プロンプト技術

業種別プロンプト集 事務編 バックオフィスで使える例文

業種別プロンプト集 事務編 バックオフィスで使える例文

この記事の要点

経費精算コメント・社内通知・議事録・スケジュール調整・FAQ作成の5場面で実際に使えるプロンプト例文を掲載する。コピーして試せる形で示す。

事務作業こそAIの効果が出やすい

事務職が扱う仕事の多くは「既存の情報を整理して別の形式に変換する」作業だ。議事録を要約する、メールの文案を書く、スケジュールを調整して通知文を作るといった作業は、AIが最も得意とするパターンに当てはまる。

この記事では5つの場面ごとに、そのままコピーして使えるプロンプト例文を示す。プロンプトの書き方の基本についてはプロンプトとは?基礎から学ぶを参照してほしい。


場面1: 経費精算コメントの作成

経費精算システムへの備考欄への記載は、領収書の目的や業務上の関連を簡潔に書く必要がある。書き方が属人化しやすく、新入社員や異動直後の社員には手間がかかる。

使えるプロンプト

以下の情報を元に、経費精算システムに入力する備考コメントを1〜2文で作成してください。

- 日付: 2026年5月20日
- 金額: 3,800円
- 内容: 書籍購入(『生成AI活用入門』)
- 業務との関連: AI推進プロジェクトの参考資料として購入

条件:
- 経費規程上の目的(業務使用)が明確に伝わること
- 簡潔に50字以内で
- 箇条書きにしないこと

出力例

「AI推進プロジェクトの参考資料として『生成AI活用入門』を購入。業務上必要な知識習得を目的とした書籍費用です。」

応用のポイント

  • 「業務との関連」に、対応するプロジェクト名や案件名を具体的に入力すると、監査時にも通りやすいコメントになる
  • 交通費・接待費・消耗品費など費目ごとにテンプレートを分けて保管しておくと効率が上がる

場面2: 社内通知文の作成

「システム停止のお知らせ」「社内規程の改定」「締切変更の連絡」といった通知文は、必要な情報が揃っていれば誰でも書けるはずだが、書き始めの面倒さから後回しになりやすい。

使えるプロンプト

以下の情報を元に、全社向けの社内通知文を作成してください。

【通知内容】
- 件名: 経費精算システムの一時停止について
- 停止期間: 2026年6月10日(水)22:00〜6月11日(木)6:00
- 理由: サーバーメンテナンス
- 対応依頼: 停止前に6月10日分の申請を済ませること
- 問い合わせ先: 総務部 内線2300

【条件】
- 社内メール向けの敬体で書く
- 冒頭に件名の結論を書く
- 箇条書きを活用して視認性を高める
- 200字〜300字程度

出力例

「件名:【重要】経費精算システムの一時停止について

6月10日(水)22:00〜11日(木)6:00の間、サーバーメンテナンスのため経費精算システムが停止します。

【対応依頼】

  • 6月10日分の申請は同日22時までに完了してください
  • 停止中の申請は翌11日6:00以降に行ってください

ご不明な点は総務部(内線2300)までお問い合わせください。」

応用のポイント

  • 「問い合わせ先」「締切」「影響範囲」の3項目を毎回プロンプトに含める習慣にすると、読み手が必要な情報を探す手間がなくなる
  • 発信前に固有名詞と日時を必ず確認する。AIは入力された情報をそのまま使うため、入力側に誤りがあると出力も誤りになる

場面3: 議事録の要約と構造化

会議中に取ったメモや文字起こしテキストをそのまま配布しても、読み手の負担が大きい。AIを使って「決定事項」「アクションアイテム」「次回確認事項」の3構成に整理すると可読性が上がる。

使えるプロンプト

以下の会議メモを整理して、議事録形式にまとめてください。

【会議情報】
- 日時: 2026年6月3日 14:00〜15:00
- 参加者: 山田(営業)、鈴木(総務)、田中(経理)

【メモ原文】
(ここに会議メモを貼り付ける)

【出力形式】
1. 決定事項(箇条書き)
2. アクションアイテム(担当者・期限つき)
3. 次回確認事項
4. 次回日程

条件:
- 決定していない話題は「検討中」として区別する
- 参加者の発言はまとめるが、固有名詞・数値は変えないこと

出力例イメージ

【決定事項】
- 6月末に新システムへ移行する
- テスト期間は6月17日〜23日の1週間

【アクションアイテム】
- 田中:移行用データのエクスポート(6月10日まで)
- 鈴木:社員向け操作マニュアルの初稿作成(6月14日まで)

【次回確認事項】
- テスト参加者の確定(鈴木が候補リスト作成予定)

【次回日程】
- 6月17日 14:00〜(鈴木が調整中)

応用のポイント

  • 会議後30分以内にこの作業をすると、記憶が新しい状態で出力の確認ができる
  • 文字起こしツール(Notta、Otter.ai等)の出力をそのまま貼り付けて使える。文字数が多い場合は会議の前半・後半に分けて処理する

場面4: スケジュール調整メールの作成

社外向けの日程調整メールは、丁寧な言い回しが求められる一方で形式が毎回ほぼ同じだ。候補日と目的さえ入力すれば、適切な敬語のメールを数秒で生成できる。

使えるプロンプト(日程提案)

以下の情報をもとに、社外向けの日程調整メールを作成してください。

- 相手: A社 佐藤様(面識あり、敬語だが堅すぎない関係)
- 目的: 新製品の提案打ち合わせ
- 候補日:
  - 6月12日(水)13:00〜15:00
  - 6月13日(木)10:00〜12:00
  - 6月16日(月)15:00〜17:00
- 場所: オンライン(Zoom)
- 所要時間: 約60分

条件:
- 自分から提案する形で書く
- 件名もあわせて書く
- 結論を最初に伝える
- 300字以内

使えるプロンプト(返信・確認)

以下の日程調整の返信に対して、日程確定のメールを作成してください。

- 相手: A社 佐藤様
- 確定日時: 6月13日(木)10:00〜11:00
- 場所: Zoom(URLは後で送る旨を含める)
- 担当者側の出席者: 山田・田中の2名

条件:
- 感謝を1文目に入れる
- 確認事項を箇条書きで整理する

応用のポイント

  • 相手との関係性(初対面・取引先・経営層など)をプロンプトに明記すると、敬語のトーンが変わる
  • 「300字以内」などの文字数制限を入れると、不必要に長い文章にならない

場面5: 社内FAQの作成と整理

社内ポータルや新人向けハンドブックに掲載するFAQは、一度作ると更新が止まりやすく、質問が増えるたびに追加が後回しになる。既存の問い合わせ対応メールや担当者メモをAIに整理させると、50〜100件のFAQを1〜2時間で構造化できる。

使えるプロンプト(問い合わせ→FAQ変換)

以下の問い合わせ対応メールの履歴を読んで、FAQ形式に整理してください。

【問い合わせ履歴】
(ここに対応メールのテキストを貼り付ける)

【出力形式】
- カテゴリ(例: 経費精算、勤怠管理、IT機器)
- 質問(Q)
- 回答(A)

条件:
- 類似した質問はまとめる
- 担当部署名・連絡先を回答に含める
- 回答は100字以内でわかりやすく
- Markdown表形式で出力する

出力例イメージ

カテゴリQA
経費精算領収書を紛失した場合はどうすれば良いですか紛失届フォームを総務部ポータルから提出してください。金額が5,000円以下は上司の承認で対応可能です。
勤怠管理有給申請の締切はいつですか使用希望日の3営業日前までにシステムから申請してください。当日申請は原則不可です。
IT機器PCが起動しない場合の連絡先はどこですかITサポート(内線3100)または helpdesk@company.co.jp へ連絡してください。

使えるプロンプト(既存FAQの更新・補完)

以下の既存FAQを読んで、回答が古くなっていそうな項目と、抜けていると思われるカテゴリを指摘してください。

【既存FAQ】
(ここにFAQテキストを貼り付ける)

出力:
1. 更新が必要と思われる項目(理由つき)
2. 追加すべきカテゴリの候補

5場面をまとめて運用するコツ

この5場面のプロンプトを一冊の「部門プロンプト集」としてスプレッドシートにまとめておくと、部門全体で使い回せる。列の構成は「場面名」「プロンプト本文」「入力変数(毎回変わる箇所)」「出力例」の4列が実用的だ。

新しいタスクでうまくいったプロンプトはその日のうちに追記する。半年後には、外部のプロンプト集より自社の業務に合った実用的な資産になる。

より体系的なプロンプトの組み立て方はプロンプトの書き方 基本から実践までを、思った回答が出ないときの対処法は思った回答が出ないときの改善法を参照してほしい。

また、事務以外の職種向けの例文はそのまま使えるビジネスプロンプト集にまとめている。

チェックリスト

プロンプトを実務で使う前に以下を確認する。

  • 固有名詞・日付・金額など事実に関わる情報は自分で入力したか
  • 出力の事実関係を使用前に確認したか
  • うまくいったプロンプトを部門の共有ドキュメントに保存したか
  • 社外に送るメールは必ず目視確認したか

よくある質問

事務職がAIを使うときどんな場面から始めると良いですか

議事録の要約とメール文案の2つから始めるのが定着しやすいです。出力をそのまま使うのではなく、一文だけ手直しする習慣をつけると品質が安定します。

プロンプトを使い回すにはどうすれば良いですか

共有ドキュメントやスプレッドシートにタスク名・プロンプト・出力例の3列で保管します。部門の全員が同じ雛形を使えるようにすると教育コストも下がります。

社内通知文をAIで作るとき気をつけることは何ですか

固有名詞・日付・締切など事実に関わる情報は自分で入力し、AIはその情報を整文する役割に絞ります。事実確認をAIに任せると誤りが混入します。

FAQ作成にAIを使うと時間はどれくらい短縮できますか

50件のFAQを手作業で整理すると2〜3時間かかる作業が、AIに構造化させると30〜40分程度に短縮できます。その後の確認・修正時間を含めた数字です。