経理の社内メモをAIで素早く作る方法
この記事の要点
月次締め・経費処理の変更連絡など経理特有の社内メモをAIに下書きさせ、5分以内に完成させる手順と具体的なプロンプト例を紹介する。
結論
経理担当者が毎月繰り返す社内メモ(締め日変更・経費処理手順の周知・勘定科目変更のお知らせなど)は、AIに「送る相手」「伝えたい内容の箇条書き」「対応してほしい期限」を渡すだけで、読みやすい文章として数分で出てくる。定型的な内容ほど効果が高く、月に複数回発生するメモ作業の負担を大幅に減らせる。
使うAIツール
ChatGPT・Claude・Microsoft 365 Copilotのいずれかを使う。社外秘の数値が含まれる場合は、Microsoft 365 Copilotのようにテナント内でデータが閉じるツールが望ましい。個人利用のChatGPTやClaudeを使う場合は、金額・取引先名・個人名を仮の値(A社・100万円など)に置き換えてから入力する。
日常的に量が多い場合は、Copilot in Outlookを使うとメールの下書き機能から直接呼び出せて効率的だ。
手順
ステップ1:メモの目的と受け取り手を決める
メモを書く前に「誰に何をしてほしいのか」を一行で整理する。整理できていない状態でAIに渡すと、焦点がぼけた文章が返ってくる。
例:
- 営業部全員に対して、5月末の経費精算の締め切りを3日前倒しすることを知らせたい
- 経理チーム内で、新しい仮払い申請の手順が来月から変わることを共有したい
ステップ2:伝えたい内容を箇条書きにしてAIに渡す
文章として書く必要はない。箇条書きで情報を渡せば、AIが文章に変換してくれる。
以下の情報をもとに、社内向けの連絡メモを作成してください。
トーンは丁寧かつ簡潔に。箇条書きの情報を漏らさず文章にしてください。
- 宛先:全社員
- 件名:5月の経費精算締め切り日変更のお知らせ
- 変更内容:従来の5月31日(金)から5月28日(火)に前倒し
- 理由:月末が祝日と重なるため、経理の処理日程を確保するため
- 対応してほしいこと:5月28日(火)17時までに経費精算システムへ申請を完了する
- 期限を過ぎた場合:翌月精算になる旨も一言付け加える
- 担当:経理部 山田
ステップ3:トーンを指定して調整する
最初の出力が硬すぎる・柔らかすぎると感じたら、続けて以下のように指示する。
もう少し読みやすく、要点が一目で分かるように整えてください。
最初に「お知らせ」と「変更日」を太字にして、本文は3段落以内に収めてください。
文体の調整は一度の指示で大きく変わるため、「長すぎる」「箇条書きにしてほしい」「冒頭に結論を持ってきてほしい」など感じたことをそのまま日本語で伝えると素直に対応する。
ステップ4:数値・日付・担当者名を確認して送る
AIが出した文章には、入力した内容が正確に反映されているかを確認する。特に日付の曜日ずれ(「28日(火)」と書いたのに本当は月曜など)と、敬語表現の過不足を確認してから送付する。
具体例1:経費精算の締め切り変更連絡
6月の月次締めが26日(木)に前倒しになったケース。AIへの指示は以下の通りだった。
社内向けメモを作ってください。
- 宛先:全社員
- 件名:6月経費精算の締め切り前倒しについて
- 締め切り:6月26日(木)17時(通常は月末だが、今月は月次決算の前倒しのため)
- 依頼:26日17時までに申請完了。間に合わない場合は経理部まで事前連絡
- 担当:経理部 鈴木
文体は社内向けの丁寧なビジネス文書。300字以内にまとめる。
AIが出力したメモはそのまま使えるレベルだったが、「事前連絡」の宛先(メールアドレスや内線番号)が抜けていたため追記して送った。この確認作業を含めて5分以内で完成した。
具体例2:勘定科目の変更周知
来期から「消耗品費」の計上上限が変わり、一定金額以上は「備品費」として処理するルール変更を全社員に知らせるケース。
社内向けメモを作ってください。
- 宛先:全社員(特に備品を購入する機会が多い部門)
- 件名:来期からの消耗品費・備品費の区分変更について
- 変更概要:2026年7月1日から、1点5万円以上の購入は「備品費」として計上する
- 現行ルール:3万円以上が備品費だったが、基準額を引き上げる
- 対応してほしいこと:購入前に金額確認。不明な場合は経理部へ問い合わせ
- 問い合わせ先:経理部 田中(内線2201)
箇条書きと文章を組み合わせ、変更前後の比較表を含めてください。
変更前後の比較表をAIが自動で作ってくれたため、別途表を作る手間が省けた。この類の「規則変更の周知メモ」は変更点が明確なほどAIが適切な構成で出力しやすい。
うまくいかない場合
文章が長すぎる場合:「200字以内」「3段落以内」など上限を数字で指定する。AIは文字数の指定に対して比較的従順に対応する。
敬語が不自然な場合:「社内向けの丁寧な文体」に加えて「過度に丁重な表現は避ける」と補足する。日本語の敬語レベルは「社内普通体」「取引先向け丁寧体」などをはっきり指定するとずれが減る。
箇条書きで渡した情報が文章から抜ける場合:「以下の情報を全て含めてください。抜けがないか確認してから出力してください」という確認指示を末尾に追加すると改善する。
同じメモを毎月繰り返す場合:一度うまく行ったプロンプトをメモ帳やNotionに保存しておき、翌月は日付・金額だけ書き換えて再利用する。毎回ゼロから指示を書く必要はない。
FAQ
Q:社内メモを大量に作る場合、テンプレートとして保存する方法はありますか? A:ChatGPTのカスタム指示機能やClaudeのプロジェクト機能に「経理部の社内メモの書き方ルール」を保存しておくと、毎回指示を書かずに同じ品質のメモが出てきます。
Q:外部の取引先へのメモ(支払い案内など)にも使えますか? A:使えます。ただし取引先向けは社内向けより正確な敬語と法的に問題のない表現が求められるため、必ず送付前に上司またはベテラン担当者のレビューを経てください。
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よくある質問
社内メモの作成にAIを使うと情報漏洩のリスクはありますか?
社外秘の金額・個人名・取引先名などは仮の情報に置き換えてからAIに入力するのが基本です。社内のAIツール(Microsoft 365 Copilotなど)を使えばデータが社外に出ないため、より安全に運用できます。
経理メモに特有のフォーマットはありますか?
法律上の定めはありませんが、「件名・宛先・要旨・対応期限・担当者」を含めると受け取る側が迷わない構成になります。AIにこの5要素を埋めるよう指示すると過不足のないメモが出ます。
AIが作ったメモはそのまま送っても問題ありませんか?
数値・日付・担当者名が正確かを確認してから送ってください。AIは指定した情報を元に文章を生成しますが、文脈を誤解して事実と違う表現を入れることがあります。
短い社内メモでもAIを使う価値はありますか?
5行以下の短いメモでも、特に「角が立たない言い回しに直す」「丁寧さのレベルを調整する」などのニュアンス調整でAIは役立ちます。書く時間よりも言葉の調整に時間がかかっている方に特に向いています。