Copilotで表データを整形・名寄せする手順
この記事の要点
Microsoft CopilotとExcel統合版を使い、表データの整形・名寄せ・重複排除を行う具体的な手順。プロンプト例とM365統合版の操作を詳しく解説する。
結論
Excel統合版のCopilotは、表データの整形・名寄せ・重複排除を会話形式で指示できる。「会社名の表記を統一して」「重複した行を削除して」のように自然言語で依頼すると、Copilotが適切な処理を提案し実行する。数式を手書きする必要がなく、Excelに不慣れな担当者でも複雑な整形作業を進められる。
前提:必要なプランとアクセス方法
スタンドアロン版(copilot.microsoft.com)
テキストやCSV形式の小規模データをコピーペーストして整形を依頼できる。実際のExcelファイルを直接操作したい場合はExcel統合版が必要になる。
M365統合版(Excel Copilot)
Copilot for Microsoft 365ライセンスが必要になる。ExcelにCopilotが統合されており、開いているブックのデータを直接参照・操作できる。テーブル形式のデータに対して最も効果的に動作する。ライセンス要件の最新情報は公式サイトで確認してほしい。
なお、Excel CopilotはMicrosoft 365のExcelで動作する。オンプレミス版のExcelや古いバージョンでは利用できない場合がある。
手順:Excel統合版での表データ整形
ステップ1:データをテーブル形式に変換する
Copilotが最も安定して動作するのは、データが「テーブル」として定義されている場合だ。
- データが入力されているセル範囲を選択する
- 「挿入」タブ→「テーブル」をクリックする
- 「先頭行をテーブルの見出しとして使用する」にチェックが入っていることを確認し「OK」をクリックする
テーブルに変換すると、ヘッダー行がロック・フィルタが自動付与されて、Copilotが各列の意味を理解しやすくなる。
ステップ2:ExcelのCopilotパネルを開く
「ホーム」タブの右端にある「Copilot」ボタンをクリックするか、リボン右端のCopilotアイコンをクリックする。画面右側にCopilotのチャットパネルが開く。
ステップ3:整形の指示を入力する
表記ゆれを統一する(名寄せ)
会社名の「株式会社」「㈱」「(株)」の表記ゆれを統一するプロンプトの例だ。
「会社名」列に「株式会社」「㈱」「(株)」の表記ゆれがあります。
すべて「株式会社〇〇」の形式(会社名の前に「株式会社」を付ける)に統一するための
数式を提案してください。
Copilotは数式を提案し、新しい列として追加するか、元の列を上書きするかを確認してくる。最初は新しい列として追加してもらい、結果を確認してから元の列を置き換えるのが安全だ。
空白・改行を削除する
「氏名」列と「メールアドレス」列に、余分なスペースや改行が含まれているものがあります。
前後のスペースを削除し、全角スペースを半角スペースに変換するための列を追加してください。
重複行を削除する
「顧客ID」列で重複している行があります。
重複している場合は最初に登場した行を残し、2回目以降の重複行を削除してください。
削除前に、重複している行の一覧を表示してください。
「削除前に一覧を表示してください」を入れることで、実際に削除する前に確認できる。
データ形式を統一する
「登録日」列に「2026/06/05」「2026-06-05」「06/05/2026」など複数の形式が混在しています。
すべて「YYYY/MM/DD」形式に統一するための列を追加してください。
ステップ4:提案を確認して実行する
Copilotが提案を表示したら、内容を確認して「適用」をクリックする。数式が追加された新しい列が生成される。
結果が期待通りでない場合は「最初の5行の結果が正しいですが、6行目以降が誤っています。6行目を確認してください」のように具体的にフィードバックを送る。
ステップ5:手動確認と仕上げ
Copilotの整形結果は必ず目視で確認する。特に以下の点を重点的にチェックする。
- 名寄せで誤って統一されたレコードがないか(類似した名前を別人と扱っているか)
- 日付・数値の形式変換で誤った値になっていないか
- 削除した重複行の中に、削除すべきでないレコードが含まれていないか
確認完了後、作業用に追加した列の数式を値に変換(コピー→形式を選択して貼り付け→値)して整形作業を完了させる。
手順:スタンドアロン版でのテキストデータ整形
Excelを使わずに、テキスト形式・CSV形式の小規模データを整形する場合の手順だ。
ステップ1:データをコピーする
整形したいCSVデータやタブ区切りのテキストをコピーする。
ステップ2:Copilotに貼り付けて指示する
以下はCSV形式の顧客データです。
次の整形を行ってください。
1. 「会社名」列の「株式会社」「㈱」「(株)」をすべて「株式会社○○」形式に統一する
2. 「メールアドレス」列を全角→半角に変換する
3. 重複している「顧客ID」がある行を特定し、リストアップする(削除はしない)
整形後のデータをCSV形式で出力してください。
元の列名・列順は変えないでください。
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[CSVデータを貼り付け]
出力されたCSVをコピーして、Excelに貼り付けるかテキストファイルとして保存する。
応用:住所データの整形
住所データは特に表記ゆれが起きやすい。以下のプロンプトで整形できる。
「住所」列に以下のような表記ゆれがあります。
- 都道府県名あり・なしが混在(例:「東京都新宿区」と「新宿区」)
- 丁目・番地の表記が「1-2-3」「1丁目2番3号」「1丁目2番地3号」で混在
- 全角数字と半角数字が混在
「住所(整形済み)」列を追加して、以下の形式に統一してください。
- 都道府県名を含める
- 丁目・番地は「○丁目○番○号」形式
- 数字は半角
整形できない行は「要確認」と記載してください。
住所の整形は複雑なため、Copilotが一部の行を「要確認」とするのは正常な動作だ。それらは手動で確認する。
応用:名寄せのための類似度チェック
完全一致の重複削除は自動化しやすいが、「山田太郎」と「山田 太郎(スペースあり)」のような軽微な差異がある名寄せは注意が必要だ。
「氏名」列に、同一人物と思われる類似した名前が複数含まれている可能性があります。
以下のルールで一致候補を見つけてください。
- 姓と名の間のスペースの有無を除いて同一の名前
- 全角と半角が異なるだけの名前
候補のリストを「氏名A」「氏名B」「一致の理由」の形式で出力してください。
自動で削除・変更はしないでください。確認後に手動で対処します。
人名の判定はCopilotに任せず、あくまで候補を出力させて最終判断は人が行う方針が安全だ。
うまくいかない場合のポイント
Copilotがテーブルを認識しない
データがテーブル形式になっていない場合、Copilotが列名を認識できない。「ステップ1」の手順でテーブルに変換してから再度試みる。
数式の結果が一部の行で正しくない
Copilotが提案する数式は一般的なパターンを想定している。データに例外的な表記が含まれている場合は正しく処理できないことがある。「6行目の結果が誤っています。その行のデータは[実際の値]です。数式を修正してください」と具体的にフィードバックする。
重複削除で残したい行が削除された
重複を削除する前に、Copilotに「まず重複行の一覧を出力してください」と依頼して確認してから削除を実行する。削除後は「元に戻す」(Ctrl+Z)でやり直しができるが、複数操作後は戻せない場合があるため、作業前にファイルをバックアップしておく。
整形後のデータが新しい列に入った
Copilotは安全のため、元のデータを保持した状態で整形済みの列を新規追加することが多い。元の列を置き換えたい場合は「新しい列の内容で元の列を上書きしてください」と追加指示する。または手動で列をコピーして値貼り付けする。
個人情報を含むデータをスタンドアロン版に入力してしまった
社内のAI利用ガイドラインを確認し、必要に応じてセキュリティ担当者に報告する。以降は個人情報・機密情報を含むデータはM365統合版(テナントの保護ポリシーが適用される環境)で処理するよう運用を変える。
スタンドアロン版とExcel統合版の使い分け
| 状況 | 推奨する使い方 |
|---|---|
| 実際のExcelファイルを整形したい | Excel統合版のCopilotを使う |
| 小規模なCSV・テキストデータを整形 | スタンドアロン版に貼り付けて処理 |
| 数百行以上の大規模データ | Excel統合版(テーブル形式必須) |
| 個人情報・機密情報を含むデータ | M365統合版(テナントポリシー適用環境)のみ |
| 整形結果をすぐにExcelで使いたい | Excel統合版で直接出力させる |
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よくある質問
CopilotはExcelの数式を使わずにデータを整形できますか?
Excel統合版のCopilotは、会話形式の指示でデータの整形・フィルタ・並べ替えを行います。数式を直接書く必要はありませんが、Copilotが提案する数式をCopilotが代わりに入力する形になります。数式の意味を理解せずとも作業を進められる点が特徴です。
名寄せにCopilotを使うとき、AIが間違えることはありますか?
あります。「株式会社」と「(株)」の表記ゆれの統一など、ルールが明確なものは正確ですが、人名や会社名の一部が似ているケース(例:山田太郎と山田一郎)の判断はCopilotには難しいです。必ず目視で最終確認してください。
スタンドアロン版のCopilotでもデータ整形はできますか?
テキスト形式やCSV形式の表をコピーペーストして整形を依頼することはできます。ただし、大量データや実際のExcelファイルの操作はExcel統合版のほうが適しています。
データの内容をCopilotに渡すとき、個人情報の扱いはどうすればいいですか?
M365 Copilot for Microsoft 365はテナントのデータ保護ポリシーが適用されます。スタンドアロン版の場合は、個人情報・機密情報を含むデータをそのまま入力しないよう、社内のAI利用ガイドラインと公式の利用規約を確認してください。