Copilotで商品・サービス名を考える手順
この記事の要点
Microsoft Copilotを使えば、商品・サービス名のブレストから候補の絞り込みまで30分以内に完結する。プロンプト設計から商標確認の注意点まで実践手順を解説する。
結論
Copilotに「商品・サービスの概要・ターゲット・伝えたいイメージ」を渡すと、30〜50案の名称候補を一度に出せます。次にプロンプトで絞り込み条件を追加して10案に絞り、評価表で比較するところまで30分以内に進められます。商標確認は必ず公的データベースで行います。
必要なプランとアクセス方法
スタンドアロン版(copilot.microsoft.com) ネーミングのブレストはスタンドアロン版で完結します。Microsoftアカウントでログインして使います。無料版でも回数制限内であれば問題なく動作します。Bing検索と連携しているため、「似た名前が既に存在しないか調べてください」という確認も同時にできます。
Copilot for Microsoft 365 名称案をWordの比較表にまとめたり、PowerPointのブランドプレゼンに落とし込む際に使えます。プランの詳細は公式サイトで確認してください。
手順1:名称候補を一気に出す
最初のプロンプトで大量の候補を出します。絞り込みは後で行うため、この段階では数を重視します。
以下の商品・サービスの名称案を50個出してください。
【商品・サービス概要】
中小企業の経営者向け、月次の財務状況をAIが分析してリスクを先読みして通知するSaaSサービス
【ターゲット】
社員10〜100名規模の中小企業経営者(IT知識はあまりない、財務は税理士に任せている)
【伝えたいイメージ】
・安心・先読み・頼れる存在
・難しくなく、身近に使えるツール
・プロが使うような信頼感
【名称の種類を以下の比率で出してください】
- 日本語名(ひらがな・カタカナ・漢字):20案
- 英語名(短くシンプルなもの):15案
- 日本語と英語の組み合わせ:15案
【避けてほしい要素】
- 「AI」という単語そのものを含む名前(陳腐化しやすいため)
- 長すぎる名前(5文字を超えるもの)
- 既存の金融・会計ソフトと混同しやすい名前
50案を一度に出すことで、予想外の角度からの候補が出てくることがあります。この段階では良し悪しを考えずリストをそのまま受け取ります。
手順2:候補を評価軸で絞り込む
50案から使えそうなものを絞ります。評価軸を明示することで、感覚的な好き嫌いではなく基準に沿った絞り込みができます。
先ほどの50案を以下の評価軸で評価し、上位10案を選んでください。
【評価軸】
1. 覚えやすさ(初めて聞いた人が翌日も思い出せるか):★5段階
2. 検索のしやすさ(ひらがな・カタカナ・英字でWebから見つけやすいか):★5段階
3. ターゲット適合度(中小企業経営者が自分ごとに感じられるか):★5段階
4. 競合との差別化(既存の会計・財務ソフトと混同されないか):★5段階
【上位10案の出力形式】
- 名称、評価(4軸の星評価)、選んだ理由(1行)の表形式で出力
この評価はCopilotが一般的な観点から行うものです。自社のブランド方針や既存製品との一貫性は入力しない限り反映されないため、出力を参考にしつつ社内で判断を上書きします。
手順3:有力候補のネーミングストーリーを作る
上位10案から3〜5案に絞ったら、それぞれにネーミングストーリーを作ります。なぜその名前にしたかの説明は、社内プレゼンや顧客への説明で必要になります。
以下の3つの名称候補について、それぞれのネーミングストーリーを作成してください。
【候補1】ミカタス
【候補2】Foresee
【候補3】ざいらぼ
各候補について以下を含めてください:
- 名前の由来(語源・連想のつながり)
- 込めたメッセージ(1〜2文)
- ターゲットへの訴求ポイント
- 考えられるリスク(誤解されやすい点・他との混同可能性)
ネーミングストーリーが弱い候補は、名前の印象だけで選ばれたものである場合が多く、長期的なブランド認知に課題が出やすいです。このステップで話せる根拠を持てる名前に絞ります。
手順4:既存サービスとの競合を確認する
copilot.microsoft.comはBingと連携しているため、「似た名前が既に使われていないか」の初期確認に使えます。
以下の名称が、既存のSaaS・スタートアップ・金融サービスで既に使われていないか確認してください。
既知の類似名称があれば、サービス名と概要を教えてください。
確認したい名称:
1. ミカタス
2. Foresee
3. ざいらぼ
確認範囲:日本国内のサービスを中心に、英語サービスも含める
ただしCopilotの情報は完全ではありません。商標の重複確認は特許庁のJ-PlatPat(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)で必ず行います。Copilotの結果は法的な根拠になりません。
手順5:社内プレゼン用の比較スライドを作る
候補を経営者や関係者にプレゼンする場合、比較スライドが必要になります。PowerPointの場合はWordpointのCopilotサイドパネルで次のプロンプトを使います。
以下の3つの名称候補を比較するスライドを作成してください。
【スライド構成】
1. タイトルスライド:「サービス名称 最終候補」
2. 各候補のネーミングストーリー(1候補1スライド)
3. 3候補の比較表(覚えやすさ・検索性・競合差別化・ターゲット適合度の4軸)
4. 推奨案と理由(1スライド)
【3候補】
(ここにネーミングストーリーを貼り付け)
CopilotでPowerPointを効率化する手順では、スライドの構成変更や表の追加など、プレゼン全体の作成方法を解説しています。
名称の種類別プロンプトのコツ
ネーミングの方向性によって、プロンプトの書き方を変えると質が上がります。
造語・新しい言葉を作りたい場合
以下のキーワードを組み合わせた造語を20案出してください。
連想・語感・リズムを重視し、意味が分からなくても音で覚えやすいものを含めてください。
キーワード:財務・先読み・安心・軽い・手元
既存の言葉を使ってシンプルにまとめたい場合
「財務の先読みサービス」というコンセプトを、一般消費者にも分かる平易な日本語で
表現した名称を15案出してください。難しい言葉・業界用語は使わないこと。
英語ベースでグローバル展開も見据えたい場合
以下の条件で英語のサービス名を20案出してください。
- 4文字以内(ドメイン取得のしやすさを重視)
- 金融・財務のイメージがない、ニュートラルな英語
- 発音が日本語ネイティブにも難しくないもの
- 既存の大手金融・会計サービスと類似しないもの
M365統合版での活用:ブランドブックとの整合
Copilot for Microsoft 365がある場合、既存のブランドガイドラインや商品名一覧をWordで開きながら「この名称リストのスタイルと合っているか確認してください」と指示できます。既存の製品群との一貫性を確認する場面で特に有効です。
名称が決まった後にWordで商品説明文を作成する場合はCopilotでWordを効率化する手順を参照してください。
うまくいかない場合のポイント
候補が陳腐・似たようなものばかりになる場合 プロンプトの「イメージ」が曖昧なことが多いです。「競合他社のサービス名はA・B・Cで、これらとは明確に違う印象にしたい」のように具体的な対比を入れると方向性がズレなくなります。
英語名が発音しにくい場合 「日本語ネイティブが初見で読める英語発音のもの」と条件を追加します。例として「Salesforce・Notion・Slack」のように読みやすい既存例を参考として入れると精度が上がります。
上司や経営者の好みに合わない場合 「この候補が承認されない理由として考えられる批判を3つ出してください」とCopilotに批評させ、事前に反論の準備をします。会議でいきなり否定されるよりも、批判を先取りした説明ができる状態の方が採用率が上がります。
商標調査が不安な場合 「この名称と読み・発音が似ている登録商標の例を出してください」とCopilotに聞いたうえで、気になるものを特許庁のJ-PlatPatで調べます。最終確認は弁理士への相談が確実です。
ネーミングのブレストでCopilotが特に効果を発揮するのは「思いつきの幅を広げる」段階です。人間1人で出せる案は20〜30程度ですが、Copilotを使うことで50〜100案を短時間で俯瞰できます。その中から人間の感覚で「これは響く」と思えるものを選ぶ、という作業分担が最も効率的です。
よくある質問
CopilotはSNSや競合サービスの既存名称を確認できますか?
copilot.microsoft.comはBing検索と連携しているため、既存サービスとの名称衝突を調べる参考情報として使えます。ただし商標の重複確認は特許庁のJ-PlatPatなど公的データベースで必ず行ってください。Copilotの結果は法的根拠になりません。
ネーミングにCopilotを使う場合、どのプランが必要ですか?
copilot.microsoft.com無料版で名称案のブレスト・評価は可能です。WordやPowerPointと連携させてプレゼン資料を作る場合はCopilot for Microsoft 365ライセンスが追加で必要です。料金は公式サイトで確認してください。
英語名と日本語名をどちらも出してもらえますか?
プロンプトで「日本語案5つ・英語案5つ・ミックス案(英語ベースで日本語でも読みやすいもの)5つ」のように指定すると、それぞれの種類で候補が出ます。
名称案の評価基準はどう設定すればよいですか?
「覚えやすさ・検索のしやすさ・競合との差別化・ターゲット顧客のイメージ適合度」の4軸が一般的です。Copilotに評価基準を渡して各候補をスコアリングさせることもできます。