加者の一方が録音する行為自体に制限はありませんが、社内規定や顧客との契約で制限されていることがあります。商談前に確認するか、録音することを相手に伝えておくのが安全です。
無料の文字起こしツールはどれがいい?
Notta、Otter.ai、Googleの文字起こし機能などがあります。精度・無料枠・対応言語は各ツールで異なり、仕様は変わることがあるため最新情報は公式サイトで確認してください。
AIが作った議事録の精度はどのくらい?
文字起こしの精度と情報の密度によります。録音が明瞭で、商談の背景情報をプロンプトに入れれば、手直しは全体の1〜2割程度になります。決定事項や次のアクションの抜け漏れだけは必ず人間が確認してください。
手書きメモしかない場合でもAIで議事録を作れる?
作れます。箇条書きの断片的なメモをAIに渡し、「これを議事録形式に整えてください」と指示するだけで構造化された文書になります。情報が少ない分、細部は自分で補完する必要があります。