ツール比較・レビュー

Copilotでアイデア出しの壁打ちをする手順

Copilotでアイデア出しの壁打ちをする手順

この記事の要点

Microsoft Copilotをアイデア出しの壁打ち相手として使う手順を解説。企画・施策・命名などの発想支援でうまくいくプロンプトパターンと使い分けを具体的に説明する。

結論

CopilotはWebを検索しながらアイデアを広げる壁打ち相手として機能する。「今の市場で何が効果的か」という視点でリアルタイムの情報を参照しながらアイデアを出せる点がCopilot固有の強みだ。M365を使っている場合は社内の既存企画・過去の施策と組み合わせた壁打ちもできる。ポイントは「一度に多く求めない」「制約を与える」「否定してもらう」の3つだ。


前提:プランとアクセス方法

無料版(copilot.microsoft.com)

Microsoftアカウントがあれば無料で使える。Bing連携のリアルタイム検索が使えるため、「今のトレンドを踏まえたアイデア」を求める際に有効だ。

Microsoft 365 Copilot(法人向け)

社内の過去の企画書・プレゼン資料・議事録をSharePointやOneDriveから参照しながら壁打ちできる。「過去にやった施策と被らないか確認しながらアイデアを出して」といった使い方が実現する。

EdgeブラウザのCopilotサイドバー

競合他社のWebサイトや業界のニュース記事を表示しながらサイドバーCopilotを開くと、「この記事を踏まえて自社はどんな施策ができるか」という文脈でアイデア出しができる。


壁打ちで使う基本的な4つのアプローチ

アプローチ1:アイデアの量を一気に出す(発散フェーズ)

最初は質より量。制約を緩めて多様なアイデアを求める。

以下の課題に対するアイデアを20個出してください。
質やコストは問わず、とにかく多様な発想で。
実現可能性も今は考慮しなくて構いません。

課題:新規顧客の獲得コストが高く、リピーターが増えない
ターゲット:30〜40代のビジネスパーソン向けSaaSサービス

アプローチ2:アイデアを絞って深める(収束フェーズ)

発散後、注目するアイデアを選んで深掘りする。

先ほどのアイデアの中で「コミュニティ施策」「紹介プログラム」「コンテンツマーケティング」
の3つについて、それぞれ以下を教えてください。
・具体的な施策内容
・必要なリソース(人・コスト・期間)の概算
・期待できる効果の指標
・想定されるリスク

アプローチ3:反対意見をもらう(批判的思考)

アイデアに対して否定的な視点をもらうことで、弱点を事前に洗い出す。

以下の施策案に対して、反対意見・懸念点・想定される失敗ケースを挙げてください。
できるだけ批判的に見てください。

施策案:既存顧客に500円のギフトカードを配布してレビュー投稿を促すキャンペーン

アプローチ4:制約を与えて絞る

制約があるほど発想が具体的になる。

以下の制約の中でできる施策アイデアを10個出してください。
・予算:月10万円以内
・期間:3か月
・人員:担当者1人が片手間でできる範囲
・目的:既存顧客のリピート率を3か月で5%向上させる

シーン別プロンプト例

新サービス・製品名の命名

以下の条件で商品名・サービス名の候補を15個出してください。
・対象:中小企業の経理担当者向けの月次レポート自動化ツール
・印象:シンプル・信頼感・スピード感
・言語:日本語、英語、和英混合いずれも可
・避けたいこと:競合の名称と似ること(競合例:freee、マネーフォワード)

各案に命名の意図も1行で付けてください。

マーケティング施策のアイデア出し

以下の状況で実施できるマーケティング施策を10個提案してください。
Bing検索で最新の成功事例も参考にして構いません。

状況:
- BtoB SaaS(HR系)
- 認知度は低い、導入社数は200社
- 競合はリクルートワークス・SmartHR等の大手
- 差別化ポイント:中小企業特化、設定が不要でその日から使える
- 目標:半年で月20社の新規契約

既存施策の改善案

現在実施しているメルマガ施策について、改善案を提案してください。

現状:
- 月2回配信、配信数5,000通
- 開封率12%(業界平均は20%前後とされる)
- クリック率1.5%
- コンバージョン(資料DL)0.3%

改善の切り口:件名・コンテンツ・配信頻度・セグメント・CTAなど
各改善案に難易度(高/中/低)と期待効果も付けてください。

ブログ・SNSコンテンツのテーマ出し

以下の目的でブログ記事のテーマを20個出してください。
Bingで最新の検索トレンドも参照して構いません。

目的:
- 対象読者:中小企業の人事担当者(30〜40代)
- 目標:採用・組織開発の悩みを持つ人に役立つ情報を提供
- SEOで狙うキーワードのカテゴリ:採用戦略・1on1・人材定着・組織風土

社内施策・職場改善のアイデア

以下の課題に対する職場改善アイデアを15個出してください。
コストが低いものを優先してください。

課題:
- 部門間のコミュニケーション不足
- リモートワーク中心で帰属意識が下がっている
- 社員満足度調査のスコアが過去2年で低下傾向
会社規模:100人、平均年齢33歳、業種IT

イベント・勉強会の企画

以下の条件で社内勉強会の企画案を5パターン出してください。
各案にテーマ・形式・所要時間・必要なもの・期待効果を含めてください。

条件:
- 対象:営業部門(20人)
- 目的:AI活用スキルの底上げ
- 頻度:月1回
- 予算:無料〜1万円以内

Copilotを壁打ち相手として使う3つのコツ

コツ1:ロールを与える

単に質問するよりも、Copilotに役割を与えると出力の視点が変わる。

あなたは新規事業開発の経験豊富なコンサルタントです。
以下のアイデアに対して、市場性・実行可能性・収益性の3軸でフィードバックをください。

[アイデアを貼り付ける]
あなたは厳しいユーザーの視点で以下のサービスアイデアを評価してください。
「なぜ使わないか」「どこが不満か」を具体的に。

[アイデアを貼り付ける]

コツ2:組み合わせで発想を広げる

無関係に見えるものを組み合わせると新しい発想が生まれやすい。

以下の2つのコンセプトを組み合わせた新しいサービスアイデアを5つ出してください。
コンセプトA:サブスクリプション型のフィットネス
コンセプトB:企業の福利厚生プログラム

コツ3:段階的に出力を使い回す

最初の出力をたたき台として次のプロンプトに活用すると、アイデアの質が上がっていく。

[前の出力を貼り付けて]
このアイデアの中で最も独自性が高いと思う上位3つを選んで、
それぞれについて具体的な実行計画(6か月のロードマップ)を作ってください。

M365 Copilotで社内資料と組み合わせた壁打ち

Microsoft 365を使っている場合、過去の企画資料・市場調査・競合分析をSharePointから参照しながら壁打ちできる。

@[過去の施策資料.pptx] と @[競合分析2024.xlsx] を参照して、
今年度の新規事業アイデアを5つ提案してください。
過去に実施した施策と重複しないものを優先してください。

社内の蓄積情報をCopilotが読んで発想のたたき台を出してくれるため、「過去を忘れた提案」が減り、組織の文脈に沿ったアイデアが得られやすい。


うまくいかない場合のポイント

アイデアが毎回似たようなものになる

制約を変える(「競合が絶対やらないことで」)、ユーザーの視点を変える(「70代が使うとしたら」)、時代軸を変える(「2030年に実現している前提で」)などのバリエーションを試す。

アイデアが表面的すぎる

「もっと具体的に。想定ユーザーの行動フローまで説明して」と追加指示を送る。または「このアイデアの問題点を5つ挙げて、それを解決した改良版を提案して」と深堀りする。

Copilotに頼りすぎてアイデアが外部情報頼みになる

Copilotの出力はあくまで「学習済みデータからの再構成」であり、自社の文化・顧客の肌感・業界特有の事情は反映されない。Copilotのアイデアを参考にしながら、最終的な判断とアレンジは自分で行うことが重要だ。


アイデア出し後の次のステップ

壁打ちでアイデアが出たら、そのままCopilotとの会話を続けて形にしていける。

このアイデアで上司に1分で説明するエレベーターピッチを作って。
このアイデアを企画書の骨格(1ページ)にして。
背景・目的・施策概要・期待効果・スケジュール・コスト概算の構成で。
このアイデアに対してよく聞かれるであろう反論を5つ挙げて、
それぞれへの回答案も付けて。

関連記事

よくある質問

CopilotはアイデアのオリジナリティをどのくらいAIが生成していますか?

Copilotは学習済みのデータをもとに多様な候補を生成します。あくまでアイデアのたたき台であり、事業への適合や独自性は人間が判断・加工する前提で使うことを推奨します。

アイデア出しでCopilotとChatGPTはどちらがよいですか?

機能の差より使い方次第です。Copilotの特徴はBingによるリアルタイム検索との組み合わせで、市場動向を踏まえたアイデア出しができる点です。M365を使っている場合は社内資料と組み合わせた壁打ちもできます。

壁打ちで出てきたアイデアに著作権の問題はありますか?

生成AIの出力の著作権は国や状況によって解釈が異なります。Copilotが提示したアイデアをそのまま商標・製品名として使う場合は、事前に専門家に確認することを推奨します。

Copilotを使ったアイデア出しで、出力が毎回似た内容になる場合はどうすれば良いですか?

制約を変える(「予算ゼロで」「競合がやっていないことで」)、視点を変える(「反対意見から考えると」)、ランダム要素を加える(「無関係な単語○○から発想を広げて」)などの方法で新しい角度の出力が得られます。