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動画理解AIのTwelveLabs、1億ドル調達。映像資産を検索可能に

動画理解AIのTwelveLabs、1億ドル調達。映像資産を検索可能に

この記事の要点

動画理解AIのTwelveLabsが7月1日、NEAとNAVER Ventures主導で1億ドルのシリーズBを発表。眠っていた映像アーカイブを検索・分析できる資産に変える技術で、Amazonも出資。社員数は1年で3倍の178人に。

結論

動画理解AIを開発する米TwelveLabsが7月1日、1億ドルのシリーズB調達を発表しました。主導したのはNEAとNAVER Venturesで、AmazonやIndex Venturesも参加しています。同社の技術は動画を生成するのではなく、既存の映像の中身を索引化して検索・分析できるようにするものです。企業が抱える大量の映像アーカイブを働く資産に変える市場が、投資対象として本格的に立ち上がりました。

発表の中身

公式発表によると、参加投資家にはRadical Ventures、Korea Investment Partners、Quadrille Capital、Red Bull Venturesも名を連ねます。社員数はこの1年でおよそ3倍の178人に増え、ニューヨークとロンドンに拠点を新設する計画です。

同社は映像認識のMarengoと推論のPegasusという2つのモデルを開発しており、最大2時間の映像を文脈として扱えます。Marengoが映像内の人物・物体・動作・音声を索引化し、Pegasusがその索引をもとに質問への回答や要約を生成する分担です。利用企業はスポーツ団体や放送局が中心で、試合映像から特定の選手のプレーだけを抜き出す、過去の放送素材から再利用できる場面を探すといった用途で使われています。今回の調達で、認識・知識・推論を一体化したエージェント型の映像分析システムへ拡張する方針です。AWSのTrainiumチップを学習に使う契約も結んでおり、Amazonとの関係を深めています。

動画は「生成」から「理解」へ

動画AIはこれまで生成が注目されてきました。動画生成AIツールの現状と業務での使いどころで整理したように、RunwayやSoraなどの生成ツールは広告・マーケティングで実用段階にあります。一方でTwelveLabsが狙うのは逆方向、つまり企業がすでに持っている映像の活用です。放送局のアーカイブ、スポーツの試合映像、企業の研修・会議録画は、これまで人が目視で探すしかなく、大半が死蔵されてきました。文章・画像・音声・映像を横断して扱う技術の基礎はマルチモーダルAIの仕組みと活用例を参照してください。

現場の実務にどう効くか

映像を扱う部門には直接効きます。部門ごとの使いどころを整理すると次のようになります。

部門眠っている映像検索できると何が変わるか
研修・人事過去の研修動画、講演記録特定の説明場面を切り出してマニュアルに再利用
マーケティング製品映像、イベント記録使える素材の発掘が目視数時間から数秒に
営業商談録画成約した商談の話法を検索して共有
品質・製造作業記録、検査映像異常場面の遡及調査が現実的な時間で可能に

まず自社にどれだけ映像資産が眠っているかを棚卸しし、月に何時間を映像探しに使っているかを測ってみると、導入判断の材料になります。週数時間以上を目視の検索に使っている部門があれば、検証する価値があります。導入時の注意点は2つです。映像には人物が映り込むため、検索対象にする前に個人情報の取り扱い方針を整理しておくこと。そして、字幕や音声起こしだけで足りる用途なら、映像理解より安価な音声認識で済む場合があることです。何を検索したいのかを先に具体化してから技術を選ぶと、過剰な投資を避けられます。

今後の見通し

映像理解の分野はGoogleやOpenAIのマルチモーダルモデルも競合になります。汎用モデルの映像対応が進めば専業の優位は削られるという見方に対し、TwelveLabsは2時間という長さの映像を一貫した文脈で扱える点と、放送・スポーツなど業界特化の運用実績を防壁に挙げています。CEOのジェイ・リー氏は、基盤モデルが汎用品になっても映像に特化した知能の層は残るという構想を語っており、今回の資金はその検証に投じられます。NAVERと韓国投資家の存在感が大きいことから、アジア市場の展開が早い可能性もあります。スタートアップが独立領域として守り切れるかは未知数で、最新の提供状況は公式で確認してください。

出典

よくある質問

TwelveLabsの技術は動画生成AIと何が違うのか?

動画を作るのではなく、既存の動画の中身を理解する技術。映像内の人物・動作・場面を索引化し、言葉で検索したり内容について質問したりできる。放送局やスポーツ団体が持つ大量の映像アーカイブの活用が主な用途。

企業の実務ではどう使えるのか?

研修動画・会議録画・製品映像・監視映像などの社内映像資産を検索可能にできる。目視で探していた特定場面の抽出が数秒で済むため、映像を大量に抱える部門ほど時間削減の効果が大きい。