職種別AI仕事術

人事のアンケート設問をAIで作る方法

人事のアンケート設問をAIで作る方法

この記事の要点

従業員満足度調査・研修後アンケート・入社後フォローアップなど、人事のアンケート設問をAIで作る手順とプロンプト例を解説。設問の精度を上げるポイント付き。

結論:設問設計の骨格が数分で出来上がり、抜け漏れを防げる

従業員満足度調査・研修後アンケート・入社後フォローアップ・360度フィードバック——人事が設計するアンケートは種類が多く、「測りたいことを正確に測れる設問を作る」のは思いのほか難しい。

AIに「何を測りたいか」「誰に回答してもらうか」「何問程度か」を渡すと、設問の構成案と各設問の文章案が数分で出てきます。自分では気づかなかった観点の設問が含まれることも多く、調査の網羅性が上がります。


使うAIツール

社内で利用が認められているツールを確認してから使ってください。

  • ChatGPT:設問リストの作成とフォーマット変換が得意。回答形式(5段階評価・複数選択・自由記述)の指定もしやすい。
  • Claude:設問の背景にある意図を説明すると、それに合った設問を提案してくれる。複雑な調査設計に向く。
  • Gemini:Googleフォームとの連携がある場合、作成した設問をそのままフォームに流し込める場合がある。

手順:4ステップでアンケート設問を作る

ステップ1:調査の目的と制約を明確にする

設問を作る前に以下を整理します。

  • 何を測りたいか:満足度・理解度・効果・意向など
  • 何に使うか:制度改善の根拠・研修内容の見直し・フォロー対象者の特定など
  • 誰が回答するか:全社員・特定部署・新入社員など
  • 何問までか:回答に要する時間の上限から逆算する

この整理があると、AIが出す設問の質が大きく変わります。

ステップ2:プロンプトを作って出力する

以下の条件でアンケート設問を作成してください。

【調査の目的】
今年度の新入社員研修(3ヶ月間)の効果を測定し、来年度の改善に役立てる

【回答者】
今年度の新入社員(25名、入社3ヶ月目)

【使い方】
研修終了後に実施し、結果を研修企画チームと経営層に報告する

【設問の条件】
・合計20問以内
・5段階評価(とても良い〜とても悪い)を主体に、自由記述を3問
・研修内容の理解度、業務への適用感、講師の質、環境・設備、総合満足度の5つの観点を含める
・誘導的な表現を避ける
・回答にかかる時間:10分以内

【出力形式】
観点ごとに設問を分類し、設問番号・設問文・回答形式の一覧で出力してください。

ステップ3:設問を確認・修正する

AIが出した設問を以下の観点で確認します。

  • 測りたいことを測れているか:調査目的に対して設問が対応しているか
  • 誘導的な表現がないか:「よかったと思いませんか」のような誘導がないか
  • 回答しにくい設問がないか:「プライバシーに関わる質問はないか」「答え方が複数考えられる曖昧な設問はないか」
  • 設問数と時間:実際に回答してみて、想定時間内に収まるか

問題があれば「○番の設問は誘導的に聞こえます。中立的な表現に直してください」と追加指示を出します。

ステップ4:回答結果の分析にもAIを使う

アンケート結果が集まった後、自由記述の分類や傾向の要約にもAIを使えます。「以下の自由記述100件を、ポジティブ・ネガティブ・中立に分類し、頻出テーマを5つ挙げてください」のような依頼が可能です。分析結果の最終解釈は人が行うことが前提です。


具体例:2つの活用場面

場面1:従業員満足度調査の設計

年1回実施する従業員満足度調査は、設問設計を外部コンサルに頼むと高額になることがあります。調査目的・測定したい観点・回答者の属性を整理してAIに渡すと、調査設計の骨格を内製で作れます。

特に「経営への信頼」「職場の人間関係」「評価への納得感」のような観点は、設問の書き方ひとつで回答が大きく変わります。AIが出した設問に対して「この設問は回答者が正直に答えにくいと感じるかもしれない」と気づいたら、「回答しやすく中立的な表現に直してください」と追加指示を出してください。

場面2:360度フィードバックの設問設計

上司・同僚・部下から多角的な評価をもらう360度フィードバックは、設問設計が難しい調査のひとつです。「コミュニケーション能力を測る設問」は書き方によって、人当たりの良さを測るのか、情報共有の適切さを測るのかが変わります。

AIに「360度フィードバックで管理職のコンピテンシーを測る設問を作ってください。対象コンピテンシー:チームマネジメント・判断力・コミュニケーション・育成力」と渡すと、各コンピテンシーに対応した行動ベースの設問が出てきます。「〇〇さんはチームメンバーの意見を会議で引き出す工夫をしていますか」のような具体的な行動を問う形式が、評価のブレを減らすために有効です。


うまくいかない場合のポイント

設問が抽象的すぎる場合:「より具体的な行動や場面を想起できる設問に直してください」と追加指示を出します。評価系のアンケートでは特に、行動の具体性が回答の信頼性を高めます。

設問数が多すぎる場合:「調査目的にとって最も重要な10問を選んでください」と絞り込みを依頼します。設問を減らす判断は最終的に人が行いますが、AIの優先順位の提案は参考になります。

同じような設問が重複する場合:「似た設問を統合し、重複をなくしてください」と指示します。類似設問の重複は回答者の負担を増やし、回答率の低下につながります。

自由記述の分析に時間がかかる場合:100件以上の自由記述がある場合、AIへの貼り付けを分割して行い、出力された要約を最後にまとめて整理する方法が有効です。個人が特定できる情報は削除してから渡してください。


内部リンク

よくある質問

アンケート設問の作成にAIを使うと何が変わりますか?

調査目的に対して抜け漏れのある設問構成や、誘導的になりやすい表現をAIが指摘・補完してくれます。ゼロから考える時間が減り、設問の質が安定します。

従業員満足度調査の設問は何問が適切ですか?

回答に要する時間は10〜15分以内が回答率を維持しやすい目安です。4択または5段階評価で20〜30問、自由記述を3〜5問程度が一般的ですが、調査目的によって変わります。

AIが作った設問をそのまま使えますか?

そのままでは使えません。自社の状況に合わせた表現の修正、プライバシーへの配慮、法令上の問題がないかの確認が必要です。特に雇用形態・年齢・家族構成を聞く設問は注意が必要です。

自由記述欄は入れるべきですか?

数値データでは拾えない本音が出やすいため、調査の目的によっては有効です。ただし集計・分析に時間がかかるため、自由記述欄の数は絞るのが現実的です。AIを使って自由記述の要約・分類も行えます。