Geminiアプリ、データの保存場所を管理者が指定可能に
この記事の要点
GoogleがGeminiアプリで、データを保存・処理する地域を組織が指定できる機能を6月29日から提供した。管理者がEUか米国、または両方を選べ、部署単位でも設定できる。データの所在に要件がある企業が、Geminiを業務で使いやすくなる。
結論
GoogleがGeminiアプリで、データを保存・処理する地域を組織側が指定できる機能を6月29日から提供した。管理者はEUでの保存と処理、米国での保存と処理、または両方を選べ、部署にあたる組織単位ごとに設定できる。データを特定の地域の外に出せない決まりがある企業にとって、Geminiを業務で使う前提が整う。AIの利用を広げたいが、データの所在で止まっていた現場に効く更新だ。
何が起きたか
提供は6月29日に始まった。これまでGeminiアプリは、データを保存・処理する場所を組織側で細かく選べなかった。今回、管理者の設定画面から地域を指定できるようになった。選べるのはEUでの保存と処理、米国での保存と処理、その両方の3通りだ。
設定は全社一律ではなく、組織単位まで下ろせる。部署や拠点ごとにデータの扱いの要件が違う場合、まとめてではなく分けて管理できる。たとえば、欧州の拠点はEU、それ以外は米国、といった分け方ができる。仕様や対象は順次広がる見込みで、提供の段階は環境によって異なるため、最新は公式で確認してほしい。
この動きは、AIの提供側がデータの保存場所を企業に合わせる流れの一部だ。同じ週にはAnthropicが、ClaudeをMicrosoft FoundryでAzure上に正式提供し、処理場所として米国データゾーンを選べるようにした。提供元が違っても、保存と処理の場所を企業が選べるようにする方向は共通している。
なぜ重要か
AIを社内で広げるとき、性能や使い勝手より先に止まるのが、データの所在の問題だ。個人情報や契約で守るべき情報を扱う部署ほど、データを国外に出せないという制約が重い。場所を指定できなければ、その部署はAIの検討自体を見送ることになる。今回の更新は、その入口の障害を下げる。
組織単位で分けられる点も実務的だ。要件の厳しい部署と、そうでない部署を同じ設定に縛る必要がなくなる。AIに持ち込むデータの扱いの基本は生成AIとセキュリティ 情報漏洩を防ぐ基本と社内ルール策定に、社内データをどう預けるかの考え方はAIに社内データを渡すときの取り扱いと注意点にまとめた。
現場の実務にどう効くか
押さえるべきは、AIの利用を許可する前に「どのデータをどこで処理するか」を部署ごとに決めておくことだ。今回の機能を使えば、要件の厳しい部署だけEUや米国の指定をかけ、他は別の設定にできる。導入の検討では、自社のデータ保存の決まりと、選べる地域が合うかを先に確認するとよい。
実務では、情報システム部門が組織単位の設定を整理し、部署ごとにどの地域を割り当てるかを台帳にしておくと管理が楽になる。クラウドとオンプレミスのどちらでデータを扱うかの判断はクラウドとオンプレのAI 違いと選び方が参考になる。場所を指定できる前提が整えば、これまで見送っていた部署でもAIの活用を始めやすくなる。
出典
よくある質問
Geminiアプリのデータ常駐対応で何ができますか
管理者が、Geminiアプリのデータを保存・処理する地域を指定できます。6月29日からの提供で、EUでの保存と処理、米国での保存と処理、またはその両方を選べます。部署にあたる組織単位ごとに細かく設定できるため、部門ごとに要件が違う場合も分けて管理できます。
なぜデータの保存場所の指定が必要なのですか
業種や契約によっては、データを特定の地域から外に出せない決まりがあります。場所を指定できれば、その要件を満たしたうえでAIを業務に使えます。管理者が組織単位で設定を分けられるため、全社一律ではなく、部署ごとの事情に合わせた運用ができます。