事務・アシスタントのデータ集計・分析をAIで行う手順
この記事の要点
勤怠集計・経費集計・アンケート集計など事務・アシスタント業務のデータ処理をAIで効率化する具体的な手順とプロンプト例。Excelの数式生成も解説する。
結論:数式の生成とデータの要約文化がAI活用の二大恩恵
事務・アシスタント業務のデータ処理には、毎月の勤怠データの集計、各部署の経費申請データの取りまとめ、アンケート結果の分類・集計、取引先別の発注実績の整理などが含まれる。これらの作業でAIが最も効果を発揮する場面は「必要な数式を書いてもらう」ことと「集計結果を文章に変換する」ことの2つだ。
数式の調べ直しと試行錯誤にかかる時間が大幅に減り、集計後の報告文作成もAIに任せられる。
使うAIツールの特徴
| ツール | データ処理方法 | 適した用途 |
|---|---|---|
| Claude Pro | テキスト・ファイル貼り付け | 数式生成・自由記述の分類・要約文作成 |
| ChatGPT Plus(Code Interpreter) | CSVアップロード・Python実行 | データ分析・グラフ生成 |
| Microsoft Copilot(Excel) | Excelファイル内で直接操作 | 数式提案・グラフ作成・要約 |
| Google Gemini(Sheets連携) | Googleスプレッドシート内 | スプレッドシートの関数生成・整理 |
個人情報や機密データを含む場合は社内のセキュリティポリシーを確認し、エンタープライズ版か社内導入済みのツールを使う。
手順①:AIにExcel数式を作成させる
ステップ1:シートの構造をAIに伝える
数式を正確に作成させるには、シートの構造を具体的に伝えることが重要だ。以下の情報を整理してからプロンプトを入力する。
- シート名(複数シートを参照する場合)
- 各列のヘッダー名と列番号
- データが入っている行範囲
- 何を計算したいか
勤怠集計の数式を生成させるプロンプト例
ExcelのSUMIFS数式を作ってください。
【シート構成】
シート名:勤怠データ
A列:氏名
B列:日付(YYYY/MM/DD形式)
C列:出勤時間(HH:MM形式)
D列:退勤時間(HH:MM形式)
E列:残業時間(数値・時間単位)
集計シートのA2セルに氏名、B2セルに月(2026/6 のような形式)が入っています。
【作成したい数式】
集計シートのC2に入れる数式として、
「A2セルの氏名で、B2セルの月に一致するデータの残業時間合計」を計算する数式を作ってください。
数式と、その数式で使っている関数の説明も教えてください。
ステップ2:数式を貼り付けて動作確認する
AIが出力した数式をExcelに貼り付けて動作を確認する。エラーが出た場合は、エラーメッセージと実際のデータ構造をAIに返す。
エラーが出た場合の追加プロンプト例
先ほどの数式を貼り付けたところ、#VALUE!エラーが出ました。
実際のデータを確認したところ、B列の日付は「2026/06/01」という形式ではなく
「2026-06-01」のハイフン区切りでした。
この形式でも動作するように数式を修正してください。
手順②:アンケートの自由記述をAIで分類・要約する
ステップ1:分類の軸を決める
自由記述の分類は、分類軸が曖昧だと結果がばらつく。事前に「何のために分類するか」と「分類後に何を伝えるか」を決めてからプロンプトを組む。
ステップ2:分類・集計プロンプトを入力する
社内アンケートの自由記述を分類するプロンプト例
以下は社内業務改善アンケートの自由記述回答(○○名分)です。
経営会議向けの報告資料として、以下の形式で整理してください。
1. 回答をカテゴリに分類する(6〜8カテゴリ、カテゴリ名も提案してください)
2. 各カテゴリの件数と全体に占める割合(表形式)
3. 各カテゴリから代表的なコメントを1〜2件抜き出す
4. 全体の傾向を2〜3文で要約する
カテゴリは「業務量・効率」「コミュニケーション」「環境・設備」「評価・処遇」「その他」
を軸にしつつ、実際の回答に合わせて調整してください。
---
[ここに自由記述回答を貼り付け(氏名は削除すること)]
ステップ3:集計結果を報告文に変換する
集計が完了したら、報告文の作成もAIに依頼できる。
集計結果を報告文に変換するプロンプト例
以下は今月の部門別経費集計の結果です。
部長向けの月次報告書に記載する集計コメント(200字以内)を作成してください。
【集計結果】
・総経費:○○万円(前月比+5.2%、予算比-2.1%)
・最多費目:交通費 ○○万円(全体の34%)
・前月から増加した費目:接待交際費(+15%)、消耗品費(+8%)
・前月から減少した費目:通信費(-12%)
金額は以下の表記で記載してください:
・金額は「○○万円」形式
・増減は「前月比+○%」の形式
数値はすべて上記データをそのまま使用してください。推測や補足は不要です。
うまくいかない場合の対処法
AIが作った数式が動かない
エラーメッセージ・列の実際のヘッダー名・データ型(日付形式・数値か文字列か)の3点を一緒に貼り付けて「この条件で数式を修正してください」と返す。列の名前を正確に伝えると精度が大きく上がる。
自由記述の分類が大雑把すぎる
「もう少し細かく分類してください。特に○○に関する意見は別カテゴリに分けてください」と追加指示する。最初から分類の軸を多めに指定するよりも、大分類で出てから細分化する方向が整理しやすい。
数字が多い集計結果の要約文が間違っている
「数字は私が提供したデータのみを使い、計算・推測は一切しないでください」と制約を明示する。出力後は数値を一つ一つ原データと照合する。
事務・アシスタント固有の活用場面
勤怠データの月次集計を毎月の定型作業から効率化する
毎月同じ構造の勤怠データを集計する場合、最初の月にAIで作成した数式と集計手順をまとめておくと、翌月以降は手順通りに進めるだけでよくなる。「この数式と手順を、毎月使えるExcel操作マニュアルとして箇条書きで整理してください」とAIに依頼するとマニュアルが自動的にできあがる。マニュアル作成と組み合わせると属人化防止にもなる。
部署ごとに違う形式で届く経費申請を統合集計する
各部署が独自のフォーマットで送ってくる経費申請データを一つの表にまとめる際、各フォーマットの列構成をAIに貼り付けて「この3種類のフォーマットを統合するためのExcel数式またはPower Queryの手順を教えてください」と依頼すると、統合方法の設計が短時間でできる。
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よくある質問
データ集計にAIを使うとどんな作業が省けますか?
集計に使うExcel数式の作成、集計結果のグラフ化方針の提案、アンケートの自由記述を分類・要約する作業、集計レポートの文章化などが省ける。数式の記述ミスや関数の調べ直しにかかる時間が大きく減る。
個人情報が含まれるデータをAIに渡してよいですか?
社外のAIサービスに個人情報を送ることは原則として避ける。氏名・住所・給与などが含まれる場合はエンタープライズ版や社内導入済みのツールを使う。データを匿名化・サンプル化してから構造だけを渡し、数式や手順だけをAIに作らせる方法も有効だ。
AIに数式を作ってもらったときにエラーが出る場合はどうすればよいですか?
エラーメッセージをそのままAIに貼り付けて「このエラーの原因と修正方法を教えてください」と入力する。列名・シート名・データ型の情報も一緒に伝えると精度が上がる。
大量のアンケート自由記述をAIで分類できますか?
できる。回答を貼り付けて「以下の自由記述回答を5〜8カテゴリに分類し、各カテゴリの件数と代表コメントを表形式で整理してください」と指示する。分類の軸を事前に指定するとさらに精度が上がる。