Copilotで目標・OKRを書く手順
この記事の要点
Microsoft Copilotを使うと、曖昧な目標の言語化からOKRのKey Results設定まで30分かかっていた作業が10分以内に完成する。WordとTeamsを活かした具体的な手順を解説。
結論
Copilotに「自分の役割・達成したいこと・期間」を渡すと、OKR形式のドラフトが10分以内に出ます。Objective(目標)の言語化で詰まるケース、Key Results(成果指標)の数値設定で悩むケースの両方に対応できます。出力はあくまでたたき台で、数値の確認と上司との合意は必ず人間が行います。
必要なプランとアクセス方法
スタンドアロン版(copilot.microsoft.com) Microsoftアカウントでログインして使います。無料版でも目標・OKRのドラフト生成は問題なく機能します。
Copilot for Microsoft 365 WordのサイドパネルからCopilotを呼び出し、目標設定の文書を直接作成・編集できます。Teamsのサイドパネルを使うと、チームのOKRをチャンネルに投稿する文面も一緒に作れます。プランの詳細は公式サイトで確認してください。
手順1:Objectiveのドラフトを出す
目標設定で最初に詰まるのは「曖昧にしか思い描けていることを言葉にする」作業です。まずCopilotに自分の仕事の内容と目指している状態を渡して、Objectiveの候補を複数出させます。
私はB2B SaaS企業の営業担当者です。Q3(7月〜9月)の個人OKRを作ります。
以下の情報をもとに、Objectiveの候補を3つ出してください。
【現状】
- 担当商材:中堅企業向けの営業管理SaaS
- Q2の結果:新規受注10件(目標12件)、解約率2.5%
- Q3に取り組む重要テーマ:既存顧客のアップセルと新規開拓の並行強化
【条件】
- Objectiveは1〜2文で、測定はしないが方向性が明確に伝わる表現にする
- 「〜を強化する」のような抽象的な表現を避け、達成像が浮かぶ言葉にする
- 営業の現場感が伝わる言葉を使う
3案のObjectiveが出たら、自分の言葉に近いものを選んで続けます。どれも使えない場合は「3案のよいところを組み合わせて別の案を作ってください」と追加します。
手順2:Key Resultsを設定する
Objectiveが決まったら、測定可能なKey Resultsを作ります。OKRのKey Resultsは「何が起きれば目標が達成されたと言えるか」を数値で定義します。
以下のObjectiveに対して、Key Resultsの候補を4〜5個出してください。
【Objective】
既存顧客との関係を深め、1社1社の使いこなしを本気で支援する四半期にする
【条件】
- 各Key Resultsは「測定できる指標(数値)」を含める
- 数値はあくまで「もし達成したら野心的だが、到達可能なレンジ」で設定する
- Key Results同士が重複しないようにする
- 指標の種類を「活動量系(訪問数、コール数)」と「成果系(受注数、解約率)」の両方から入れる
私のQ2実績は以下の通りです:
- 既存顧客訪問:月平均8件
- アップセル受注:2件
- NPS(顧客満足度スコア):未計測
- 解約率:2.5%
出力されたKey Resultsの数値を自分の過去実績と照らし合わせ、高すぎず低すぎない水準に手動で調整します。Copilotが出した数値はあくまで参考であり、自社の実績や目標設定文化に合わせた修正が必要です。
手順3:部門OKRと個人OKRの整合を確認する
個人OKRは部門OKRと方向性が合っていることが重要です。部門OKRの文書がある場合は、それをCopilotに渡して整合性を確認します。
以下の部門OKRと、私が設定した個人OKRの整合性を確認してください。
矛盾や抜け漏れがあれば指摘してください。
【部門OKR(Q3)】
Objective:既存顧客の継続率を高め、ARRを前期比115%に成長させる
KR1:ネット解約率を1.5%以下に下げる
KR2:アップセル成約件数を部門全体で30件達成する
KR3:顧客NPS計測を開始し、スコア40以上を獲得する
【私の個人OKR(案)】
Objective:既存顧客との関係を深め、1社1社の使いこなしを本気で支援する四半期にする
KR1:担当顧客全社(15社)に対してQBR(四半期レビュー)を実施する
KR2:アップセル受注を4件以上達成する
KR3:解約率を担当顧客で0%に維持する
KR4:担当顧客のNPS計測を全社実施し、平均スコア42以上を目指す
整合していない点と、追加した方がよい指標があれば提案してください。
Copilotは「部門KR3のNPS計測と個人KR4が整合しています」「部門KR2の30件に対し個人KR2の4件は、営業人数の比率から見て適切か確認してください」といった具体的なフィードバックを返します。
手順4:Wordで目標設定シートに仕上げる
Copilot for Microsoft 365がある場合、Wordで目標設定シートを作成します。サイドパネルを開いて次のように入力します。
以下のOKRをもとに、上司との面談で提出する目標設定シートを作成してください。
【ここに手順1〜3のOKRを貼り付け】
形式:
- A4一枚
- 表形式でObjectiveとKey Resultsを整理
- 各Key Resultsに「測定方法」と「達成期限」の列を追加
- シートの下部に「重点施策・取り組み方針」を3〜5行で記載
スタンドアロン版の場合は同じプロンプトをcopilot.microsoft.comで実行し、出力をWordにコピーします。
手順5:チームメンバーのOKR設定をサポートする
マネージャーやリーダーがチームメンバーのOKR設定をサポートする場面でもCopilotは役立ちます。
私はB2B SaaS企業の営業マネージャーです。
メンバーのAさんの目標設定面談の準備をしています。
Aさんの状況:
- 入社2年目、個人としての受注は安定してきた
- 今期はチームの底上げに貢献してほしい
- 本人はプレゼンスキルの向上に関心がある
Aさんに提案するOKRのたたき台を作ってください。
Objectiveは1つ、Key Resultsは3つ。
個人の成長と組織貢献の両方を入れてください。
面談での提案材料として使い、最終的な目標はAさん本人と合意形成した内容に書き直します。
チームOKRをTeamsで共有する
OKRをチームに共有する際、Teamsへの投稿文もCopilotで作れます。CopilotでTeams会議を効率化する手順に詳しい手順がありますが、投稿文については次のプロンプトが使えます。
以下の部門OKRをTeamsチャンネルに投稿するメッセージを作成してください。
- 全体の方向性を1〜2文でまとめる
- 表でOKRを整理する
- メンバーに「自分の個人OKRを来週金曜までに共有してください」とお願いする文を添える
- 投稿全体は読むのに2分以内の長さ
【部門OKR】
(ここにOKRを貼り付け)
よくある目標設定の問題とCopilotを使った改善
「頑張ります」で終わる目標になる場合 「以下の目標をOKR形式に直してください。Key Resultsは全て数値で測れる形にしてください」と渡します。「顧客満足度を高める」は「担当顧客のNPS平均を現在の35から45に上げる」のように変換されます。
Key Resultsが活動量ばかりになる場合 「活動量指標(コール数・訪問数)と成果指標(受注数・解約率)のバランスを1:2の比率にしてください」と追加します。活動量だけのOKRは行動管理になり、成果への集中が薄れます。
目標が多すぎて優先できない場合 「8つのKey Resultsのうち、Q3の成果に最もインパクトのある3つに絞るとどれですか。理由も添えてください」と整理を依頼します。
M365統合版ならではの活用
Copilot for Microsoft 365がある環境では、過去の目標設定文書をWordで開きながら「去年の同期と比べてどう変化させるべきか提案してください」と指示できます。社内の目標設定テンプレートをWordで開いた状態でCopilotを呼び出し、「このテンプレートにOKRを埋めてください」と指示することも可能です。
会議でOKRを議論する場面ではCopilotで会議アジェンダを作る手順でアジェンダを事前に整えておくと、議論の質が上がります。
目標・OKRの設定でCopilotが最も効果を発揮するのは「最初の言語化」と「整合性の確認」の2点です。自分が頭の中でもやもやしていた方向性を言葉にする作業と、上位の目標との整合を確認する作業は、Copilotに渡すことで大幅に速くなります。数値の最終確認と上司との合意は必ず人間が担います。
よくある質問
CopilotでOKRを作るのに特別なプランは必要ですか?
copilot.microsoft.comの無料版でも目標・OKRのドラフト生成は可能です。WordやTeamsのサイドパネルから呼び出すにはCopilot for Microsoft 365ライセンスが必要です。料金は公式サイトで確認してください。
CopilotはOKRのフレームワーク(Objective・Key Results)を理解していますか?
はい。プロンプトに「OKR形式で」と指定すると、ObjectiveとKey Resultsを分けた構造で出力します。Key Resultsには測定可能な指標(数値目標)を含めることも指示できます。
個人目標と部門OKRの両方をCopilotで作れますか?
どちらも作れます。個人目標は業務内容と期間を渡すとドラフトが出ます。部門OKRは会社の方針・部門の役割・前期の成果を渡すと整合した形で作れます。
OKRのKey Resultsの数値はどう決めればよいですか?
Copilotに「現状と目標値の案を複数出してください」と依頼すると数値の選択肢が出ます。ただし自社の実績データは入力しない限りCopilotは参照できないため、数値の最終確認は必ず実績データをもとに人間が行ってください。