経理のアンケート設問をAIで作る方法
この記事の要点
経費精算ルールの浸透度調査・システム満足度調査など経理部門が実施するアンケートの設問をAIで作る手順とプロンプト例を解説する。
結論
経理部門が行う社内アンケート(経費精算ルールの理解度調査・会計システムの満足度調査・月次報告の読まれ方調査など)の設問は、AIに調査の目的・対象者・得たい情報を渡せば10〜15問を数分で生成できる。設問の言い回しが誘導的になっていないかの確認まで、同じチャット内で依頼できる。
使うAIツール
ChatGPT・Claudeを使う。アンケート設問の品質確認(誘導質問・曖昧な選択肢の指摘)はどちらも得意だ。作成した設問をGoogleフォームやMicrosoftフォームで使う場合、AIにフォームへの貼り付けがしやすい形式(設問番号・選択肢・設問タイプ付き)での出力を指定すると入力作業が楽になる。
手順
ステップ1:アンケートの目的と対象者を明確にする
設問の質は、目的と対象者の明確さで決まる。アンケートを作る前に以下を決める。
- なぜこのアンケートをするのか(目的)
- 誰が回答するのか(全社員・特定部門・管理職のみなど)
- 結果をどう使うのか(ルール改善・システム選定・研修計画など)
- 回答にかけてもらえる時間(3分・5分・10分など)
ステップ2:設問の骨格をAIに作らせる
以下の条件でアンケートの設問を作成してください。
目的:社内の経費精算ルールがどの程度浸透しているかを把握し、ルール改訂の優先度を決める
対象:全社員(約100名、経理担当者以外も含む)
回答時間:5分以内
設問数:10〜12問
使用ツール:Googleフォーム
要件:
- 単純な知識確認(〜のルールを知っていますか?)だけでなく、実際の行動(どのくらいの頻度で〜しますか?)と課題感(〜で困ったことがありますか?)も含める
- 選択肢は「はい/いいえ」「5段階評価」「複数選択」を適切に使い分ける
- 自由記述欄を最後に1問設ける
- 各設問にフォームで使う設問タイプ(単一選択・複数選択・記述式・評価)を付ける
ステップ3:設問の品質をチェックさせる
設問の初案が出たら、続けて品質確認を依頼する。
上の設問リストを以下の観点で評価し、改善が必要なものを指摘してください。
チェック観点:
1. 誘導的な言い回しになっている設問はないか(「〜してほしいと思いますか?」のような形)
2. 曖昧な言葉を使っている設問はないか(「よく」「適切に」など頻度・程度が不明確なもの)
3. 一つの設問に複数の質問が含まれていないか
4. 選択肢に抜け漏れや重複がないか
5. 回答者が経理担当者でない場合でも意味が分かるか
問題がある場合は改善案も示してください。
ステップ4:回答形式を最終調整する
フォームに貼り付けられる形式に変換する。
上の設問リストをGoogleフォームに入力しやすい形式に整えてください。
フォーマット:
【設問番号】設問文(設問タイプ)
選択肢がある場合:A / B / C / D の形式で横並びに
設問タイプは「単一選択」「複数選択」「5段階評価(1〜5)」「自由記述」のいずれか
ステップ5:集計後の分析視点も準備する
アンケートを送る前に、集計後の分析方針もAIと一緒に考えておく。
上のアンケートを実施した後、どのような集計・分析をすれば目的(ルール改訂の優先度決定)に役立てられますか?
特に注目すべき設問の組み合わせや、ルール改訂が必要と判断できる基準を教えてください。
具体例1:経費精算ルールの浸透度調査
月次締め後に「領収書の提出遅延が多い部門」が判明したことをきっかけに、ルール理解度を調査したケース。上記のプロンプトを使い、以下のような設問が生成された。
- Q1:経費精算の月次締め切り日を正確に知っていますか?(単一選択:はい / だいたい知っている / 知らない)
- Q2:先月、締め切り日までに経費精算を完了しましたか?(単一選択:はい / いいえ)
- Q3:締め切りに間に合わなかった場合、主な理由は何でしたか?(複数選択:領収書を紛失 / 締め切り日を忘れた / システムの使い方が分からなかった / 業務多忙で後回しにした / その他)
- Q4:現在の経費精算システムの使いやすさを評価してください(5段階評価)
- Q5:経費精算で困っていることがあれば教えてください(自由記述)
Q2とQ3を組み合わせて分析することで、「提出遅延の原因が期日の認知不足か・システムの問題か・意識の問題か」を切り分けられる設計になっている点が秀逸だった。AIが自動でこの組み合わせ分析の視点を設問設計に織り込んでいた。
品質確認ステップを実行したところ、Q3の選択肢に「通知メールが来ていなかった」が抜けていると指摘された。実際に過去に通知メールが届いていないケースが発生していたため、この選択肢を追加した。
具体例2:会計システムの更新に向けた満足度調査
旧来の会計システムから新システムへの移行の是非を検討するにあたり、現場の満足度を調査したケース。対象者が経理部内の8名と範囲が絞られていたため、「設問数を少なく・自由記述を多め」という方針で作成した。
AIへの指示:
会計システムの更新検討のため、現在のシステムへの満足度調査を行います。
対象:経理部内の担当者8名
回答時間:10分程度
設問数:8〜10問
特記事項:経理業務の専門家が対象のため、専門用語を使っても問題ない。
自由記述を多め(全体の3〜4割程度)にして、定性的な課題も拾えるようにしたい。
調査で特に知りたいこと:
- 現システムの機能で不満がある点
- 処理速度や操作性の評価
- 新システムへの移行に期待すること
- 移行時の懸念点
出力された設問は機能別の評価(仕訳入力・帳票出力・レポート機能・他システムとの連携)を5段階評価で聞いた後、自由記述で深掘りする構成になっていた。担当者8名の意見を網羅的に拾える設計で、そのまま使えるレベルだった。
うまくいかない場合
設問が的外れになる場合:目的が曖昧な状態でAIに渡している可能性がある。「このアンケートで何を決めるのか」という意思決定の目的を一行で明確にしてから再度指示する。
設問数が多くなりすぎる場合:「回答時間5分以内」という制約に加えて「設問は10問まで」という上限数を明示する。AIは制約を明確に指定するほど守りやすい。
選択肢が回答者の実情に合わない場合:AIは一般的な選択肢を生成する。「弊社の経費精算では電子レシートも使います」などの自社固有の状況を追加情報として渡すと、より実態に合った選択肢が出る。
自由記述が後回しにされる場合:「自由記述を最後に配置すると回答率が下がる可能性があります。重要な自由記述は設問の途中に配置することを検討してください」とAIに相談すると、設問順の再配置案を提案してくれる。
FAQ
Q:アンケート結果をAIで自動集計・分析できますか? A:Googleフォームなどの集計結果をCSVでエクスポートし、そのデータをAIに貼り付けて「傾向を分析してください」と指示すると集計サマリーが出ます。自由記述のカテゴリ分類もAIが担当できます。
Q:満足度調査で使う5段階評価の回答を後から数値化するには? A:「1=非常に不満〜5=非常に満足」などのスケールを最初に定義しておくと、後からExcelやAIで平均点計算や設問間の相関分析がしやすくなります。スケールの定義もAIに確認させることをお勧めします。
Q:アンケート送付のタイミングや文面もAIに頼めますか? A:頼めます。「上のアンケートを依頼するメール文面を作ってください。目的・所要時間・締め切りを含め、回答率を高めるための協力のお願いも入れてください」と指示します。
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よくある質問
アンケート設問作成にAIを使うメリットは何ですか?
設問の抜け漏れ・誘導的な言い回し・曖昧な選択肢といった問題をAIが事前に指摘できます。また、集計しやすい選択肢形式への変換や、回答者の負担を減らすための設問数の最適化も任せられます。
何問程度のアンケートをAIで作るのが適していますか?
5〜20問程度が目安です。それ以上になる場合は、AIに「回答時間が5分以内になるよう設問数を絞ってください」と制約を付けると、優先度の低い設問を自動で削減してくれます。
AIが作った設問をそのまま使っても問題ありませんか?
最終確認は必ず行ってください。特に選択肢の網羅性(「その他」の選択肢がないなど)と、専門用語の難易度が回答者層に合っているかを確認します。経理以外の社員が回答する場合は、専門用語をやさしく言い換えてください。