Copilotでプレスリリースを作る手順
この記事の要点
Microsoft Copilotを使えば、発表内容の概要を渡すだけでプレスリリースの骨格を短時間で作れる。ブラウザ版・Word版それぞれの操作手順とプロンプト例を解説する。
結論
Copilotに発表の概要・背景・引用コメントを渡すと、プレスリリースの標準的な構造に沿った下書きが数分で完成する。広報担当者が0から文章を組み立てる時間が大きく減り、事実確認と表現の磨き込みに集中できるようになる。
新製品発表・サービス改定・資金調達・提携発表など発表の種類によってテンプレートを使い分けられる。一度プロンプトの雛形を作れば、発表のたびに条件を入れ替えるだけで使える。
前提:必要なプランとアクセス方法
copilot.microsoft.com(ブラウザ版) Microsoftアカウントがあれば無料で使える。情報をチャット形式で入力し、生成された文章をWordやメール、プレスリリース配信サービスにコピーして貼り付ける。
プレスリリースは報道機関や一般に公開される文書であるため、機密性の観点よりも「正確さ」が特に重要になる。発表前の情報をCopilotに入力する際は、社内の情報管理ルールに従ってほしい。
Word内のCopilot機能(M365統合版) Microsoft 365 Copilotライセンスが必要。自社のプレスリリーステンプレート(Wordファイル)を開いた状態でCopilotに下書きを生成させると、既存のフォーマットに合った形で文章が挿入される。過去のプレスリリースをSharePointに保存している場合、それを参照させてトーンや表現を揃えられる可能性がある。料金・プラン条件は公式サイトで確認してほしい。
手順:Copilotでプレスリリースを作る
ステップ1:入力情報を整理する
プレスリリースの下書きを生成する前に、以下の情報を手元に揃える。
- 発表の種類(新製品・サービス開始・資金調達・提携・人事など)
- 発表の概要(何を、いつから、どのように)
- 背景・目的(なぜこの発表をするのか)
- 主なターゲット読者(記者・業界関係者・一般消費者など)
- 経営陣や担当者の引用コメント(あれば)
- 会社概要・問い合わせ先
プレスリリースには「5W1H(誰が・何を・いつ・どこで・なぜ・どのように)」を冒頭で明確にする構造が基本。この情報を入力として整理しておくと、生成される文章の精度が上がる。
ステップ2:下書きを生成する
以下のプロンプトをそのまま使えるよう設計した。【】内を実際の情報に置き換えて使う。
以下の情報をもとに、報道機関向けのプレスリリースを作成してください。
日本のプレスリリースの標準的な構成(見出し・リード文・本文・引用・会社概要・問い合わせ先)に従ってください。
【発表の種類】新サービス開始
【会社名】株式会社メリオーラ
【発表日】2026年6月5日
【サービス名】AIアシスタント「Meliorra AI」
【発表概要】中小企業向けのAI業務支援サービスを2026年6月10日に正式リリース。月額3万円から利用可能。初期費用ゼロ。
【背景・目的】中小企業のAI活用が大企業に比べて遅れている課題を解決するため、IT専任者がいない環境でも導入できるサービスを開発した。
【主な特徴】
- 専門知識不要で導入当日から使える
- 既存のMicrosoft 365環境に接続できる
- 日本語専用のサポートデスクが平日対応
【代表者コメント】萩原保人(代表取締役):「中小企業がAIを活用することで、日本全体の生産性向上につながると信じています。このサービスが一歩目を踏み出すきっかけになれば幸いです。」
【会社概要】
会社名:株式会社メリオーラ
設立:2022年1月
所在地:東京都渋谷区
事業内容:AIソリューションの開発・提供
【問い合わせ先】
広報担当:広報部
電話:03-XXXX-XXXX
メール:pr@meliorra.co
ステップ3:発表の種類別にプロンプトを調整する
プレスリリースは発表の種類によって重点を置く情報が変わる。
資金調達の場合:
以下の情報をもとに資金調達のプレスリリースを作成してください。
投資家からの信頼性と今後の成長ストーリーを強調した内容にしてください。
【調達金額】総額3億円(シリーズA)
【主な投資家】〇〇ベンチャーキャピタル、△△投資
【調達の目的】エンジニア採用の強化(20名)および海外市場展開の準備
【今後の計画】2027年中に東南アジア市場への参入を予定
提携・パートナーシップの場合:
以下の情報をもとにパートナーシップ締結のプレスリリースを作成してください。
両社のメリットと顧客へのインパクトを具体的に示してください。
【提携先】株式会社〇〇
【提携の内容】販売代理店契約
【提携の目的】地方中小企業へのリーチ拡大
【顧客へのメリット】地元のサポート窓口を通じてAIサービスを導入できる
ステップ4:見出しのバリエーションを作る
プレスリリースの見出しは読者の興味を引く最初の接点。Copilotに複数案を出させると比較しやすい。
上記のプレスリリースの見出しを5パターン提案してください。
それぞれ以下の軸で1つずつ作ってください。
1. 数字・具体性を前面に出す
2. 課題解決を強調する
3. ターゲット顧客に語りかける
4. 変化・革新を訴求する
5. サービス名を強調する
ステップ5:M365統合版(Word)での操作
Microsoft 365 CopilotライセンスがあればWordの中で完結する。
- 自社のプレスリリーステンプレート(Wordファイル)を開く
- 上部リボンの「Copilot」ボタンをクリックしてパネルを開く
- 「下書きを作成」に上記のプロンプトを入力する
- 生成されたテキストがテンプレートの構造に沿って挿入される
- 特定の段落を選択して「このセクションをより簡潔にしてください」と指示すれば部分修正ができる
過去のプレスリリースをWordで保存している場合、「このプレスリリースと同じトーン・文体で書いてください」と指示すると、既存の表現スタイルを引き継いだ下書きが生成されやすい。
ステップ6:確認と修正
Copilotが生成したプレスリリースは、必ず以下の点を確認してから配信に回す。
| 確認項目 | 確認方法 |
|---|---|
| 会社名・サービス名の表記 | 公式の正式表記と照合 |
| 数値(金額・日付・人数など) | 社内の承認済み情報と照合 |
| 担当者名・引用コメント | 本人確認 |
| 問い合わせ先の連絡先 | 実際に届くか確認 |
| 法的に問題のある表現 | 法務確認(必要に応じて) |
| 発表前の情報が含まれていないか | エンバーゴ管理 |
うまくいかない場合のポイント
文章が長すぎてリード文が埋もれる 「リード文は100字以内で結論を述べてください」と明示する。プレスリリースのリード文は、それだけ読んで内容が分かる密度が求められる。
引用コメントが不自然に堅すぎる・柔らかすぎる 「〇〇代表らしい話し方で書いてください」「経営者として社会課題に言及するトーンにしてください」のように人物像や方向性を補足する。
専門用語が多くて記者に伝わりにくい 「IT知識のない記者が読んでも理解できる言葉で書いてください」と追加指示を出す。業界用語は必要最小限にして、括弧書きでの説明は避けて平文で伝わるよう修正する。
英語版も必要な場合 日本語版が完成したあとに「このプレスリリースを英語に翻訳してください。AP通信スタイルガイドに沿った表現を使ってください」と続けて指示する。
他のAIツールとの違い
ChatGPTやClaudeでもプレスリリースの下書き作成はできる。Copilotの特徴は、Word統合でのテンプレート活用にある。自社のプレスリリーステンプレート(ヘッダー・フォントサイズ・余白を含むWordフォーマット)に直接Copilotが下書きを生成するため、生成後のフォーマット調整が不要になる。
Copilotのブラウザ版はBing検索と統合されているため、発表に関連する市場背景を調べながら文章を作る用途にも使える。たとえば「この市場の現在のトレンドを踏まえたリード文に修正してください」と指示すると、関連情報を参照しながら文章を書き直す。
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よくある質問
Copilotが生成したプレスリリースをそのまま配信してよいですか
そのままの配信は推奨しません。会社名・数値・担当者名・問い合わせ先など事実情報を必ず確認し、法務・広報の確認を経てから配信してください。Copilotはあくまで文章化のサポートです。
英語のプレスリリースも同じ手順で作れますか
作れます。プロンプトの末尾に「英語で出力してください」と指定するか、日本語で作成後に「AP通信スタイルガイドに沿った英語のプレスリリースに翻訳してください」と指示します。
WordのCopilotでプレスリリースを作るにはどのプランが必要ですか
Word内のCopilot機能はMicrosoft 365 Copilotライセンスが必要です。ブラウザ版のcopilot.microsoft.comは無料のMicrosoftアカウントで利用できます。最新のプラン条件は公式サイトで確認してください。
プレスリリースの見出しだけCopilotに作らせることはできますか
できます。本文を入力した状態で「このプレスリリースの見出しを5パターン提案してください」と指示するだけです。キーワードや訴求軸を指定するとさらに絞り込まれた提案が返ってきます。