事務・アシスタントの1枚サマリー資料をAIで作る方法
この記事の要点
AIを使えば、長い報告書や会議内容を1枚にまとめたサマリー資料を30分以内で作れます。事務・アシスタント業務向けのプロンプト例と構成の作り方を解説します。
結論
AIに元の資料と「1枚にまとめる条件」を渡すと、サマリー資料の骨格が30分以内で完成します。長い報告書・会議資料・議事録を読む時間がない上司や役員に、要点だけを届けるための資料作成がAIで大幅に効率化できます。
どのAIツールを使うか
1枚サマリー資料の作成に向いているツールを比較します。
| ツール | 特徴 | 向いているシーン |
|---|---|---|
| ChatGPT(GPT-4o) | 構造化された要約が得意。Markdown形式で出力できる | テキストからの要約・骨格作成 |
| Claude(Sonnet以上) | 長文資料の要点抽出に強い | 長い資料を一度に渡して要約する |
| Microsoft 365 Copilot | WordやPowerPointの内容を直接要約できる | 社内Officeファイルを1枚にまとめる |
Copilotを使えるなら、Wordで開いた報告書に対して「この文書をA4一枚のサマリーにまとめて」と指示するだけで、そのままWordに出力されます。Copilotがない場合は、文書のテキストをコピーしてChatGPTまたはClaudeに貼り付けて整形する方法が現実的です。
手順:1枚サマリー資料をAIで作る
ステップ1:元の資料から必要部分を抽出する
長い資料をAIに渡す前に、以下の部分を優先して抽出します。
- 目次・見出し:全体の構造を把握させる
- 数値が入っている段落:具体的なデータは省略できない
- 結論・提案・意思決定事項:最も重要な箇所
- 次のアクション・担当・期限:実行に必要な情報
すべてを貼り付けられる場合はそのままで構いません。長すぎる場合は上記の優先度で絞り込みます。
ステップ2:プロンプトを入力する
以下はコピーして使えるプロンプト例です。
以下の資料を、A4縦1枚のサマリー資料にまとめてください。
【元の資料】
(ここに資料のテキストを貼り付け)
【条件】
・読む相手:部長(詳細は読む時間がない)
・目的:提案内容の承認を得る
・盛り込む情報:背景・現状の課題・提案内容・期待効果・必要な承認事項
・形式:見出しつきの箇条書き、重要な数値は太字で示す(Markdown形式)
・文字量:全体で400〜600字程度に収める
・なぜその提案なのかの根拠を1〜2行で必ず含める
要約の際に省略した重要情報があれば、末尾に「省略した主な情報」として3点以内でリストアップしてください。
ステップ3:構成を確認する
AIが出力したサマリーを以下の観点で確認します。
- 読む人が意思決定できる情報が揃っているか
- 数値が正確に引用されているか(元の資料と照合)
- 背景・課題・提案・効果・アクションの流れがつながっているか
- 省略してはいけない情報が抜けていないか
省略リストが出力された場合は、それが本当に不要かどうかを判断します。
ステップ4:見た目を整える
AIが出力したテキストをWordまたはPowerPointに貼り付けて体裁を整えます。
Wordに貼り付けた後にやること:
- 見出しのフォントサイズを大きくする(見出し1、見出し2スタイルを使う)
- 箇条書きのインデントを揃える
- 数値・日付・担当者名は太字または色付きにする
- 余白をA4縦1枚に収まるよう調整する
PowerPoint(スライド1枚)の場合:
- タイトルと本文エリアの2分割レイアウトにする
- 文字は18pt以上を維持する
- 箇条書きは1スライドにつき5〜7行以内
具体例2つ
例1:月次業務報告書のサマリー化
10ページの月次報告書を1枚にまとめて部長に提出する場面です。各章の見出しと数値が入った段落だけを抜き出してAIに渡すと、「今月の実績・先月比・課題・翌月の優先施策」の4項目で整理されたサマリーが出力されます。
元の報告書には細かい業務記録が多く含まれますが、部長が必要なのは「何がどれくらい進んだか」「何が問題か」「次に何をするか」の3点です。AIはこの構造を理解して要約します。
例2:複数の提案書を比較した1枚資料
3社から受け取った提案書を1枚の比較サマリーに整理する場面です。
以下の3社の提案書の内容を、比較サマリー表にまとめてください。
【A社の提案書】
(テキストを貼り付け)
【B社の提案書】
(テキストを貼り付け)
【C社の提案書】
(テキストを貼り付け)
【比較項目】
・提案内容の概要
・費用(初期・月額)
・納期・開始可能時期
・強みと懸念点
・弊社の条件への適合度(上記提案書の内容から判断できる範囲で)
表形式で出力してください。各セルは2〜3行以内に収めてください。
比較表はそのままWordに貼り付けて、上長への相見積もり報告資料に使えます。
うまくいかない場合
サマリーが長くなりすぎる
文字量の上限を具体的に指定してください。「400字以内」「5箇条以内」など数値で縛ると守られやすくなります。また「冗長な説明や修飾語を省いて」と追記するとさらに短くなります。
重要な情報が抜けてしまう
プロンプトに「必ず含める情報」を箇条書きで明示します。「費用・期限・担当者は必ず含めてください」のように指定すると省略されにくくなります。
表形式にならない
「Markdown形式の表で出力してください」と明示します。ChatGPTやClaudeはMarkdownの表記法に対応しており、Wordに貼り付けると表として認識されます。
元の資料が大きすぎてAIに渡せない
章ごとに分割して入力します。最初に「全体を3回に分けて渡します。3回とも受け取ってから要約してください」と予告しておくと、AIが分割入力に対応しやすくなります。
1枚資料の活用場面
事務・アシスタント業務でサマリー資料が役立つ場面を整理します。
| 場面 | 元の資料 | サマリーで伝えること |
|---|---|---|
| 上長への定期報告 | 月次業務報告書 | 実績・課題・来月の施策 |
| 役員への承認申請 | 提案書・企画書 | 背景・提案・費用・承認事項 |
| 複数提案の比較 | 複数の提案書・見積書 | 比較表・推奨案 |
| 会議前の事前共有 | 議事録・検討資料 | 議題・論点・参加者への依頼事項 |
会議前の事前共有資料を作る場合は議事録作成のAI活用と組み合わせると効率的です。1枚サマリーを添付したメールの作成はメール作成のAI活用を参照してください。
まとめ
AIを使った1枚サマリー資料の作り方をまとめます。
- 元の資料から数値・見出し・結論の部分を優先して抽出する
- 読む相手・目的・盛り込む情報・文字量をプロンプトに明記する
- 出力後に数値・固有名詞を元の資料と照合する
- WordまたはPowerPointに貼り付けて体裁を整える
- 省略した情報リストが出た場合は重要度を判断する
資料の要約は、AIが特に得意とするタスクのひとつです。1枚サマリーを定期的に作る業務なら、一度良いプロンプトができたら使い回せます。テンプレートとして保存して活用してください。
よくある質問
1枚サマリーにまとめる情報の選び方がわかりません。
「読む人が意思決定するために何が必要か」を基準に選びます。目的・現状・課題・提案・次のアクションの5点があれば、ほとんどの場面で意思決定できます。AIに「意思決定に必要な情報だけ抽出してください」と指示するのが効果的です。
AIで作った1枚資料をそのまま上司に提出してよいですか?
数値・固有名詞・日付・担当者名は必ず元の資料と照合してください。要約の過程で情報が省略・変形されることがあります。特に「なぜその数値になったか」の背景が抜け落ちていないか確認してください。
PowerPointとWordどちらで作るのが適切ですか?
上司や役員への報告はPowerPoint(スライド1枚)、社内共有・メール添付はWord(A4縦1枚)が一般的です。どちらが求められているかを事前に確認してから着手してください。
元の資料が長すぎてAIに貼り付けられない場合はどうしますか?
全文を貼る必要はありません。各章の見出しと最初の段落、数値が入っている箇所だけを抜き出して渡すと、AIは全体の構造を把握して要約できます。または章ごとに分割して複数回に分けて入力する方法も有効です。