経理の議事録をAIで自動作成する手順
この記事の要点
経理担当者が会議の議事録をAIで効率よく作成する手順を解説。月次決算会議・監査対応・予算会議のメモからAIで議事録を整形するプロンプト例付き。
結論
経理の議事録作成にAIを使うと、会議後のメモ整理に30〜60分かかっていた作業が10分以内に収まります。AIにやらせるのは「箇条書きメモを読みやすい文章にすること」と「アジェンダごとに整理すること」です。発言の解釈や補完は人間が確認します。
使うAIツール
| ツール | 使い方 |
|---|---|
| ChatGPT / Claude | メモをテキストで貼り付けて整形・要約 |
| Whisper + ChatGPT | 録音ファイルを文字起こし後に整理 |
| Notion AI | Notionにメモを書いてそのままAI整理 |
| Microsoft Copilot(Teams) | Teamsの会議文字起こしから議事録生成 |
TeamsやZoomを使っている場合は、会議ツールの録音・文字起こし機能とAI統合を先に確認することをおすすめします。会議後のメモ整理から始める方法より、リアルタイム文字起こしからAI整形のほうが最終的には速くなります。
手順:経理会議の議事録をAIで作成する
ステップ1 会議中にメモを取る
AIに整理させるためのメモは、完璧な文章でなくて構いません。次の情報が含まれていれば十分です。
- 会議名・日時・参加者
- アジェンダ(議題)ごとの発言要点
- 決定事項(誰が・何を・いつまでに)
- 継続検討事項・次回持ち越し
メモの完成度が高いほどAIの出力精度は上がります。発言を一言一句書く必要はなく、「〇〇さん→5月の未収金は3件、来週回収予定」のような短い形で取るだけで十分です。
ステップ2 AIに議事録の整形を依頼する
以下は経理部の月次決算会議(2026年6月5日)のメモです。
これを正式な議事録フォーマットに整えてください。
【条件】
- 開催情報(日時・場所・参加者)を冒頭に
- アジェンダごとに見出しを立てる
- 各アジェンダの「報告内容」「決定事項」「担当者とアクション期限」を分けて書く
- メモにない情報は追加しないこと
- 文体は「〜ました」「〜になります」の敬体統一
【メモ内容】
日時:2026/6/5 15:00〜16:00
場所:第2会議室
参加:佐藤部長・田中・山田・鈴木(経理部)、各部門PM
① 5月度売上・コスト確認
田中:売上1億2000万、予算比+3%
原価:前月比-2%で着地
佐藤部長→要因をスライドに入れて来週の経営会議に出す
② 未収金管理
山田:5月末時点で3件残り、合計880万
A社→6/15に入金確認予定
B社→6/20、C社→交渉中
佐藤部長→C社は法務に相談を検討
③ 経費精算の遅延
鈴木:5件がシステム締め後に提出、6月に繰越
再発防止策→締め日3日前にリマインド送付を実施することを決定
ステップ3 出力の確認と調整
AIが生成した議事録を次の点で照合します。
- メモにある数字がそのまま記載されているか(1億2000万が別の数字になっていないか)
- 決定事項が正確に反映されているか
- アクション担当者・期日に間違いがないか
問題があれば、その箇所を指定して「〇〇の部分を〇〇に修正してください」と追加指示します。全体構造はそのままに一部だけ直す場合は、このやり取りが一番速いです。
経理固有の活用例
活用例1:予算会議の議事録
予算折衝の会議は発言が多く、決定事項と検討継続事項を分けるのが複雑になりがちです。AIに「決定・保留・宿題の3カテゴリで整理する」と指定することで、後から確認しやすい議事録になります。
以下は2026年度上半期の予算見直し会議のメモです。
次の形式で議事録を整理してください。
【出力フォーマット】
1. 開催情報
2. 主な報告事項(アジェンダごと)
3. 決定事項一覧(箇条書き)
4. 継続検討事項一覧(担当者付き)
5. 次回会議のアジェンダ候補
【重要】
- メモに記載のない内容を補完しないこと
- 金額・比率の数字はメモの数値をそのまま使うこと
【メモ】
(ここにメモを貼り付け)
「決定事項一覧」と「継続検討事項一覧」を別立てにしておくと、議事録をメールで送った後に参加者からの確認が早くなります。
活用例2:監査対応会議のメモから議事録
内部監査・外部監査の対応会議は、何が指摘されて何を対応するのかが明確に残る形が必要です。指摘事項・対応策・完了期限の3列を表形式で出力させると、後の管理がしやすくなります。
以下は内部監査フォローアップ会議のメモです。
指摘事項ごとに対応状況を整理した議事録を作成してください。
【出力条件】
- 開催情報を冒頭に記載
- 指摘事項ごとに:指摘内容・対応方針・担当者・完了期限をまとめた表を作成
- 完了済みの項目と対応中の項目を分ける
- 次回フォローアップ日程を末尾に記載
【メモ】
日時:2026/6/3 10:00〜11:30
参加:(メモから貼り付け)
指摘1:(内容)
指摘2:(内容)
…
うまくいかない場合の対処
問題1:AIが発言を補完してしまう
メモに書いていない内容が議事録に追加されることがあります。特に「〜ということで合意した」「引き続き改善を進める方針」のような一般的な締めの文が挿入されるケースがあります。
対処:プロンプトに「メモにない内容は絶対に追加しないでください。不明な点は空欄にしてください」と明示し、出力後にメモと照合します。
問題2:アジェンダの順番が変わる
メモの順序とは異なる構成で整理されることがあります。
対処:「メモのアジェンダ順序を変えないでください」と一行追加します。
問題3:文体が統一されない
「〜ました」と「〜である」が混在する場合があります。
対処:「文体は〜ました調で統一してください」と明示します。統一がうまくいかない場合は「です・ます体のみを使用し、〜だ・〜である調は使わないでください」と具体的に書くと精度が上がります。
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よくある質問
経理の議事録作成でAIを使うと何分で完成しますか?
会議中に取ったメモをAIに渡すだけなら、整形・構造化まで含めて3〜5分が目安です。ただし発言の補完ではなく、メモにある内容の整理・文章化に使うのが原則です。
音声録音をAIで文字起こしして議事録にすることはできますか?
Whisper(OpenAIの文字起こしモデル)やNotionのAI文字起こし機能を使うと、録音ファイルをテキストに変換できます。そのテキストをChatGPTやClaudeに渡して整理・要約すると議事録になります。会議参加者の同意を得てから録音することが前提です。
AIが作った議事録は社外に提出できますか?
監査対応資料や取締役会議事録など、公式性が求められる文書は、AI生成の草稿をそのまま提出せず、必ず担当者が内容を精査・承認した上で使用してください。
議事録にAIを使うと、実際に言っていないことが追加されることはありますか?
あります。AIはメモの行間を補完しようとする場合があります。プロンプトに『メモに書かれていないことは追加しないでください』と明示し、出力後に必ず原稿メモと照合してください。