営業のアンケート設問をAIで作る方法
この記事の要点
商談後アンケートや顧客満足度調査の設問をAIで作ると、設計の抜け漏れがなくなり作成時間が半減する。調査目的と対象者を渡すだけで、回答率の高い設問セットが出てくる手順を解説する。
結論
商談後アンケートや顧客満足度調査の設問をAIで作ると、設計の抜け漏れが減り、1から考える時間がなくなる。調査の目的・対象者・知りたいこととを渡すだけで、選択肢の設計も含めた設問セットが数分で出る。
使うAIツール
ChatGPT、Claude、Geminiのいずれでも使える。アンケートフォームはGoogleフォーム、Microsoft Forms、Typeformなどを使うことが多いため、各フォームに貼り付けやすい形式でAIに出力させると効率がよい。
営業場面でアンケートが必要になるケース
営業の現場でアンケート設計が必要になるのは主に以下の場面。
- 商談後の顧客満足度調査(サービス品質の把握)
- 既存顧客へのニーズヒアリング調査(追加提案の前段階)
- 展示会・セミナー後のフォローアンケート
- 契約更新前の利用状況調査
- 失注後の理由分析アンケート
どの場面でも「何を知りたいか(目的)」を最初に決めることが、設問の質を左右する。AIはその目的から設問を展開するのが得意。
手順:アンケート設問を30分で完成させる
ステップ1 調査設計の3点を決める
AIに渡す前に以下の3点を整理する。この段階が最も重要で、ここを省くとAIの出力が汎用的になる。
- 調査目的: 何を明らかにしたいのか(例:商談後の満足度を数値化する・失注理由を分析する)
- 調査対象: 誰に聞くのか(例:初回商談後の顧客担当者・契約6ヶ月後の現場ユーザー)
- 活用方法: 結果を何に使うのか(例:営業プロセスの改善・次回提案の材料)
ステップ2 設問生成のプロンプトを入力する
あなたはアンケート設計の専門家です。
以下の条件に基づき、回答率が高く、データとして活用できるアンケート設問を設計してください。
【調査目的】
【例:初回商談後の顧客満足度を測り、商談プロセスの改善点を見つける】
【調査対象】
【例:初回商談を終えた顧客担当者(40〜50代、IT業界の情報システム部門)】
【知りたいこと(優先順)】
1. 【例:商談担当者の説明のわかりやすさ】
2. 【例:提案内容と自社課題のマッチ度】
3. 【例:次のステップに進みたいか】
【設問数の目安】
【例:5〜7問(メール送付型)】
出力形式:
- 各設問に回答形式(5段階評価/選択式/自由記述)を明記
- 選択肢は具体的な文言まで書く
- 設問の意図(何を測りたいか)を設問ごとに1行で添える
ステップ3 設問を評価する観点で確認する
AIが出した設問を以下の観点で確認し、修正が必要なものを手直しする。
誘導質問になっていないか
「弊社の提案はわかりやすかったですか?」という設問は「わかりやすかった」方向に誘導している。「弊社の提案についてどのように感じましたか?」とニュートラルな表現にする。
一問二答になっていないか
「提案内容の理解しやすさと価格の妥当性を評価してください」という設問は2つのことを同時に聞いている。一問一答の原則で分割する。
回答者に負荷をかけ過ぎていないか
自由記述が3問以上あると回答完了率が大きく下がる。自由記述は最後の1問に絞り、「ご意見があればお聞かせください」程度の任意回答にする。
業界・職種の言葉になっているか
ITシステム担当者向けのアンケートに「ソリューション」「バリュー」といったカタカナが多い場合、「機能」「効果」に置き換えると読みやすくなる。
ステップ4 設問の順番を整理する
設問の並び順は回答率に影響する。一般的に有効な順番は以下のとおり。
- 答えやすい・負担の低い設問から始める(例:全体満足度の5段階評価)
- 具体的な項目の評価(例:提案内容・担当者対応・スピード)
- 意向確認(例:次のステップに進む可能性)
- 自由記述(例:改善してほしい点・その他のご意見)
この順番をAIに指定するには「設問を回答者の心理的負荷が低い順に並べ直してください」と追記するだけでよい。
営業固有の活用例
例1:失注後の理由分析アンケート
失注した顧客に送る「なぜ他社を選んだか」を聞くアンケートは、設計が難しい。聞き方が直接的すぎると回答されないし、遠回しすぎると知りたいことが分からない。
AIに「失注後の顧客に、今後の改善のために率直な意見をお聞きしたい。関係性を壊さない文言で失注理由を聞く設問を5問作ってください」と依頼すると、丁寧な文言と具体的な選択肢(価格・機能・担当者対応・社内方針変更など)が出てくる。
この設問セットを毎月使い続けると、失注理由のデータが蓄積し、提案内容やトークスクリプトの改善に活用できる。
例2:展示会後のフォローアンケート
展示会に出展した翌日、来場した見込み顧客にフォローメールを送るとき、アンケートを添付することがある。ここで設問が「お役に立てましたか?」のような漠然としたものだと、回答から次の商談につながる情報が取れない。
「展示会来場者向けに、商談化の見込みと課題のヒアリングを兼ねたアンケートを作ってください。3問以内で、回答後に担当者がフォロー電話をかける前提です」と依頼すると、課題感・検討時期・連絡可否を確認する設問セットが出る。
うまくいかない場合のポイント
設問が抽象的すぎる場合
「商談はいかがでしたか?」のような設問しか出ない場合、目的の具体性が低い。「提案の内容理解度を測りたい」「次回商談への意欲を確認したい」など、各設問で何を測るかを具体的に書く。
選択肢が多すぎる場合
選択肢は5〜6個が上限。それ以上になると選択のストレスが増す。「各設問の選択肢を最大5個に絞ってください」と制限する。
回答率が低い場合
設問数・文章量・自由記述の多さが主要因になることが多い。「設問を5問以内、1問あたり30字以内の文量に圧縮してください」と再設計を依頼する。
業界用語が混在する場合
「この設問の対象者は50代の工場長です。専門用語を使わず分かりやすい言葉に直してください」と属性を具体的に指定して言い換えさせる。
メール文章の書き方については営業のメールをAIで作る方法で解説している。商談前の準備と合わせて設問を設計する方法は営業の商談前準備をAIで行う方法も参考にしてほしい。
アンケート設問はAIが骨格を出してくれるが、最終的な言葉のチューニングは人間が行う。特に自由記述の誘導を避ける工夫と、業種・役職に合わせた言葉選びは、AIが苦手とする部分なので注意する。
よくある質問
AIで作ったアンケート設問の品質はどの程度ですか?
調査目的と対象者を具体的に渡せば、実用的な設問の骨格は十分な精度で出る。回答者の属性や業種特有の言葉は手で調整する必要がある。
アンケートの設問数は何問が適切ですか?
メール送付型なら5〜8問、商談直後の短い調査なら3〜5問が回答率を保てる目安。設問が増えるほど回答率は下がるため、削れる設問は削る。
リッカート尺度(5段階評価)と自由記述はどう使い分けますか?
量的に集計・比較したい項目は5段階評価、理由や改善点など深掘りしたい項目は自由記述にする。自由記述は1〜2問に絞るとデータ活用しやすい。