経理の資料・スライドをAIで仕上げる方法
この記事の要点
経理担当者が月次決算報告・予算会議・経営報告向けのスライド資料をAIで効率よく仕上げる手順を解説。構成立案から文章化まで使えるプロンプト例付き。
結論
経理の月次報告・経営会議向けスライドをAIで仕上げる最短の方法は、「各スライドに載せるべき情報を箇条書きで整理して渡し、スライドの見出しと本文テキストを生成させる」ことです。スライドのデザインや配置は担当者が行い、AIは言葉の整理と構成の最適化を担います。
数字の補完はAIに任せず、実績データは担当者が確認・入力することが前提です。
使うAIツール
| ツール | 向いている用途 |
|---|---|
| ChatGPT / Claude | 構成案の立案・スライドごとのテキスト生成 |
| Microsoft Copilot for PowerPoint | PowerPointに直接スライドを生成 |
| Gamma | AIでプレゼン資料ファイルを丸ごと生成 |
| Notion AI | アウトラインをNotionで整理してから転記 |
月次決算のような定例資料はPowerPointやGoogleスライドのテンプレートを先に作り、毎月そのテンプレートにAI生成テキストを流し込む方法が最も効率的です。
手順:経理スライドをAIで仕上げる
ステップ1 スライドの目的・対象・枚数を決める
スライドの構成を依頼する前に、次の3点を決めます。
- 誰が聞くか(経営層・部門長・経理部内など)
- 何を決めてもらうか・何を伝えるか(報告・承認要求・情報共有)
- 何枚構成にするか(10枚前後の経営報告、5枚以内のコンパクト報告など)
この3点が曖昧なままAIに投げると、汎用的すぎて自社では使えない構成が出てきます。
ステップ2 構成案の生成を依頼する
以下の条件で月次決算報告スライドの構成案を作成してください。
【条件】
- 対象:経営会議(役員・CFO出席)
- 目的:5月度の業績結果を報告し、来月の注力ポイントを共有する
- 枚数:8〜10枚
- スライドごとに「見出し」と「そのスライドで伝えるべき内容の要点(箇条書き2〜3点)」を示してください
【含める情報】
- 売上実績とKPI達成率
- コスト実績(予算比)
- 未収金・キャッシュフロー概要
- 前月比較と主な変動要因
- 今後のリスク・課題
- 来月のアクションプラン
文字数が多すぎるスライドは分割してください。
ステップ3 各スライドのテキストを生成させる
構成案が出たら、データを入れて各スライドのテキストを生成します。
以下のデータをもとに、「5月度業績サマリー」スライドの見出しと本文テキストを作成してください。
【スライドの役割】
1枚目のサマリー。役員が30秒で5月の結果を把握できるようにする。
【使用するデータ】
- 売上:1億2,500万円(予算比+3.2%、前月比+1.1%)
- 売上原価:8,750万円(予算比-1.5%)
- 営業利益:2,100万円(予算比+8.4%)
- 未収金残高:880万円(前月比-200万円)
- 注記:大型案件Aが6月にずれ込み、売上構造は来月変動予定
【条件】
- 見出し:20字以内
- サブコピー:1〜2文、全体の結論を一言で
- 本文:箇条書き3〜5点
- 数字はそのまま使い、AIで計算や補完をしないこと
各スライドに同じ操作を繰り返します。一度に全スライドを依頼するとミスが増えるため、2〜3枚ずつに分けて依頼するほうが精度が安定します。
ステップ4 文章の最終確認と整形
生成されたテキストを確認します。
- 数字が入力したデータと一致しているか
- 経営層が判断できる情報が揃っているか
- 一文が長すぎないか(スライドの一文は30字以内が目安)
PowerPointやGoogleスライドに貼り付け、フォント・配置を整えて完成です。
経理固有の活用例
活用例1:月次決算の変動要因スライド
「前月比でコストが増えた理由」を説明するスライドは、数字だけ並べても意味が伝わりません。AIに「変動要因を3つに絞って説明してください」と依頼すると、因果関係を整理した文章が出てきます。
以下のデータをもとに、「コスト変動要因」スライドの説明文を作成してください。
【データ】
- 5月の販管費:2,400万円(前月比+180万円)
- 内訳変動:
・採用費:+100万円(新卒採用活動が本格化)
・外注費:+60万円(繁忙期のスポット発注)
・水道光熱費:+20万円(季節要因)
- 予算比:+2.5%
【条件】
- 変動理由を3点に絞り、箇条書きで書く
- 各要因を「何が・なぜ・どれだけ変動したか」の3点で説明する
- スライド1枚分のテキスト量(100〜150字程度)
- 数字はこちらが提示したものだけを使う
「なぜ変動したか」の説明は担当者が把握している背景をプロンプトに書いてください。AIは提供された情報をもとに文章を整えますが、原因の解釈は担当者が行います。
活用例2:予算会議のアジェンダスライド
予算会議の冒頭に使うアジェンダスライドは、参加者が会議の流れを把握するためのものです。AIに「所要時間付きのアジェンダを整理してください」と依頼すると、会議の時間配分まで考慮した文章が出てきます。
以下の内容で予算見直し会議のアジェンダスライドを作成してください。
【会議概要】
日時:2026年6月15日 14:00〜15:30(90分)
目的:2026年度下半期の予算修正承認
【議題と目安時間】
1. 上半期実績サマリー(20分)
2. 下半期の前提条件変更説明(15分)
3. 修正予算案の提示(30分)
4. 質疑・承認(20分)
5. クロージング・次回日程(5分)
【条件】
- スライド1枚分、箇条書き形式
- 各議題に目安時間を添える
- 参加者が会議の目的を冒頭で理解できるよう、一文でサマリーを入れる
うまくいかない場合の対処
問題1:スライドのテキストが長すぎる
生成されたテキストをそのままスライドに貼ると文字が収まらないことがあります。
対処:「各スライドの本文は3点以内・一点あたり30字以内で書いてください」と制約を入れます。
問題2:数字を勝手に計算・補完している
AIが入力していない計算値を出すことがあります。
対処:「数字は私が渡した値だけを使い、AIで計算や推計をしないでください」とプロンプトに必ず入れます。
問題3:経営層向けには文章が詳しすぎる
詳細が多すぎて主旨が伝わらない場合があります。
対処:「経営層は詳細より意思決定に必要な結論と数字を優先します。各スライドは結論を一文目に置いてください」と指示します。
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よくある質問
経理のスライド作成にAIを使うと何が速くなりますか?
最も速くなるのは「構成を考える」「各スライドに何を書くか決める」「文章を整える」の3工程です。データの読み取りや数字の解釈は担当者が行い、その結果をスライドの言葉に落とす部分をAIが担います。
AIで経理スライドを作るのに特別なツールが必要ですか?
ChatGPTやClaudeのブラウザ版だけで構成・文章化はできます。スライドファイルそのものを生成したい場合は、Microsoft Copilot for PowerPointやGamma(AI搭載スライド生成ツール)が選択肢になります。最新の料金や機能は各サービスの公式情報で確認してください。
月次決算のスライドはAIで毎月使い回せますか?
はい。テンプレートプロンプトを作成しておき、月次の数字だけ書き換えてAIに渡すと、毎月のスライド文章を短時間で更新できます。スライドの構造自体は固定しておく方が作業効率が上がります。