職種別AI仕事術

事務・アシスタントの用語集をAIで作る方法

事務・アシスタントの用語集をAIで作る方法

この記事の要点

AIを使えば、業務で使う専門用語や社内独自の略語を整理した用語集が1日で完成します。事務・アシスタント業務向けのプロンプト例と構成の作り方を解説します。

結論

AIに業務の種類・対象読者・収録する用語のリストを渡すと、定義・解説付きの用語集の下書きが1日以内で出来上がります。業界用語・社内略語・法令用語を別々に整理する手間をAIが担い、担当者は社内固有の補正だけに集中できます。


どのAIツールを使うか

用語集作成に向いているツールを比較します。

ツール特徴向いているシーン
ChatGPT(GPT-4o)幅広い業界用語を高精度で定義できる業界標準の用語集を一気に生成
Claude(Sonnet以上)長文の業務資料から用語を抽出させやすい既存の資料を読み込ませて用語を自動抽出
Notion AINotionのページ内で用語集を直接整形できるNotionで管理する社内ドキュメントに組み込む

すでに社内資料(マニュアル・規程・提案書)がある場合は、Claudeにそのテキストを渡して「この文章中に出てくる専門用語を抽出して定義をつけてください」と指示するのが最も効率的です。


手順:用語集をAIで作る

ステップ1:用語の候補リストを作る

最初から定義をAIに書かせる前に、用語の候補リストを用意します。

方法A:既存の資料から抽出する

マニュアル・業務手順書・会議資料などのテキストをAIに渡し、専門用語を自動で抽出させます。

方法B:ゼロからリストアップする

担当業務の種類をAIに伝えて、一般的によく使われる用語を提案させます。

方法C:口頭収集

チームメンバーに「新入社員が最初につまずく言葉」を聞いて手書きリストにし、それをAIに渡します。

ステップ2:プロンプトを入力する

以下はコピーして使えるプロンプト例です。

以下の条件で業務用語集を作成してください。

【対象業務】総務・庶務・秘書業務全般
【対象読者】入社1〜3か月の新入社員または中途採用者
【収録する用語の分類】
1. 社内手続き関連(稟議、決裁、経費精算など)
2. 文書管理関連(文書番号、保存期間、廃棄手続きなど)
3. 会議・スケジュール関連(定例会、週次MTG、アジェンダなど)
4. 取引先・契約関連(発注書、請書、検収、与信など)

【各用語の記載形式】
- 用語名
- 読み方(ふりがな)
- 定義(2〜3文、平易な言葉で)
- 使用例(実際の業務でどう使われるかを1文)
- 関連用語

【注意点】
- 一般的な業界用語は定義を書いてください
- 社内固有の可能性がある用語には「※社内確認要」と注記してください
- 50〜70語程度を目安にしてください

ステップ3:出力を確認・補完する

AIが出力した用語集を3段階で確認します。

1段階目:定義の正確性確認

業界用語・法令用語の定義は、専門書・公官庁サイト・業界団体のサイトと照合します。「稟議」「検収」「与信」などの法務・財務用語は特に慎重に確認してください。

2段階目:社内固有情報の補完

「※社内確認要」の注記がついた用語に、自社の定義・運用ルール・担当部署を補記します。例えば「稟議」の定義は一般的ですが、「弊社では5万円以上の支出に稟議が必要で、課長→部長→社長の順で承認を得る」という運用情報はAIが知りません。

3段階目:用語間のつながりを確認

「関連用語」の欄が適切にリンクされているか確認します。「発注書」の関連用語に「注文書」「請書」「検収」が入っているかなど、業務の流れに沿った関連付けがされているか確認します。

ステップ4:形式を整える

用語集の最終形式を決めて整形します。

Word/Excelに整形する場合:

上記の用語集を、Excelの表形式で出力してください。
列の順序:用語名 / 読み方 / 定義 / 使用例 / 関連用語 / 確認状況(確認済/社内確認要)
各セルの内容は1〜3行以内に収めてください。

Web(Notion・社内wiki)に整形する場合:

上記の用語集を、五十音順に並べ替えてください。
各用語の見出しはH3(###)、定義・使用例・関連用語はそれぞれ箇条書きで出力してください。

具体例2つ

例1:経費精算・会計関連の用語集

新入社員が経費精算の手続きでつまずきやすい用語を整理する場面を想定します。

以下の条件で、経費精算・会計関連の用語集を作成してください。

【対象読者】経費精算が初めての新入社員
【収録する用語数】20〜30語
【含めてほしい用語の例】
勘定科目、仮払い、領収書と領収証の違い、消耗品費、交際費、接待交際費の上限、
出張旅費精算、日当、インボイス制度、適格請求書

【各用語の記載形式】
- 用語名と読み方
- 何のための用語か(目的・背景)
- 経費精算の実務でどう使うか(1〜2文)
- よくある間違いや注意点(あれば)

社内固有のルール(金額の上限・申請期限など)については「要社内確認」と記載してください。

出力された用語集に、自社の経費精算システム名・申請期限・承認フローを追記すれば、そのまま新入社員への配布資料として使えます。

例2:社内略語・独自用語の整理

長年運用されてきた社内独自の略語や慣習用語を整理する場面です。

以下の社内略語・用語のリストに対して、定義と使用例を付けてください。

【用語リスト】
- WS(弊社内でのウィークリーサマリーの略)
- KA会議(関係者アップデート会議の略)
- 青伝(請求書の意味で使われている)
- 上番・下番(シフト勤務の用語)
- 回稿(原稿の回覧・確認プロセス)

【条件】
- 各用語の定義を2〜3文で書いてください
- 実際の会話・業務での使われ方を1文の例文として示してください
- 社外では通じない可能性がある用語には「社内用語」と明記してください

社内固有の略語はAIには正しく定義できないため、用語名と「これは社内で○○を指す」という情報をセットで渡す必要があります。このプロセスで用語の意味を言語化すること自体が、引き継ぎ書作成の下準備にもなります。


うまくいかない場合

定義が長くなりすぎる

「定義は2〜3文以内に収めてください」と文数制限を指定します。また「初めて聞いた人が30秒で理解できる説明にしてください」という指示も有効です。

定義が難しすぎる

「小学校高学年でも理解できる言葉で説明してください」と平易さの基準を指定します。読み手が業務未経験者の場合は特に有効です。

関連用語が少ない・的外れ

「この用語と同じ業務フロー内で使われる用語を3〜5個挙げてください」と追加で質問します。業務フローを文章で説明してから「この中に出てくる用語をすべて関連用語として列挙してください」と指示する方法も効果的です。

社内固有用語をAIが誤って定義する

「この用語は社内でのみ使われるもので、一般的な定義は当てはまりません。この用語の定義は(正しい定義)です。この定義をもとに使用例を作成してください」と正しい定義を先に提示します。


用語集の管理と更新

用語集は一度作ったら終わりではなく、継続的に更新が必要です。

更新のタイミング追加・修正すべき内容
新しい法令・制度の施行時関連する法律用語・行政用語
社内ツール・システムの変更時新システムの操作用語
新しい取引先との取引開始時取引先固有の用語・略語
引き継ぎ発生時後任者が知る必要がある用語の追加

Notionで管理する場合は、「最終更新日」「確認者」の列を設けると用語の信頼性管理がしやすくなります。

用語集はマニュアルと組み合わせると効果が高まります。マニュアル作成のAI活用では、用語集を参照しながらマニュアルを書く手順を解説しています。

書類作成時に不明な用語が出てきた場合の確認手順は書類作成のAI活用を参照してください。


用語集を他の資料に活用する

作成した用語集は、以下の資料の基礎情報としても使えます。

議事録への活用: 議事録の末尾に「この議事録で使われた用語の説明」として用語集を引用すると、後から読む人が理解しやすくなります。議事録作成のAI活用と組み合わせて活用できます。

メール対応への活用: 取引先から専門用語について問い合わせが来た場合、用語集から定義を引用してメールの返答を作れます。メール作成のAI活用と組み合わせると返答の質が上がります。


まとめ

AIを使った用語集の作り方をまとめます。

  1. 用語の候補リストを先に作る(資料からの抽出・ゼロからのリストアップ・ヒアリング)
  2. 対象読者・収録用語数・記載形式をプロンプトに明記する
  3. 社内固有の可能性がある用語には「社内確認要」の注記を出力させる
  4. 業界標準用語は専門書・公官庁サイトで定義の正確性を確認する
  5. 社内固有の運用情報(金額上限・期限・承認フロー)は自分で補記する
  6. 定期的に更新し「最終更新日」「確認者」を記録する

用語集作成で最も時間がかかるのは「社内固有情報の確認」です。AIはこの部分を行えませんが、それ以外の定義作成・形式整理・関連用語の抽出をAIが担うことで、全体の作業時間を大幅に短縮できます。

よくある質問

用語集を作る目的はどんな場面で生まれますか?

新入社員・中途採用者の受け入れ、業務マニュアルの補助資料、部署間の引き継ぎ、取引先との契約書・仕様書の読み方説明などが代表的です。特に事務・アシスタント職は多くの部署と連携するため、部署ごとに異なる略語や慣習用語が多く、用語集の整備が業務効率に直結します。

AIが作った用語の定義が正確かどうかわかりません。どう確認しますか?

一般的な業界用語はAIが高精度で定義できますが、社内独自の略語・自社製品名・取引先固有の名称は必ず担当者に確認が必要です。AIが「定義不確かな可能性があります」と注記を付けた項目は特に注意してください。

用語集はどこに保存・共有するのが適切ですか?

NotionやConfluenceのような社内ドキュメントツール、SharePointやGoogle Driveの共有フォルダが一般的です。更新頻度が高い場合は編集しやすいNotionが向いており、印刷して配布する場合はWordが適しています。

用語数が多い場合、どう優先順位をつけますか?

AIに「初めてこの業務を担当する人が最初の1か月で必ず知る必要がある用語を優先してください」と指示します。頻出度・重要度・理解の難易度を基準に絞り込むと、実用的な用語集になります。