経理の提案書をAIでつくる進め方
この記事の要点
経理担当者がAIを使って提案書を効率よく作成する方法を解説。業務改善提案・システム導入稟議・コスト削減提案など経理固有のプロンプト例付き。
結論
経理の提案書をAIで作る手順は、「伝えたい内容の箇条書きを準備してAIに構成と文章化を任せる」という流れです。提案の背景・課題・解決策・期待効果・費用・リスクという6要素をメモにまとめてから依頼すると、読みやすい提案書の草稿が10〜15分で手に入ります。
AIに任せるのは構成と文章化だけで、根拠となる数字・実績データは担当者が入力・確認します。
使うAIツール
| ツール | 向いている用途 |
|---|---|
| ChatGPT / Claude | 提案書の構成立案・文章化・説得力強化 |
| Notion AI | Notionで下書きを書きながらAIで補完 |
| Microsoft Copilot(Word) | Word文書として直接生成・整形 |
スライドとして提出する場合は、まずAIで文章の草稿を作ってから、その内容をスライドに転記する流れが作りやすいです。スライドの構成自体もAIに「〇枚構成のスライドのアウトラインを作って」と依頼できます。
手順:経理の提案書をAIで作成する
ステップ1 提案の6要素を箇条書きでまとめる
AIに渡す前に、次の6点を自分でメモします。AIはここに書かれた内容を構造化・文章化する役割を担います。数字は実績値や見積もりをそのまま書いてください。
- 背景・経緯:なぜこの提案が必要になったか
- 現在の課題:何が問題か。数字で言えるなら数字で
- 提案内容:何をするか
- 期待効果:何がどう改善されるか(できれば数字で)
- 費用・工数:初期費用・月次費用・関係者の工数
- リスクと対策:導入にあたって想定されるリスク
ステップ2 AIに構成と文章化を依頼する
以下の情報をもとに、経営層向けの業務改善提案書を作成してください。
【提案書の条件】
- 読み手:経理部長・CFO
- 目的:月次決算業務の自動化によるコスト削減の承認を得る
- 構成:背景・課題・提案内容・期待効果・費用・スケジュール・リスクと対策
- 文体:ビジネス文書として敬体(です・ます)で
- 分量:A4 2枚分(約1200字)
【提案の内容メモ】
背景:現在、月次決算の締め作業に経理3名で延べ40時間を費やしている。入力ミスによる差し戻しが月平均2件発生している。
課題:仕訳入力と元帳確認の2工程が手動のため、ミスが発生しやすい。確認作業に時間がかかり、月次レポート提出が締め日の翌々営業日になっている。
提案内容:会計ソフト〇〇の自動仕訳機能とRPA連携を導入し、手動入力工程を削減する。
期待効果:作業時間を現在の40時間から25時間(月15時間削減)に短縮。入力ミスによる差し戻しをゼロに近づける。レポート提出を締め日翌営業日に前倒しできる見込み。
費用:初期導入費用30万円、月次費用5万円(年間換算90万円)。現在の人件費ベースでの削減効果は年間120万円相当の見込み(最新の公式見積もりで確認してください)。
スケジュール:2026年7月導入開始、10月本稼働想定。
リスク:システム移行時のデータ整合性確認が必要。ベンダーサポートの品質に依存する部分がある。
ステップ3 草稿の確認と調整
生成された提案書を次の視点で確認します。
- 数字が入力した値と一致しているか(AIが勝手に計算・補完していないか)
- 提案の論理の流れが通っているか(課題と提案内容がつながっているか)
- 経営層が判断に必要な情報が全部揃っているか
- 費用対効果の根拠が具体的か
「費用対効果の部分が薄い」と感じたら、「費用対効果の説明をさらに具体的にしてください。数字の根拠として〇〇を追記してください」と追加指示します。
経理固有の活用例
活用例1:コスト削減提案書
経費削減施策の承認を得るための提案書は、現状コストと削減後コストの比較が核心です。AIに「現状と改善後を比較表で示す構成にしてください」と指定すると、視覚的に判断しやすい文書になります。
以下の条件で経費削減提案書を作成してください。
【提案の目的】
オフィス消耗品の購買一元化による年間コスト削減の承認を得る
【含める情報】
- 現状:各部門がバラバラに発注。年間消耗品費1,200万円。同じ品目でも部門ごとに仕入れ単価が異なる。
- 提案:購買部門に一元化し、数量割引を活用。
- 削減見込み:一元化で仕入れ単価を平均12%引き下げられる見込み(ベンダー見積もり済み)。年間144万円の削減。
- 実施コスト:購買システム変更の工数50時間(外部費用なし、内製対応)。
- リスク:各部門の発注自由度が下がり、急ぎの調達に対応しにくくなる可能性。承認フロー設計で対処する。
【条件】
- A4 1〜2枚
- 現状コストと削減後コストを比較表で示す
- 経営層向け・敬体
活用例2:経費精算システム導入の稟議書
稟議書はフォーマットが社内で決まっていることが多いです。その場合はフォーマットの項目をプロンプトに記載して、各欄の文章を埋めさせる使い方が効率的です。
以下は社内の稟議書フォーマットです。各項目の内容を以下のメモをもとに埋めてください。
【稟議書フォーマット】
1. 件名
2. 申請日・申請部署・申請者
3. 起案の目的・背景
4. 内容の詳細
5. 費用(初期・月次・合計)
6. 費用対効果
7. 実施スケジュール
8. 関連部署への影響
9. リスクと対策
【メモ】
(内容を箇条書きで貼り付け)
【条件】
- ビジネス文書として敬体
- 各欄200字以内で簡潔に
- メモにない情報は空欄にする
うまくいかない場合の対処
問題1:提案の論理が飛んでいる
「課題は書いてあるのに、なぜその提案でその課題が解決されるかの説明がない」という場合があります。
対処:「課題と提案の因果関係を明示する一段落を追加してください」と指示します。
問題2:費用対効果の計算が実態と合わない
AIが独自に計算した数字が入ることがあります。
対処:「費用対効果の数字は私が指定したものだけを使い、AIで計算しないでください」と明示します。
問題3:提案書がソフトすぎて説得力が薄い
経営判断を促す提案書は、数字と事実で組み立てる必要があります。
対処:「現状の問題を具体的な数字で示し、提案しない場合のリスクも明記してください」と追加指示します。
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よくある質問
経理の提案書作成にAIを使うとどれくらい時間が短縮できますか?
構成案を考えて白紙から書き始めるより、AIで骨格を出してから肉付けする方法だと、初稿までの時間が半分以下になることが多いです。ゼロから4〜5時間かかっていた提案書が2時間以内に収まるケースがあります。
AIが作った提案書の数字や根拠は信頼できますか?
信頼できません。AIは数字や根拠を自分で補完することがあり、その内容が正確とは限りません。数字・根拠・出典はすべて担当者が実データに基づいて入力・確認してください。
経理の稟議書もAIで書けますか?
はい。稟議書は提案書の一形式です。AIに「稟議書のフォーマット」と「目的・効果・費用・リスク」を渡すと、社内向けの稟議文書の草稿が作れます。ただし承認者が読む文書なので、数字と根拠は必ず実績値に基づいて修正してください。